Latest / 岡大徳のポッドキャスト / OTC類似薬の保険給付見直し|負担対象外となる9類型と実務を解説
Transcript
- 0:00SPEAKER_00: あの普段薬局で処方箋を出してお金を払うときって
- 0:03SPEAKER_00: すごくシンプルですよね
- 0:05SPEAKER_00: そうですね保険証を出せば自動的に
- 0:08SPEAKER_00: 3割負担になってまあ計算も機械
- 0:10SPEAKER_00: 的っていうか
- 0:12SPEAKER_01: いつも通りだっていういい意味での
- 0:14SPEAKER_01: 思考停止が許される安心感がありますよねそう
- 0:17SPEAKER_00: なんですよでももしそのレジでの計算が
- 0:21SPEAKER_00: 急に迷路みたいに複雑になったらどうでしょう迷路ですか?
- 0:26SPEAKER_00: ええ。
- 0:26SPEAKER_00: 同じ薬を受け取っているのに、お医者さんの診断次第で、
- 0:30SPEAKER_00: あなたの支払うルートと金額が全く変わるとしたら。
- 0:34SPEAKER_01: それは、えっと、かなり戸惑いますよね。
- 0:38SPEAKER_01: でも、それが現実になろうとしているんですよね。
- 0:41SPEAKER_00: そうなんです。
- 0:42SPEAKER_00: 今回の深掘りミッションは、令和9年、
- 0:45SPEAKER_00: つまり2027年3月に施行が
- 0:48SPEAKER_00: 想定されているOTC類似薬の保険給付見直しに
- 0:52SPEAKER_00: ついてです。はい。
- 0:53SPEAKER_00: あなたが将来薬局で支払う薬代が
- 0:56SPEAKER_00: 急に上がるかもしれない。
- 0:57SPEAKER_00: その背景と裏にある緻密な例外のから
- 1:01SPEAKER_00: くりを複数の資料から読み解いていきます。
- 1:04SPEAKER_01: まず対象となるのは市販薬、
- 1:06SPEAKER_01: つまりドラッグストアで買えるOTC薬品と成分とか
- 1:11SPEAKER_01: 投与経路、
- 1:12SPEAKER_01: あと1日の最大容量が全く同じ処方薬なんですね。
- 1:16SPEAKER_01: なるほど。現在のところ77成分1042品目が
- 1:20SPEAKER_01: 対象として想定されています。
- 1:22SPEAKER_00: 1042ってかなりの数ですよね
- 1:24SPEAKER_00: で具体的に何が変わるかというとこの対象薬の薬価の
- 1:29SPEAKER_00: 4分の1が保険適用外になって
- 1:32SPEAKER_01: その部分は
- 1:33SPEAKER_01: 全額自己負担のいわゆる特別の料金になるんです
- 1:36SPEAKER_01: 特別の料金残りの4分の4はこれまで通り保険が
- 1:41SPEAKER_01: 適用されます
- 1:42SPEAKER_00: この目的は大きく2つあって一つは
- 1:45SPEAKER_00: 同じような市販薬を全額自費で買っている人との公平性を
- 1:49SPEAKER_00: 確保することですねもう一つは現役世代の保険料負担が
- 1:53SPEAKER_00: 上がり続けるのを抑えることです
- 1:55SPEAKER_01: つまりドラッグストアで買える身近な薬をわざわざ病院で
- 2:00SPEAKER_01: 処方してもらう場合一種のプレミアム手配料みたいな
- 2:03SPEAKER_01: 追加費用がかかる感覚ですね
- 2:05SPEAKER_00: プレミアム手配料面白い例えですね
- 2:09SPEAKER_00: 具体的な数字で見ると仕組みがよくわかりますよ
- 2:11SPEAKER_00: 教えてください例えば3割負担の人が
- 2:14SPEAKER_00: 解熱鎮痛薬を5日分処方されたとしますこれまでは
- 2:18SPEAKER_00: 45円だった自己負担が見直し後は72円に上がります。72円に?
- 2:23SPEAKER_00: はい。これは薬の値段の4分の1が保険から
- 2:26SPEAKER_00: 外れて全額自己負担になるため、その分の差額が
- 2:29SPEAKER_00: ポーンと乗っかってくるからなんです。
- 2:31SPEAKER_01: なるほど。そういう計算なんですね。
- 2:33SPEAKER_01: でも値上げ幅としては結構大きい気もするんですが。
- 2:37SPEAKER_00: 確かに割合で見れば負担増なんですけど、
- 2:40SPEAKER_00: 同じような下熱筋痛薬を市販で買えば約500円かかります
- 2:44SPEAKER_00: よね。
- 2:44SPEAKER_01: ああ、そうか。市販薬の方が高い。
- 2:46SPEAKER_00: つまり追加費用を払ったとしても依然として処方薬の方が
- 2:50SPEAKER_00: 圧倒的に安いという事実は変わらないんです
- 2:53SPEAKER_01: なるほどでも結局病院に行った方が
- 2:56SPEAKER_01: 安いなら一律で負担増になっても本当に医療が必要な人が
- 3:01SPEAKER_01: 困っちゃうけねもありますよねおっ
- 3:02SPEAKER_00: しゃる通りです
- 3:03SPEAKER_01: 国はどうやって日常的な軽症と治療が
- 3:07SPEAKER_01: 必須な状態を区別するつもりなんですかそ
- 3:09SPEAKER_00: こがこの制度の最も興味深い部分なんですよ。
- 3:13SPEAKER_00: 必要な受診を妨げないように驚くほど精緻な例外ルートが
- 3:16SPEAKER_00: 用意されています。
- 3:17SPEAKER_01: 例外ルート?
- 3:19SPEAKER_00: はい。まず患者さんの年齢や特定の病気といった客観的に
- 3:23SPEAKER_00: すぐ分かる基準による例外ですね。
- 3:25SPEAKER_00: 18歳以下の子ども、がん治療中の患者さん、
- 3:28SPEAKER_00: 生活保護受給者など9つの類型に当てはまる人は
- 3:31SPEAKER_00: 追加負担が免除されます。待って
- 3:33SPEAKER_01: じゃあ同じ成分の薬なのに医者の診断名や状況次第で私の
- 3:38SPEAKER_01: 支払う金額が変わるってことですかそういうことです
- 3:42SPEAKER_01: 例えば歯を抜いた後の痛み止めはどうなるんですかま
- 3:45SPEAKER_00: さにそこなんですよ
- 3:46SPEAKER_00: 処方目的によっても免除されるんです
- 3:49SPEAKER_00: 例えば抗アレルギー薬のフェキソフェナジンってあります
- 3:52SPEAKER_01: よねはいよく聞く名前ですね
- 3:54SPEAKER_00: これをアレルギー性鼻炎で処方されたら追加負担の
- 3:57SPEAKER_00: 対象なんですけど市販薬には
- 3:59SPEAKER_00: ない効能であるジンマシンなら免除されるんですえ、
- 4:02SPEAKER_01: 鼻炎だと高くなってジンマシンだと免除?
- 4:05SPEAKER_00: ええ、罰死の例も非常に緻密ですよ。
- 4:07SPEAKER_00: 罰死後の痛み止めはセーフなんですか?
- 4:10SPEAKER_00: 罰死などの処置に伴う痛み止めは、
- 4:12SPEAKER_00: 同日処方の14日分までは免除されます。
- 4:15SPEAKER_01: 14日分まで、ピンポイントですね。
- 4:18SPEAKER_00: これはNDB、
- 4:19SPEAKER_00: つまり全国の医療機関から国に提出される請求書、
- 4:23SPEAKER_00: いわゆるレセプトの膨大なデータを分析した結果
- 4:26SPEAKER_00: なんです。
- 4:26SPEAKER_00: ほうほう。総省処理後の鎮痛剤処方の約9割14日分以内だった
- 4:32SPEAKER_00: という実態に基づいて惹かれた線引きなんですよ
- 4:34SPEAKER_01: データドリブンですごいですけどということは
- 4:37SPEAKER_01: 薬局の窓口で薬剤師さんに今日は
- 4:40SPEAKER_01: 鼻炎ですかそれともジンマシンですかって尋問みたいに
- 4:43SPEAKER_01: 聞かれるケースが増えるってことです
- 4:45SPEAKER_00: よねまさにそうですね医療機関は
- 4:48SPEAKER_00: 患者さんの年齢や属性と医師が
- 4:51SPEAKER_00: 判断した効能や効果この2段階で対象かどうかを
- 4:55SPEAKER_00: 判断しなければなりません
- 4:56SPEAKER_01: 2段階で。
- 4:58SPEAKER_00: はい。そしてその結果を処方箋や国の請求データに正確に
- 5:03SPEAKER_00: 記載するという現場の新たな実務ハードルが
- 5:06SPEAKER_00: 生まれるんです。
- 5:07SPEAKER_01: ちょっと待ってください。
- 5:08SPEAKER_01: お医者さんも薬局もその細かい確認作業と書類書きに
- 5:12SPEAKER_01: 追われるわけですよね。そうなりますね。
- 5:14SPEAKER_01: それって、医療費を削るためにやってる制度なのに、
- 5:20SPEAKER_01: 現場が負担する事務コストの方が
- 5:22SPEAKER_01: 結果的に削減される医療費を
- 5:24SPEAKER_01: 上回ってしまうなんてパラドックスは
- 5:26SPEAKER_01: 起きないんでしょうか。
- 5:27SPEAKER_00: わあ、制度の複雑さが生む見えないコストですね。
- 5:31SPEAKER_00: まさにそこがこの料金所の迷路の最大の
- 5:34SPEAKER_00: 資格かもしれませんね。
- 5:35SPEAKER_01: ですよね。
- 5:37SPEAKER_01: 最初の話に戻りますけど、レジでの計算が
- 5:40SPEAKER_01: 自動的な引き算から
- 5:41SPEAKER_01: 複雑な条件分岐の迷路に変わるわけです。
- 5:45SPEAKER_01: 次に病院へ行くとき、あなたは自分の薬が
- 5:48SPEAKER_01: どのルートを通って処方
- 5:50SPEAKER_01: されているのかきっと気になってしまうはずです。
- 5:53SPEAKER_01: この複雑な精度がもたらす本当のコストについて、
- 5:56SPEAKER_01: ぜひ少し考えてみてください。