Latest / 岡大徳のポッドキャスト / 【中医協】在宅自己注射の対象薬にアナキンラ追加へ|第654回総会を解説
Transcript
- 0:00SPEAKER_00: あの同じ時期に承認された最新の皮下注射薬の話なんです
- 0:04SPEAKER_01: けど6月に承認された2つの薬ですね
- 0:07SPEAKER_00: そうですこれ一方は
- 0:09SPEAKER_00: 自宅で患者自身が毎日打てるのにもう一方は
- 0:12SPEAKER_00: 医療従事者しか投与できないんです
- 0:14SPEAKER_01: よねはい同じように皮膚の下に薬を入れるだけなのに
- 0:17SPEAKER_01: 扱いが全然違うんです
- 0:19SPEAKER_00: なんかまるで自分で運転するマイカーとプロに任せる
- 0:23SPEAKER_00: タクシーみたいにルールが2つに分かれていてこれ実は
- 0:26SPEAKER_00: 薬の成分じゃなくて意外なところで決まっているんです
- 0:30SPEAKER_01: よねそうなんですよ
- 0:31SPEAKER_01: 最新の注意競争会の資料を読み解くとその境界線が
- 0:35SPEAKER_01: 非常にクリアに浮かび上がってきます
- 0:37SPEAKER_00: なるほどじゃあ今回は
- 0:39SPEAKER_00: このアナキンラとイサツキシマブという2つの薬の
- 0:42SPEAKER_00: 保健所の扱いの違いから
- 0:44SPEAKER_00: 複雑な医療行政の裏側を紐解いていきましょうリスナーの
- 0:48SPEAKER_00: あなたもぜひ一緒に深掘りしていきましょうはい。
- 0:51SPEAKER_01: まずはマイカー側、
- 0:52SPEAKER_01: つまり自己注射が
- 0:53SPEAKER_01: 認められたスチルビオ治療薬のアナキンラですね。あ、
- 0:56SPEAKER_00: そうですね。
- 0:57SPEAKER_00: これ毎日打つ必要があるんですよね。え、
- 0:59SPEAKER_01: そうなんです。
- 1:00SPEAKER_01: スチルビオは長期の治療を要する難病でして、
- 1:04SPEAKER_01: これまで主流だったステロイド治療だと副作用が
- 1:07SPEAKER_01: 大きかったんです。
- 1:08SPEAKER_00: 副作用というと具体的にはどういったものですか?
- 1:10SPEAKER_01: 特に小児の成長障害とか代謝異常といった深刻な副作用が
- 1:15SPEAKER_01: 課題だったんですよ。
- 1:16SPEAKER_00: それは確かに避けたいですね。
- 1:18SPEAKER_01: だからこそ関連学会から
- 1:20SPEAKER_01: ステロイドを減らすために早期から
- 1:22SPEAKER_01: この薬を使いたいそのためにも在宅での自己注射を認めて
- 1:26SPEAKER_01: ほしいという強い予防が出されていたんです
- 1:28SPEAKER_00: なるほどまあ毎日病院に通うわけにもいかないですしね
- 1:31SPEAKER_00: つまりこれって火事が起きてから
- 1:35SPEAKER_00: 巨大な消防車を呼ぶのを待つんじゃなくて家に消火器を
- 1:39SPEAKER_00: 常備して毎日初期消火するような感覚です
- 1:41SPEAKER_00: よねステロイドっていう強力な放水による水浸しの被害
- 1:46SPEAKER_00: つまり副作用も最小限に抑えられるというわけだ。
- 1:50SPEAKER_01: まさにその通りです。
- 1:51SPEAKER_01: 海外ではすでに多くの国で自己注射が標準になっています
- 1:54SPEAKER_01: し。あ、
- 1:55SPEAKER_00: もう海外では当たり前なんですね。はい。
- 1:58SPEAKER_01: 国内の試験
- 1:59SPEAKER_01: でも安全性が確認されていますから、
- 2:01SPEAKER_01: 十分な指導というハードルさえ超えれば、
- 2:04SPEAKER_01: 患者自身で安全に運転できると判断されたわけです。
- 2:07SPEAKER_00: アナキンラが毎日打つ必要があるから
- 2:09SPEAKER_00: 自己注射になったっていうのはすごく腑に落ちますね。
- 2:13SPEAKER_00: でもそれが理由なら。
- 2:16SPEAKER_01: はいもう一つの薬ですね
- 2:17SPEAKER_00: そうなんです
- 2:18SPEAKER_00: もう一つの多発性骨髄種の抗がん剤イサツキシマブの
- 2:23SPEAKER_00: 決定がちょっとどうも納得いかないんですよねと
- 2:26SPEAKER_01: 言います
- 2:27SPEAKER_01: とどのあたりが
- 2:28SPEAKER_01: ですかだ
- 2:28SPEAKER_00: ってこれ体に貼り付ける
- 2:30SPEAKER_00: オンボディインジェクターでした
- 2:32SPEAKER_00: っけそういう器具を使うんです
- 2:34SPEAKER_01: よね略してOBIと呼ばれるものですねそう
- 2:37SPEAKER_00: それですスイッチを入れたら
- 2:39SPEAKER_00: あとは機械が
- 2:40SPEAKER_00: 自動でゆっくり薬を入れてくれる
- 2:42SPEAKER_00: わけじゃないですかはい。
- 2:44SPEAKER_00: 自動的に投与されます。主義に依存しないなら、
- 2:47SPEAKER_00: それこそ患者自身でペタッと貼って、
- 2:49SPEAKER_00: マイカーとして使えそうだなと思うんです。
- 2:51SPEAKER_00: 高齢のがん患者の通院負担とか感染リスクを
- 2:54SPEAKER_00: 減らしたいなら、
- 2:55SPEAKER_00: なおさら自分で打てた方がいいはずなのに。
- 2:58SPEAKER_01: 確かにそう思われますよね。
- 3:00SPEAKER_01: なぜわざわざ訪問看護師なども医療従事者による
- 3:03SPEAKER_01: 投与のみに限定したんですか?
- 3:06SPEAKER_00: 実はそこが一番のパラドクスというか、
- 3:09SPEAKER_00: ルール作りの裏側なんですよ。
- 3:11SPEAKER_00: 理由は大きく2つありまして。
- 3:14SPEAKER_00: ほう、2つ。まず1つ目は抗がん剤特有のリスクです。
- 3:18SPEAKER_00: イサツキシマブは
- 3:19SPEAKER_00: 投与するときに重篤なインフュージョンリアクションが
- 3:22SPEAKER_00: 起きるリスクがあるんです。
- 3:23SPEAKER_01: インフュージョンリアクションっていうのは
- 3:25SPEAKER_01: アレルギーみたいなものですか?
- 3:27SPEAKER_01: はい、
- 3:28SPEAKER_00: そうです。
- 3:28SPEAKER_00: 過敏症ですね。
- 3:29SPEAKER_00: これが比較的高い確率で起きるので、
- 3:32SPEAKER_00: 機械が自動で薬を入れてくれても、
- 3:35SPEAKER_00: 万が一の急変時にすぐ対応できるプロの目が
- 3:38SPEAKER_00: どうしても必要なんです。ああ、
- 3:40SPEAKER_01: なるほど。
- 3:41SPEAKER_01: つまり、
- 3:41SPEAKER_01: 自動運転の車
- 3:43SPEAKER_01: でも緊急時にはプロのドライバーがいつ
- 3:45SPEAKER_01: でもハンドルを握れる状態に
- 3:47SPEAKER_01: しておかなきゃいけないということですね。ええ、
- 3:49SPEAKER_00: まさにそういうことです。
- 3:50SPEAKER_00: そして2つ目。
- 3:51SPEAKER_00: これが行政側の最大の理由なんですが。はい、
- 3:55SPEAKER_00: 何でしょう。中医協がルールを決める際、
- 3:57SPEAKER_00: 関連学会からの要望書が
- 3:59SPEAKER_00: 絶対的な基準になるという点です。あ、
- 4:03SPEAKER_01: 日本血液学会からの要望のことですね。はい。
- 4:06SPEAKER_00: 血液学会の要望書自体が、
- 4:08SPEAKER_00: そもそも患者による自己注射ではなくて、
- 4:10SPEAKER_00: 医療従事者の管理課での投与を大前提として
- 4:13SPEAKER_00: 書かれていたんです。え、
- 4:15SPEAKER_01: そうだったんですか。
- 4:16SPEAKER_01: 初めから自己注射の要望じゃなかったんですね。
- 4:19SPEAKER_00: そうなんですよ。
- 4:20SPEAKER_00: 注意教は基本的に現場の専門医たちが
- 4:23SPEAKER_00: 求めている安全基準以上のリスクを取ることは
- 4:26SPEAKER_00: ありません。
- 4:27SPEAKER_01: なるほど。
- 4:28SPEAKER_01: だからこそ、
- 4:29SPEAKER_01: 自動で注入できる便利な器具を使っても、
- 4:32SPEAKER_01: 自己注射の対象にはならず、
- 4:34SPEAKER_01: 医療従事者が
- 4:35SPEAKER_01: 投与できる注射薬にのみ追加されるという
- 4:37SPEAKER_01: 着地になったわけです。
- 4:39SPEAKER_00: いやー、
- 4:39SPEAKER_00: 点と点がつながりましたね。
- 4:41SPEAKER_00: 同じ在宅医療という枠組みで、
- 4:44SPEAKER_00: しかも同じ新しい非過注射薬であっても
- 4:46SPEAKER_00: 全然違うんですね。ええ。
- 4:48SPEAKER_01: 疾患ごとのリスクやデバイスの特性に合わせてルールが
- 4:52SPEAKER_01: 作られています。
- 4:53SPEAKER_00: そして現場の学会が
- 4:54SPEAKER_00: 描く安全管理のラインに合わせて全く異なるルールが
- 4:58SPEAKER_00: 設計されていると。
- 4:59SPEAKER_00: リスナーのあなたも、
- 5:00SPEAKER_00: 医療制度って
- 5:01SPEAKER_00: ただお役所仕事で一律に決まっているわけじゃないと
- 5:04SPEAKER_00: 気づいたんじゃないでしょうか。
- 5:06SPEAKER_01: そうですね。
- 5:07SPEAKER_01: 病気と戦う手段が多様化する中で、
- 5:09SPEAKER_01: それをどう安全に患者の日常に届けるか。
- 5:12SPEAKER_01: そのシステム自体も非常に繊細に
- 5:15SPEAKER_01: チューニングされているんです。
- 5:16SPEAKER_00: いや本当に面白いですね
- 5:17SPEAKER_00: そこで最後に少し先の未来を想像せずにいられないんです
- 5:22SPEAKER_00: がど
- 5:22SPEAKER_01: んな未来ですか
- 5:24SPEAKER_00: 今回は
- 5:24SPEAKER_00: 万が一の副作用に対応するプロの目が
- 5:27SPEAKER_00: 必要ということでタクシー型になりましたよね
- 5:29SPEAKER_01: そうでした
- 5:30SPEAKER_01: ね
- 5:30SPEAKER_00: でももしオンボディインジェクターが
- 5:32SPEAKER_00: さらに進化して患者の血圧とかアレルギー反応を
- 5:36SPEAKER_00: リアルタイムで検知して異常が
- 5:38SPEAKER_00: あれば自動で投与をストップするようなセンサーが
- 5:40SPEAKER_00: 搭載されたらどうなるでしょう
- 5:42SPEAKER_01: ああそれは技術的には
- 5:44SPEAKER_01: 十分あり得る話ですねです
- 5:46SPEAKER_00: よねそうやってテクノロジーが
- 5:48SPEAKER_00: ションカすれば将来抗がん剤のような複雑な治療において
- 5:51SPEAKER_00: すら医療従事者による管理と患者自身の自己注射の
- 5:55SPEAKER_00: 境界線が完全に消滅する日が来るのかもしれません
- 5:58SPEAKER_01: ねリスナーのあなたはどう思います
- 6:00SPEAKER_01: かぜひ考えてみてください