Shows / 経営者のための困ったときのドラッカー

経営者のための困ったときのドラッカー
世間の常識とドラッカーは、実は真逆のことを言っている。
「起業家の最終目標は、より大きなリスクをより安全に取れるようになることだ」「問題ではなく機会に資源を割り当てよ」「低い目標を設定することは、イノベーションが持続可能でなくなる」——これらはすべて、今日の経営常識とぶつかる言葉だ。でもより現場ではしっくりとくる。この番組は、ドラッカーの言葉を現場で使い続けてきた二人の実践者が、それぞれ特に好きな言葉を持ち寄り、現代経営への応用を企む対話Podcastだ。
医師・経営者の市橋亮一と、起業家・組織開発コンサルタントの森田英一。実践者が語るドラッカーが、ここにある。
▼扱うテーマ例
・「より大きなリスクをより安全に取れるようになること」——起業家の本当のゴールとは
・「問題ではなく機会に投資せよ」——なぜ優秀な人材を問題解決に使ってはいけないのか
・「意味あるものは定量化になじまない」——KPI信仰への根本的な疑問
・「低い目標は罪である」——イノベーションの成功率が10%だからこそ高い目標が必要な理由
・「強みに集中し、弱みを無意味にせよ」——バランス型人材論への反論
▼出演者…
Episodes
経営者のための困ったときのドラッカー018.「イキイキと働く人を増やす」と掲げて26年、本当に増えたのか——ドラッカー「使命の寿命は、せいぜい10年」
「事業の目的とミッションにかかわる定義のうち、50年どころか30年さえ有効なものはない。せいぜい10年が限度である」——使命は命の使い方、変えてはいけないものだと思われている。だがドラッカーは、変わらないこと自体を疑えと言う。…
経営者のための困ったときのドラッカー017.冷たい中華そばが売れたのは「外国人だから」じゃない、暑かったからだ——ドラッカー「使命は顧客の側から定義される」
「事業は、社名や定款や設立趣意書によって定義されるのではない。顧客が満足させる欲求によって定義される。顧客を満足させることが、企業の使命であり目的である」——理念は、自分たちがやりたいことから考えがちだ。だがドラッカーは、理念はお客さんの側から見て初めて分かると言う。…
経営者のための困ったときのドラッカー016.「尊厳死」という言葉が、医療の常識を一夜で変えた——ドラッカーが挙げた「7つの機会」後編
「第四が産業と市場の構造変化である。第五が人口の変化である。第六は認識の変化、すなわちものの見方、感じ方、意味の変化である。第七が発明発見による新知識である」——イノベーションと聞けば発明を思い浮かべる。だがドラッカーは、7つのうち最も不確実なのが新知識だと言う。…
経営者のための困ったときのドラッカー015.失敗すると暇になる。それがイノベーションの始まりだ——ドラッカーが挙げた「7つの機会」前編
「イノベーションのためには、7種類の機会を調べなければならない。第一が予期せぬこと……第二が現実にあるものと、かくあるべきものとのギャップである。第三がニーズである」——計画どおりにいかなかったことこそ、変化の兆しだ。…
経営者のための困ったときのドラッカー014.顧客満足度調査では、会社は良くならない——ドラッカー「最も重要な情報は”買わなかった人”が持っている」
「ほとんどあらゆる組織にとって、もっとも重要な情報は、顧客ではなく非顧客(ノンカスタマー)についてのものである。変化が起こるのはノンカスタマーの世界である」——満足度調査に答えるのは、満足した人だけ。本当に知るべきは、選ばなかった人の理由だ。…
経営者のための困ったときのドラッカー013.まさか「国」も顧客だった——在宅クリニックの院長が数えたら、喜ばせるべき相手は5人いた
「顧客は誰かの問いこそ、企業の目的と使命を定義するうえで、最初に考えるべき最も重要な問いである。やさしい問いではない」「ほとんどの事業が2種類の顧客を持つ。その両方が買ってくれなければならない」——顧客とはエンドユーザーのこと。そのわかりやすい答えだけでは、事業は回らない。…
経営者のための困ったときのドラッカー012.強みは自己分析では見つからない——ドラッカーが挙げた唯一の手がかり「予期せぬ成功と予期せぬ失敗」
「強みの向上や低下をいかに知るか。……そのためには、自社および競争相手の仕事ぶりをフォローし、予期せぬ成功を見つけ、さらには予期せぬ失敗を見つけなければならない」——強みは自己認識では見えない。市場が予想を裏切った瞬間にだけ、姿を現す。…
経営者のための困ったときのドラッカー011.目標は「空腹の根絶」ではなく「飢餓の減少」——達成できない目標は、目標のほうが間違っている
「目標は、空腹の根絶ではなく、飢餓の減少でなければならない。最大ではなく、最適を目標としなければならない」「何度努力しても達成できない目標は、目標として間違っていると考えなければならない」——目標管理の生みの親は、実は目標をつくる前提を厳しく問うていた。…
経営者のための困ったときのドラッカー010.「価値・使命・ビジョン」以外は全部アウトソーシングできる——ドラッカーが企業に突きつけた最大の課題
「ネクスト・ソサエティにおける企業の最大の課題は、社会的な正統性の確立、すなわち価値、使命、ビジョンの確立である。他の機能はすべてアウトソーシングできる」——マーケティングも採用も外に出せる時代に、外に出せないものだけが、その会社の存在意義になる。…
経営者のための困ったときのドラッカー009.小さい会社にイノベーションが起きない本当の理由は「野心がない」から——ドラッカーが選んだ”理想の規模”
「小企業のほとんどは、イノベーションの能力がない。資源がないこともあるが、時間がないこと、野心がないことが大きな原因だ」——大きすぎる組織は官僚的になる。ではドラッカーは小さければいいと言ったのか。答えは違う。大組織だけが長期の研究に資源を投じられ、小さすぎる組織はそもそも大きな的を狙わない。…
経営者のための困ったときのドラッカー008.管理と起業は混ぜるな危険——ドラッカーが語る、新規事業を生む「分離の法則」
「管理的な部門と起業的な部門を一緒にすることは、最も重要なタブーである」——ドラッカーは、既存事業の守りと新規事業の攻めを同じ組織で担わせることの危険を説いた。組織が大きくなるほど新しい挑戦は生まれにくくなる。既存の成功体験こそが、次のイノベーションの最大の障害になるからだ。…
経営者のための困ったときのドラッカー007.全体は大きく、単位は小さく——ドラッカーが語る「連邦分権組織」という答え
「全体の規模は大きく、でも各ユニットは小さく保つ」——一見矛盾するこの命題に、ドラッカーは「連邦分権組織」という答えを出す。各拠点が小さな自律単位として機能することで、顧客との接点と現場の質を守り続けられる。そして連邦分権組織の最大の利点は「明日のトップマネジメントの育成にある」とドラッカーは言う。拠点マネージャーとし…
経営者のための困ったときのドラッカー006.「組織は小さいほど完全に近づく」——ドラッカーが語る、組織を純化する逆説
「組織の唯一の存在理由は、外への貢献である」——ドラッカーはそう言い切った上で、逆説的な原則を示す。人は少ないほど、内部活動は小さいほど、組織はより完全に近づく。組織が大きくなると出世やKPI達成が顧客対応を上回り、信頼できるメンバーが時間の1割以上を人間関係の摩擦に費やし始めたら、それは「人が多すぎる」サインだ。…
経営者のための困ったときのドラッカー005.組織は大きければいいのか?ドラッカーが語る「適切な規模」の論理
「人数が増えるほど、顧客の声が聞こえなくなる」——ドラッカーは、物体の表面積が直径の2乗で増えるのに対し体積は3乗で増えるという法則を引き、組織の成長と内向き化の必然を説いた。規模が大きくなるにつれ、誰も顧客と接しないメンバーが生まれ、コミュニケーションラインは指数的に膨らんでいく。…
経営者のための困ったときのドラッカー004.低い目標の副作用
「イノベーションを目指す組織が行ってはならないこと。それは目標を低く設定することだ」——ドラッカーは、高い目標設定を経営の必須条件と位置づける。イノベーションの成功率はせいぜい10%。だからこそ、1回の成功で9回の失敗コストを回収できるほど大きなリターンを狙う事業にしか挑むべきではない。…
経営者のための困ったときのドラッカー003.問題ではなく機会に投資しよう
優秀な人材を「問題解決」に費やしていないか。ドラッカーは「成果を上げるには、資源を問題ではなく機会に投じよ」と言う。問題は98点から100点へ持っていく最後の2割の努力であり、そこに最高の人材をつぎ込むほど費用対効果は悪化する。…
経営者のための困ったときのドラッカー002.起業家の目標は、より大きなリスクを取れるようになること
「起業家の最終目標は何か」——この問いに、ドラッカーは意表をついた答えを示す。それは「より大きなリスクをより安全に取れるようになること」。地位でも資産でもなく、挑戦し続けられる状態であることが起業家の真のゴールだ。…
経営者のための困ったときのドラッカー001.なぜ今ドラッカーなのか?このポッドキャストで話したいこと
MBA的な「勝つための経営」が当たり前になった時代に、なぜドラッカーなのか。「利益は目的ではない」「人はコストではなく貢献する存在だ」——一見、現代経営の常識と逆行するドラッカーの言葉が、現場で向き合い続けてきた実践者にはなぜか腑に落ちる。 第1回は、医療法人かがやき代表の市橋亮一と、beyond…