Latest / 岡大徳のポッドキャスト / 費用対効果評価で薬価見直し|トルカプ10.7%引下げを解説
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- 0:00SPEAKER_00: あの新薬のおかげで命が
- 0:02SPEAKER_00: 救われるって本当に素晴らしいことですよね。
- 0:05SPEAKER_00: でももし政府がスプレッドシートを睨みつけてですね、
- 0:08SPEAKER_00: あなたが健康に生きられる追加の年数には
- 0:11SPEAKER_00: この高い薬価を維持するほどの費用対効果が
- 0:14SPEAKER_00: ないって判断したら一体どうなるでしょうか。
- 0:16SPEAKER_00: リスマーのあなたにお届けする今回の徹底解説。
- 0:19SPEAKER_00: テーマは
- 0:20SPEAKER_00: ズバリ命とイノベーションの値段をどう決めるかです。
- 0:24SPEAKER_01: いやーこれ本当にシビアなテーマですよね。
- 0:28SPEAKER_01: 薬の価格決定って単なる需要と供給の話じゃなくて、
- 0:32SPEAKER_01: 限られた医療予算と最先端の価格が
- 0:35SPEAKER_01: ぶつかり合うまさに攻防戦というか。ええ、
- 0:39SPEAKER_00: 本当にそうですよね。
- 0:40SPEAKER_00: 今回の資料をもとに政府が新薬の価格が
- 0:43SPEAKER_00: 費用に見合うかをどう判断して、
- 0:45SPEAKER_00: なぜある薬は値下がり、
- 0:47SPEAKER_00: 別の薬は価格を維持するのか、
- 0:49SPEAKER_00: そのメカニズムを深掘りしていくのが
- 0:50SPEAKER_00: 今回のミッションです。実際、
- 0:53SPEAKER_01: 2026年3月の決定事項を見ると、
- 0:56SPEAKER_01: 非常に興味深い案面が分かれているんですよ。はい。
- 0:59SPEAKER_00: 乳がん治療薬のトルカプ状と多発性骨髄種の
- 1:03SPEAKER_00: エルレフィオ・ヒカチュウの話ですよね。
- 1:05SPEAKER_00: トルカプは6月から約10.
- 1:07SPEAKER_00: 7%の引き下げで、
- 1:09SPEAKER_00: 160mg状が9930円50銭に減額されます。でも、
- 1:14SPEAKER_00: エルレフィオと類似薬のテクベイリは
- 1:16SPEAKER_00: 価格据え置きでした。
- 1:17SPEAKER_01: 同じ最先端の新薬なのにこの差はどこから
- 1:21SPEAKER_01: 来るのかってことですよねここで登場するのが
- 1:24SPEAKER_01: アイサーと呼ばれる指標と
- 1:26SPEAKER_01: それに連動するベーターという価格調整係数なんです
- 1:30SPEAKER_00: ちょっと整理させてくださいそのアイサーってなんか車の
- 1:33SPEAKER_00: 燃費みたいなものです
- 1:34SPEAKER_00: よね単なる価格じゃなくて追加費用でどれだけ質の高い
- 1:38SPEAKER_00: 生存年
- 1:39SPEAKER_00: つまりクオリーを変えるかを見ているという
- 1:41SPEAKER_01: そうそうまさにその通りです
- 1:43SPEAKER_01: その燃費の例えに乗るならベーターはメーカーが
- 1:47SPEAKER_01: 約束した燃費基準を下回った時に課せられる
- 1:50SPEAKER_01: ペナルティーみたいなもので結論から
- 1:52SPEAKER_01: 言うとエルレフィオはベーターが1.
- 1:55SPEAKER_01: 0でまあ無傷でした
- 1:57SPEAKER_01: でもトルカプはベーターが0.
- 1:59SPEAKER_01: 4と判定されたんです
- 2:01SPEAKER_01: これあの基本価格そのものを削るわけじゃなくて新薬の
- 2:05SPEAKER_01: 革新性に対して国が
- 2:07SPEAKER_01: 上乗せした有用性加算というボーナスのことなんですけど
- 2:11SPEAKER_00: 有用性加算、
- 2:12SPEAKER_00: じゃあ0.
- 2:13SPEAKER_00: 4ってことはそのボーナス部分の実に6割が
- 2:16SPEAKER_00: 削られたってことですか?
- 2:18SPEAKER_01: そういうことなんです。
- 2:19SPEAKER_01: かなり重い数字ですよね。
- 2:21SPEAKER_00: いやー
- 2:21SPEAKER_00: でも計算式が明確ならなんで揉めるんですかね。
- 2:25SPEAKER_00: 結局これって国と製薬企業の未来予測の
- 2:29SPEAKER_00: 答え合わせみたいに見えるんですけど、
- 2:31SPEAKER_00: 公的分析って常に保守的なんでしょうか?
- 2:34SPEAKER_01: いやー本当にそこが確信でして。
- 2:37SPEAKER_01: この分析の違いって単なる値引き交渉じゃないんですよ。
- 2:42SPEAKER_01: 例えばトルカプの場合、
- 2:43SPEAKER_01: 企業側は実際の患者の生存期間データが
- 2:47SPEAKER_01: 完全に出揃うまで待つべきだって復々を申し立てました。
- 2:51SPEAKER_00: 企業からすれば手元にないデータで判断されるのは
- 2:54SPEAKER_00: 納得いかないですよね。ええ。
- 2:56SPEAKER_01: でも国としては、
- 2:57SPEAKER_01: 今ある限られたデータだけで、
- 2:59SPEAKER_01: 不可確実な未来の生存期間を
- 3:01SPEAKER_01: シミュレーションしなければいけないので、
- 3:03SPEAKER_01: どうしても保守的になる。
- 3:06SPEAKER_01: 専門組織もそれを妥当としたわけです。
- 3:09SPEAKER_01: これ様々な見解を統合して評価を下すプロセスなんです
- 3:12SPEAKER_01: よね。
- 3:13SPEAKER_00: なるほど。
- 3:14SPEAKER_00: でもエルリフィオは少し違いますよね。
- 3:17SPEAKER_00: 副作用対策のIVIG費用約100万円の追加コストを
- 3:21SPEAKER_00: 突きつけられたのに、
- 3:22SPEAKER_00: 企業側は反論せずに受け入れたっていう。
- 3:24SPEAKER_01: そこが面白いところで、
- 3:26SPEAKER_01: エルレフィオの場合はその厳しい再評価を受けても、
- 3:30SPEAKER_01: なおアイサーの基準をクリアできる、
- 3:33SPEAKER_01: つまり十分に費用対効果が高いって企業側が
- 3:37SPEAKER_01: 自信を持っていたとも読み取れますよね。
- 3:39SPEAKER_00: いやーここからが本当に面白いところなんですけど、
- 3:42SPEAKER_00: 価格が決まった後、
- 3:43SPEAKER_00: 現場の病院はどう対応するのかって話で、
- 3:47SPEAKER_00: 今回トルカプの新薬価適用が6月1日に猶予されてます
- 3:50SPEAKER_00: よね。
- 3:50SPEAKER_01: そうなんですよ。
- 3:52SPEAKER_01: 明日から市なり安くなりますって言われから、
- 3:54SPEAKER_01: 病院側は
- 3:55SPEAKER_01: 高い価格で仕入れた在庫の差額分を丸々大赤字として
- 3:59SPEAKER_01: こぼることになりますからね。ああ、
- 4:00SPEAKER_00: なるほど。
- 4:01SPEAKER_00: スプレッドシートの数字を変えるだけじゃなくて、
- 4:04SPEAKER_00: 病院の在庫管理とか薬価マスターっていうシステムの
- 4:07SPEAKER_00: 更新時の混乱を防ぐためなんですね。
- 4:09SPEAKER_00: この制度、
- 4:10SPEAKER_00: 単なる薬価切り捨てツールじゃないんだなって
- 4:12SPEAKER_00: 驚きました。
- 4:13SPEAKER_01: へー、
- 4:14SPEAKER_01: これまで54品目が評価されましたけど、
- 4:18SPEAKER_01: 糖尿病治療薬のマンジャロみたいに、
- 4:20SPEAKER_01: 変更なしの薬も珍しくないんです。
- 4:23SPEAKER_01: 最近も新たにブーレンレップが指定されて、
- 4:26SPEAKER_01: 現在19品目が評価中です。
- 4:29SPEAKER_01: 実力を見極めるシステムとして定着しつつあるんです。
- 4:32SPEAKER_00: なるほど。
- 4:33SPEAKER_00: 費用対効果評価は
- 4:35SPEAKER_00: 必ずしも引き下げに直結するわけじゃないんですね。
- 4:38SPEAKER_01: へぇー。
- 4:39SPEAKER_01: 医療費の最適化とイノベーションの評価のバランスを
- 4:43SPEAKER_01: 取る、
- 4:43SPEAKER_01: 非常に繊細なメカニズムなんです。
- 4:45SPEAKER_00: いやー、
- 4:46SPEAKER_00: 今回もかなり深いところまで掘り下げました。
- 4:49SPEAKER_00: では最後に、
- 4:50SPEAKER_00: リスナーのあなたに一つ、
- 4:51SPEAKER_00: 少し挑発的な問いを投げかけて終わりに
- 4:54SPEAKER_00: したいと思います。はい。
- 4:55SPEAKER_00: もし今後、
- 4:56SPEAKER_00: 命を確実に救うものの、
- 4:59SPEAKER_00: アイサーの計算上は天文学的な費用がかかってしまう、
- 5:02SPEAKER_00: そんな超学期的でニッチな新薬が登場した場合、はい。
- 5:06SPEAKER_00: 果たして私たちは、
- 5:08SPEAKER_00: この数式だけでその薬の本当の価値を測りきれるので
- 5:11SPEAKER_00: しょうか?
- 5:12SPEAKER_01: うーん、
- 5:13SPEAKER_01: 数値化できない命の重さと有限な予算、
- 5:16SPEAKER_01: 本当に考えさせられる問題ですよね。はい、
- 5:20SPEAKER_00: 答えの出ない問いかもしれませんが、
- 5:22SPEAKER_00: ぜひあなたも考えてみてください。
- 5:24SPEAKER_00: 今回の深掘りはここまでです。