
山そのものが神様だった——柳田国男(やなぎたくにお)『山の神とヲコゼ』のこと
山道を歩いていると、人里から離れた場所に、ひっそりと小さな祠や鳥居が立っているのを見かけることがあります。あれは何のためにあるのか。
民俗学者・柳田国男は、著書の中で「山の神」という信仰の不思議な姿を記録しています。山の神は醜い女神であり、嫉妬深く、美しい女性が山に入ることを嫌うとされてきました。だからこそオコゼという醜い魚を供えると神が安堵する、という伝承が各地に残る。
そしてこの信仰は、島根の奥山で生まれたたたら製鉄の守護神・金屋子神へとつながっていきます。山を御神体とする日本の感覚と、人間くさい神様の物語を、温泉津の山里の風景と重ねながら語ります。
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