Latest / 岡大徳のポッドキャスト / 費用対効果評価で5品目の薬価引下げ|11月1日適用の改定薬価まとめ
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- 0:00SPEAKER_00: あの新しいスマホを買うときってなんかプロ版のカメラが
- 0:03SPEAKER_00: 少し良くなるだけで数万円高くなったり
- 0:06SPEAKER_00: するじゃないですか
- 0:06SPEAKER_00: よくありますよねその時この追加機能って本当に値段に
- 0:10SPEAKER_00: 見合ってるのかなってリスナーのあなたも悩むこと
- 0:13SPEAKER_00: ありませんか実は今医療の世界
- 0:16SPEAKER_00: でも全く同じようなシビアなコスパ計算が
- 0:19SPEAKER_00: 行われているんですよね
- 0:20SPEAKER_01: はいそうなんです
- 0:21SPEAKER_01: 今日深掘りする公的資料を見ていくとこの11月から
- 0:25SPEAKER_01: 主要な薬の価格が最大11%も一気に引き下げられることが
- 0:30SPEAKER_01: わかります
- 0:31SPEAKER_00: 11%って結構な値下げですよね
- 0:33SPEAKER_01: その理由が
- 0:34SPEAKER_01: まさにプロ版としての追加機能が
- 0:37SPEAKER_01: 価格に見合っていないと国からジャッジされたから
- 0:40SPEAKER_01: なんですよなるほど
- 0:41SPEAKER_00: でもそのコスパ評価ってどうやって決めてるんです
- 0:44SPEAKER_01: か基準になるのがアイサーと呼ばれる指標なんですこれは
- 0:48SPEAKER_01: 健康な状態での1年を追加で獲得するために
- 0:53SPEAKER_01: どれだけ余分なコストが
- 0:54SPEAKER_01: かかるかを計算するシステムですね
- 0:56SPEAKER_00: 健康な1年を買うための追加費用ってことですねそうです
- 1:00SPEAKER_01: 今回最大11%の値下げ対象になったトロデルビという薬は
- 1:05SPEAKER_01: このアイサーが最も悪い区分に分類されてしまったんです
- 1:08SPEAKER_00: ということは薬全体の基本料金が
- 1:11SPEAKER_00: 全品11%オフのセールみたいに丸ごと割引されたって
- 1:16SPEAKER_00: ことですかいや、
- 1:17SPEAKER_01: 基本料金が下がったわけじゃないんですよ。
- 1:19SPEAKER_01: 新薬には通常既存の薬より優れているという理由で、
- 1:23SPEAKER_01: プレミアム価格、
- 1:24SPEAKER_01: つまり加算部分が上乗せされるんですね。あー、
- 1:27SPEAKER_00: オプション料金みたいなものですね。
- 1:29SPEAKER_00: その通りです。ただ、
- 1:31SPEAKER_00: アイサーのスコアが悪かったんで、
- 1:33SPEAKER_00: 国はそのプレミアムに十分な価値がないと判断して、
- 1:37SPEAKER_00: 上乗せ部分の9割を強制的に削り落としたんです。
- 1:40SPEAKER_00: 9割もですか?
- 1:41SPEAKER_00: ええ、その結果としてトータルで11%の値下げに
- 1:45SPEAKER_00: つながったというからくりですね。
- 1:47SPEAKER_01: なるほど、
- 1:47SPEAKER_01: オプション料金が大幅に剥奪されたわけですね。
- 1:51SPEAKER_01: でも製薬会社も、
- 1:52SPEAKER_01: はいそうですかって黙って価格を下げられた
- 1:54SPEAKER_01: わけじゃないですよね。
- 1:56SPEAKER_00: もちろんです。
- 1:57SPEAKER_00: 資料を読むと製薬企業と公的機関の間でかなり白熱した
- 2:01SPEAKER_00: データバトルがあったことがわかります。
- 2:03SPEAKER_01: やっぱりすんなりとはいかないですよね。ええ。
- 2:06SPEAKER_00: 今回評価された4品目すべてで、
- 2:08SPEAKER_00: 企業のデータはそのままでは受け入れられませんでした。
- 2:11SPEAKER_01: そこで第三者による公的分析が採用されたんですね。
- 2:14SPEAKER_00: はい。
- 2:15SPEAKER_00: 製薬会社は
- 2:16SPEAKER_00: どうしても自社に有利なベストシナリオを提示しがち
- 2:19SPEAKER_00: ですから。
- 2:20SPEAKER_00: 例えば、
- 2:21SPEAKER_00: テッペーザという薬の評価では、
- 2:24SPEAKER_00: 企業側はなんと再発率0%というデータを提出したんです
- 2:27SPEAKER_01: よ。ちょっと待ってください。0%ですか?
- 2:30SPEAKER_01: それって深夜のテレビショッピングで絶対に壊れません
- 2:33SPEAKER_01: って歌う家電みたいで逆に怪しくないですか
- 2:36SPEAKER_00: 審査側もさすがに違和感を抱きました症例数が
- 2:40SPEAKER_00: 少なすぎる点や長期的な観察が
- 2:42SPEAKER_00: 足りない点を指摘したんですよね
- 2:44SPEAKER_01: 当然ですよね
- 2:45SPEAKER_01: でどうなったんです
- 2:46SPEAKER_00: か公的分析で複数の臨床試験データを独自に統合して
- 2:51SPEAKER_00: 再計算した結果24%というはるかに現実的な数値を
- 2:55SPEAKER_00: 突きつけたんですよ
- 2:56SPEAKER_01: 理想的なデータと現実的なデータのぶつかり合いですね
- 2:59SPEAKER_00: そうですね。
- 3:00SPEAKER_00: あと公的機関は都合のいい数字だけじゃなくて、
- 3:04SPEAKER_00: 時代遅れの前提にも目を光らせているんですよ。あ、
- 3:07SPEAKER_01: 前提を変えてくるパターンですね。
- 3:09SPEAKER_01: それってコロナ治療薬のパケロビットの
- 3:12SPEAKER_01: 話じゃないですか。
- 3:13SPEAKER_00: まさに
- 3:13SPEAKER_00: それです。
- 3:14SPEAKER_00: 企業側はかなり古いデータを引っ張り出してきていて、
- 3:18SPEAKER_00: まだデルタ株が流行していて、
- 3:20SPEAKER_00: ワクチンを打っていない人が大多数だった
- 3:22SPEAKER_00: 時代のデータだったんですよ。
- 3:23SPEAKER_01: いやいや、
- 3:24SPEAKER_01: 今はもうオミクロン株が主流だし、
- 3:26SPEAKER_01: 大多数がワクチン打ってるか感染経験ありますよね。
- 3:29SPEAKER_00: ええ。
- 3:30SPEAKER_00: だから公的分析では
- 3:31SPEAKER_00: 現在のリアルな医療環境に合わせて評価を修正しました。
- 3:35SPEAKER_00: ウイルスの状況が
- 3:36SPEAKER_00: 変われば薬の相対的な価値も変わるという客観的な
- 3:40SPEAKER_00: 判定です。
- 3:41SPEAKER_01: データをどう切り
- 3:42SPEAKER_01: 取るかっていうまさに知恵グラビですね。
- 3:45SPEAKER_01: でもこれって単なる数字遊びじゃなくて、
- 3:47SPEAKER_01: 私たちが病院で払うお金とか現場の医療に直結する話です
- 3:51SPEAKER_01: よね。
- 3:51SPEAKER_00: だからこそ何を持って薬の価値とするかっていう基準が
- 3:55SPEAKER_00: 非常に重要になってくるんです。
- 3:58SPEAKER_00: ここで興味深いのが
- 3:59SPEAKER_00: アウイクリーという糖尿病治療薬をめぐる議論ですね。
- 4:03SPEAKER_01: アウイクリーって週に1回の投与で済む薬でしたっけ?
- 4:06SPEAKER_00: そうです。
- 4:07SPEAKER_00: 企業側は週1回で済むから患者の治療満足度が
- 4:11SPEAKER_00: 大きく上がると主張して価格の上乗せを求めたんです。
- 4:14SPEAKER_01: いや毎日薬飲んだり注射したり
- 4:16SPEAKER_01: するより週1回で済むなら絶対にそっちの方がいいです
- 4:19SPEAKER_01: よ。
- 4:20SPEAKER_01: 患者としては間違いなく価値を感じます。
- 4:22SPEAKER_00: しかし公的機関は
- 4:24SPEAKER_00: その満足度を医学的な生活の質の向上とは
- 4:27SPEAKER_00: 認めず却下しました。
- 4:29SPEAKER_01: え、認められなかったんですか?なんでですか?
- 4:31SPEAKER_01: 彼らの厳密な評価依順では生活の質の向上っていうのは
- 4:35SPEAKER_01: 生存期間が伸びるとか身体的な症状が
- 4:39SPEAKER_01: 明確に改善するといった客観的な健康状態の向上を
- 4:43SPEAKER_01: 指すからなんです。
- 4:44SPEAKER_00: ということは単なる心理的な利便性とか手間の削減は
- 4:48SPEAKER_00: カウントされないってことですかはい
- 4:50SPEAKER_01: 臨床的な価値と
- 4:51SPEAKER_01: してはカウントされなかったんですよ
- 4:53SPEAKER_00: でもそれって頭で勝ちすぎませんかあなたが
- 4:56SPEAKER_00: 患者たとして毎日の治療のストレスから
- 4:59SPEAKER_00: 解放されるのって間違いなく生活の質の向上です
- 5:02SPEAKER_01: よねおっしゃる通りビジネスの世界では
- 5:05SPEAKER_01: 使いやすさや快適さという主観的な価値にお金を払うのが
- 5:08SPEAKER_01: 当たり前ですよね
- 5:09SPEAKER_00: そうですよ
- 5:10SPEAKER_00: 冒頭のスマホのプロ版だってそうですし
- 5:12SPEAKER_01: ただこれは
- 5:13SPEAKER_01: 限られた公的医療費の分配を決めるシステムなんです
- 5:17SPEAKER_01: 主観的な満足度や便利さをすべて価格に
- 5:20SPEAKER_01: 上乗せしてしまえば医療保険制度自体が
- 5:23SPEAKER_01: パンクしかねませんまあ
- 5:24SPEAKER_00: それはわかりますけどだから
- 5:26SPEAKER_01: こそ冷酷なまでに客観的な臨床データで線を引かざるを
- 5:30SPEAKER_01: 得ない側面があるんですよね
- 5:32SPEAKER_00: なるほどあなたが
- 5:33SPEAKER_00: もし医療現場で働いているならこの11月を
- 5:36SPEAKER_00: またぐ工学薬の在庫管理ってこうした評価システムに
- 5:39SPEAKER_00: 振り回されるシビアな問題ですよねええ、
- 5:42SPEAKER_01: 非常に現実的な問題です。でも、
- 5:45SPEAKER_00: あなたが
- 5:45SPEAKER_00: ただの患者であったとしても無関係じゃないんです。
- 5:48SPEAKER_00: このデータバトルが私たちが
- 5:50SPEAKER_00: どんな治療をいくらで受けられるかを根底で
- 5:53SPEAKER_00: 決めているんですから。はい。
- 5:54SPEAKER_01: 限られた財源の中で医療を維持するためには
- 5:57SPEAKER_01: 厳しい費用対効果の線引きは不可避と言えます。
- 6:01SPEAKER_01: だとしても、
- 6:02SPEAKER_01: 最後にリスナーのあなたに考えてみてほしいんです。
- 6:05SPEAKER_01: 公的分析では、
- 6:06SPEAKER_01: 患者の満足度は生活の質の向上では
- 6:09SPEAKER_01: ないと切り捨てられました。ええ、
- 6:11SPEAKER_00: データ上の数値が優先された形ですね。でも、
- 6:15SPEAKER_01: 数値だけを追い求め、
- 6:17SPEAKER_01: 患者の日々の使いやすさや心の負担が
- 6:19SPEAKER_01: 軽くなることを価値として価格に反映しない今の
- 6:23SPEAKER_01: 評価システムって、
- 6:24SPEAKER_01: 本当に私たちの求める医療の姿
- 6:26SPEAKER_01: なのでしょうか。
- 6:27SPEAKER_00: 非常に考えさせられるテーマですね。
- 6:30SPEAKER_01: 次に薬局でお薬を受け取るとき、
- 6:32SPEAKER_01: その価格の裏にあるシビアな工房を少しだけ
- 6:36SPEAKER_01: 想像してみてください。