
土俵の夢 著者:尾崎 士郎 読み手:三田 朱美 時間:15分14秒
土俵の夢著者:尾崎 士郎 読み手:三田 朱美 時間:15分14秒
去年(昭和二十一年)の歳末、鈴木信太郎さんがひょっこりやってきて一杯飲みながら、いろいろな画を描いていってくれた。鈴木さんがびっこをひきながら私の住む伊東の町はずれまで来るのは並大抵のことではなかったであろう。口に出してこそ言わなかったが私の流謫生活を憐れみ、私を慰めるためにやってきたのである。私は感興のうごくにしたがって鈴木さんに勝手な注文をしいろいろな画をかいてもらった。鈴木さんはこんど帝展の審査員になったそうであるが、そんなことは鈴木さんの画家としての価値にいささかも増減を加えるものではなく、私は唯、鈴木さんのような人柄のひとが審査員になったということを世間通俗の人情の上でよろこばしいことだと思っている・・・
The skinny
The skinny isn't ready yet — notes appear once the transcript is processed.