Latest / 岡大徳のポッドキャスト / 令和8年度薬価調査の概要|令和9年度薬価改定に向けた3つのポイント
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- 0:00SPEAKER_00: よし今回のテーマを紐解いていきましょうあなたが
- 0:03SPEAKER_00: 全国展開している巨大なチェーン店のオーナーだと
- 0:06SPEAKER_00: ちょっと想像してみてください各店舗の店長がですね
- 0:10SPEAKER_00: 本部には
- 0:10SPEAKER_00: 内緒で仕入れ先とそれぞれ全く違う割引交渉を
- 0:15SPEAKER_00: しているとしたら
- 0:16SPEAKER_01: それだと本当の取引価格を割り出すのは
- 0:19SPEAKER_01: かなり頭が痛い問題ですよねそう
- 0:22SPEAKER_00: なんですよ
- 0:22SPEAKER_00: 全部のレシートを書き集めるのかそれとも一部の店舗の
- 0:27SPEAKER_00: データだけを信じて推測するのか実は
- 0:30SPEAKER_00: これ日本の医療費にも全く同じことが言えるんです
- 0:33SPEAKER_01: なるほど国が
- 0:35SPEAKER_01: 薬の市場実製価格をどうやって
- 0:38SPEAKER_01: 把握しているのかということですね
- 0:40SPEAKER_00: その通りです今回は
- 0:42SPEAKER_00: 中医協の報告資料をもとに深掘りしていきます
- 0:45SPEAKER_00: 今日のミッションはですね国が
- 0:47SPEAKER_00: どうやって私たちの医療費負担を抑えようとしているのか
- 0:51SPEAKER_00: そしてその裏で稼働している驚くほどアナログな
- 0:55SPEAKER_00: システムの現状をあなたと一緒に探っていくことです
- 0:58SPEAKER_01: いいですね。
- 0:59SPEAKER_01: まず前提としてお話ししておくと、
- 1:01SPEAKER_01: 薬の肯定価格である薬価を大きく
- 1:04SPEAKER_01: 見直す本改定というのは、
- 1:06SPEAKER_01: 原則2年に1回行われるんです。はい。
- 1:09SPEAKER_00: 次回は令和9年度に控えているんですよね。ええ。
- 1:11SPEAKER_01: でも今回話し合うのは、
- 1:13SPEAKER_01: 令和8年度の薬価調査についてなんです。
- 1:16SPEAKER_00: そこなんですよ。
- 1:17SPEAKER_00: つまりどういうことですか。
- 1:19SPEAKER_00: なぜ本改定のない令和8年度にわざわざ全国的な調査を
- 1:23SPEAKER_00: するんでしょうか。
- 1:24SPEAKER_01: それはですね、
- 1:25SPEAKER_01: 平成28年の基本方針で改定が
- 1:28SPEAKER_01: ない中間年にも調査を行うルールができたからなんです
- 1:32SPEAKER_01: よ。
- 1:32SPEAKER_00: 中間年ですか。はい。
- 1:35SPEAKER_00: 市場での実際の取引価格と国が
- 1:38SPEAKER_00: 定めた薬価との間に大きなズレが
- 1:40SPEAKER_00: 生じている薬を早期に見つけ出して、
- 1:43SPEAKER_00: 適時に価格を下げるためですね。
- 1:45SPEAKER_01: なるほど。
- 1:47SPEAKER_01: 年末の大掛かりな全社監査を待つんじゃなくて、
- 1:50SPEAKER_01: 基柱の抜き打ちチェックみたいなものを挟んで、
- 1:52SPEAKER_01: 国民の医療費負担が過剰に膨らむのを防いでいるんですね
- 1:55SPEAKER_00: まさにそういうことです
- 1:57SPEAKER_00: すべての医薬品を対象に1ヶ月間しっかり調査を行います
- 2:02SPEAKER_01: でもチェックとはいえ日本全国にある数えきれないほどの
- 2:06SPEAKER_01: 病院や薬局を対象に全部調べるとなるととん
- 2:09SPEAKER_01: でもない規模になりませんか
- 2:11SPEAKER_00: ここで興味深いのは国は
- 2:13SPEAKER_00: データ収集の労力と精度のバランスを取るために本改定の
- 2:18SPEAKER_00: 年と比べて調査規模をかなり絞り込んでいるという
- 2:21SPEAKER_00: 点なんですほう、
- 2:22SPEAKER_01: 具体的にはどれくらい絞り込んでいるんですか?
- 2:24SPEAKER_00: えっと、
- 2:25SPEAKER_00: 薬を販売する卸売業者は約3分の2に、
- 2:29SPEAKER_00: 購入する側の病院は40分の1、
- 2:32SPEAKER_00: 薬局は120分の1に絞り込みます。
- 2:35SPEAKER_01: えぇ、そんなに減らすんですか?
- 2:37SPEAKER_00: さらにですね、
- 2:38SPEAKER_00: 診療所に至っては、
- 2:40SPEAKER_00: なんと400分の1の施設しか調査しないんです。
- 2:44SPEAKER_00: 全体で約1000客体程度になりますね。
- 2:47SPEAKER_01: ちょっと待ってください。
- 2:48SPEAKER_01: 診療所がたったの400分の1ですか?
- 2:51SPEAKER_01: 単なるくじ引きで選んだら、た
- 2:53SPEAKER_01: またま都市部の大きな診療所ばかりに偏ってしまって、
- 2:56SPEAKER_01: 全国のリアルな実態が反映されない気がするんですが。
- 2:59SPEAKER_00: おっしゃる通りです。
- 3:01SPEAKER_00: だからこそ、
- 3:02SPEAKER_00: 純粋なランダムではなくて、
- 3:04SPEAKER_00: 創価無作為抽出法というアプローチを取るんですよ。
- 3:07SPEAKER_01: 創価無作為ですか。
- 3:09SPEAKER_01: なんか難しそうな言葉ですね。
- 3:11SPEAKER_01: 簡単に言うとですね、
- 3:13SPEAKER_01: 事前に施設を規模や地域などの属性ごとに
- 3:16SPEAKER_01: グループ分けして、
- 3:17SPEAKER_01: それぞれのグループから偏りが
- 3:19SPEAKER_01: 出ないように均等にピックアップしているんです。ああ、
- 3:23SPEAKER_00: なるほど。
- 3:23SPEAKER_00: じゃあ、
- 3:24SPEAKER_00: ただのくじ引きじゃなくて、
- 3:25SPEAKER_00: 日本の医療機関の正確なミニチュア版を作るような
- 3:28SPEAKER_00: 感覚ですね。
- 3:29SPEAKER_01: まさにその表現がぴったりです。
- 3:32SPEAKER_01: これによって、
- 3:32SPEAKER_01: 少ないサンプル数
- 3:33SPEAKER_01: でもしっかりと統計的な信頼性を担保しているわけです。
- 3:37SPEAKER_00: なるほど、
- 3:38SPEAKER_00: それなら納得です。でも、
- 3:39SPEAKER_00: どうしてそこまで調査対象を絞り込まないと
- 3:42SPEAKER_00: いけないんでしょうか?
- 3:43SPEAKER_01: これを全体像に結びつけるとですね、
- 3:45SPEAKER_01: 現場の医療機関の負担を減らすという目的も
- 3:48SPEAKER_01: もちろんあるんですが、
- 3:49SPEAKER_01: 実は国側も事務処理の限界を迎えているんですよ。
- 3:54SPEAKER_00: 事務処理の限界ですか?
- 3:56SPEAKER_01: ええ。現在の薬価調査がどうやって行われているかご存知ですか?
- 4:00SPEAKER_01: 実は、Excel形式の調査票が
- 4:03SPEAKER_01: 入ったCDRを全国の施設に郵送しているんです。
- 4:06SPEAKER_00: へー、
- 4:08SPEAKER_00: ここからが本当に面白いところなんだけど、
- 4:10SPEAKER_00: 今の時代にCDRを物理的に郵送しているんですか?
- 4:14SPEAKER_01: はい、郵送して入力後に返送してもらっている状態です。
- 4:17SPEAKER_00: いやいや、
- 4:18SPEAKER_00: AIやクラウドが当たり
- 4:19SPEAKER_00: 前のこの時代に電書バトでメールを送るような
- 4:22SPEAKER_00: ものじゃないですか。
- 4:23SPEAKER_00: それはちょっと衝撃的ですね。
- 4:25SPEAKER_01: 本当にそうですよね。
- 4:27SPEAKER_01: 手入力によるヒューマンエラーの問題も当然あるんです
- 4:29SPEAKER_01: けど、
- 4:30SPEAKER_01: 最大のボトルネックはデータの孤立なんです。
- 4:33SPEAKER_00: データの孤立というと集めたデータが
- 4:36SPEAKER_00: うまく活用できないってことですか全国から
- 4:39SPEAKER_00: バラバラのエクセルファイルが
- 4:40SPEAKER_00: 送られるためそれを一つの巨大なデータベースとして
- 4:44SPEAKER_00: 統合することが非常に難しいんです
- 4:46SPEAKER_01: ということは
- 4:47SPEAKER_01: 特定の薬の価格が
- 4:49SPEAKER_01: 過去5年間でどう下落していったのかみたいな刑事的な
- 4:53SPEAKER_01: 分析も簡単にはできないわけですねおっ
- 4:55SPEAKER_00: しゃる通りです。
- 4:56SPEAKER_00: データが集まってもそれが
- 4:58SPEAKER_00: ただのファイルの山になっていて、
- 4:59SPEAKER_00: 長期的なトレンドを覆うような意味のある分析に
- 5:03SPEAKER_00: つなげられていなかったんです。
- 5:05SPEAKER_01: それはもったいないですね。
- 5:07SPEAKER_01: 単なる手間の削減っていうレベルの話じゃないですよね。
- 5:10SPEAKER_00: だからこそ、
- 5:11SPEAKER_00: 令和8年度の調査から
- 5:13SPEAKER_00: ついにオンライン回答システムの要件定義が
- 5:15SPEAKER_00: 始まるんです。
- 5:17SPEAKER_00: これが実現すれば、
- 5:18SPEAKER_00: 過去データとの比較や価格推移のトラッキングが
- 5:21SPEAKER_00: システム上で瞬時に行えるようになります。
- 5:24SPEAKER_01: なるほど。
- 5:25SPEAKER_01: 単にCDロモを郵送する手間が省けるという話ではなくて、
- 5:29SPEAKER_01: データを本当の意味で武器として
- 5:31SPEAKER_01: 使えるようになるわけですね。これが
- 5:33SPEAKER_01: 令和9年度の改定に向けた最大の不責になるんですね。
- 5:37SPEAKER_00: はい。
- 5:38SPEAKER_00: 令和8年度の調査は
- 5:39SPEAKER_00: 従来の手法を踏襲しつつも規模を縮小し、
- 5:43SPEAKER_00: そして待望のオンライン化への第一歩として令和9年度に
- 5:47SPEAKER_00: つながる極めて重要なステップと言えます。
- 5:50SPEAKER_01: いやー薬の値段を決める裏側にこれほど泥臭いデータの
- 5:53SPEAKER_01: やり取りと変革のドラマがあったとは驚きです
- 5:56SPEAKER_01: さて最後にあなたに考えてみてほしいことがあります
- 5:59SPEAKER_00: はいもしこのシステムが
- 6:02SPEAKER_00: 完全にオンライン化されて数年分の価格データが
- 6:05SPEAKER_00: 国によって瞬時に分析できるようになった
- 6:07SPEAKER_00: とき製薬会社卸売業者
- 6:10SPEAKER_00: そして価格を決める国の価格交渉のパワーバランスは
- 6:14SPEAKER_00: 根底から
- 6:15SPEAKER_00: どう変わるでしょうか次に薬局で処方箋を受け取るとき、
- 6:19SPEAKER_00: ぜひその紙切れの裏側で密かに始まろうとしている巨大な
- 6:24SPEAKER_00: データ戦争について少し想像してみてください。