Latest / TanaRadio / 323 メモ | 朗読劇台本をAIと共に書く授業
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- 0:00たなです。今学期の授業の成績付けが終わりまして、ちょっとほっとしているところでもあるんですが、早速来年度のシラバスの作成入力の依頼がきまして、
- 0:23また来年度の授業を考えなければいけないなというふうに思うようになりました。
- 0:32で、今の授業、まあまあなんとかうまくいっているので、このまま続けてもいいんですが、やはりもう私現役の大学教員として残された時間が少なくなってきましたので、最後の挑戦をここでしてみたいなと思いまして、ちょっと新しい趣向を取り入れることを検討しています。
- 1:00で、そのメインとなるのが、学生に朗読劇の台本を作ってもらう。つまりこれを中心的な課題にするという、そういうアイデアです。
- 1:19これまで私は講義で学んだことをブログ上のディスカッションで深めてもらうということをずっとやってきました。
- 1:31ブログでやる前は実際に対面のグループディスカッションをやっていたんですが、コロナになりましてそれができなくなってブログ上でやるようになり、これが対面よりいいということで対面授業を復活した後もずっと続けているんですけれども、
- 1:49AIが出てきまして、学生の投稿する意見が非常に整ったものになってしまったんですね。
- 2:02学生はAIを使っていると思いますし、私もAIを使うことを推奨していますので当然そういうふうになることは予想していましたけれども、それがうまくいったというか、学生がAIを使うのも上手になってきたということですね。
- 2:23そんなに一見してこれはAIが書いたっていうようなそういうものはほとんど見られません。
- 2:29学生が真剣に考えてしっかりと書いた文章とAIに書いてもらったであろう文章と区別がつかないですね。
- 2:40ですので、これ悪くはないんですけど、やっていてなんか面白くないなというふうに思うようになりました。
- 2:51何かもっと面白い授業がしたいなというふうに思いまして、それで考えたわけです。
- 3:04私は学生の様々な発想ですね、創意工夫のようなものをディスカッションの論点を考えるというところで発揮してもらいたいと思っていました。
- 3:25論点を見つけるというのは難しいことなので、私の方で最初は用意していました。
- 3:32けれど途中から学生が論点を提案していいというふうにしまして、私が提案したものと学生が提案したものと両方合わせて学生に投票をしてもらいまして、
- 3:46上位に来たものを実際に授業時間に採用しそこで議論してもらうという仕組みにしたんですけども、結局学生の方からはほとんど論点が出てこないですね。
- 4:03つまり与えられた論点についてかなり的確な答えを書くことができる。
- 4:14その答えを書くときにいろんな立場からいろんな視点から書いてきますので、それは学生の様々な考える余地というものが残されてはいる。
- 4:27正解というものはないので、正解があったらもう議論になりませんので、何が正解か分からないような論点でいろんな意見を出してもらってディスカッションしてもらっているんですけど、
- 4:41でもやっぱり論点は与えられたものなんですね。
- 4:46これが良くないなと思いまして、
- 4:50AIの時代にはやはり答えることよりも問うことの方が重要だというのは孫泰蔵さんが言っていた、「答えようとするな。むしろ問え」というですね、名言にもありますけれども、
- 5:06問うことが大事なので、じゃあ問うことを学生に求めるにはどうすればいいかということを考えたんですね。
- 5:15単純には、問いを書いてくださいと、私の講義を受けて思い浮かんだ問いを書いてくださいというようなそういう課題も出せるんですが、
- 5:27おそらくこれはAIにできてしまいますね。
- 5:32こういう講義があるんだけど、どんな問いが思い浮かぶでしょうかと。
- 5:38大学生が思い浮かべそうなものを、例えば10個書いてくださいとか言って書いてもらって、その中からいくつか選んで提出するなんてことはいくらでもできるので意味がないですね。
- 5:50じゃあどうすれば問いというものを課題として出してもらえるだろうかと考えた時に、
- 5:58思い浮かんだのが、その問いを劇の台本のようなものにして出してもらうということです。
- 6:08劇といっても実際に演じるのは大変なので、台本を読めばできるような朗読劇というのがありますが、
- 6:18この朗読劇の台本を書くというだけで、朗読して演じなくてもですね、読めばだいたいどんな情景かというのは思い浮かびますので、それでいいだろうと。
- 6:30しかもこの朗読劇だと、さまざまな立場の声をそこに登場させることができますので、何か一つの決まった視点から決まった立場からの主張をするというのとは違いますね。
- 6:45ディスカッションだとどうしても立場を決めて、その立場から何か言うということになってしまいます。
- 6:52ですので、さまざまな立場というものを見るためには、いろんな意見の人が意見を出し合うと、その出てきた意見が多様であれば、
- 7:01それを読むことによって自分の頭の中にも多様な意見ができるだろうということだったわけですけれども、
- 7:09でも自分の主張としては何か一つあることを言わなければいけない。
- 7:16そうじゃなくて、もう自分の頭の中でいろんな立場を組み合わせてですね、それを何か意味のあるものとして提示する。
- 7:28その朗読劇を読んだり、あるいは聞いたりした人が深く何かを考えることができるような、
- 7:37そういうある種の劇自体が問いかけになっているようなものを書いてもらえばですね、
- 7:44これはその問いというものを課題にすることが可能なのではないかと考えました。
- 7:51ただこの朗読劇の台本もですね、AIに書いてもらおうと思えばできてしまうわけですよね。
- 7:57で、それをそのまま出してしまうという学生が出てくるかもしれないので、どうすればいいかということを考えたわけですが、
- 8:08私としてはAIというのは人間の行為を代行するものではなくて、
- 8:15人間のパートナーとなって一緒に何かを作り出す、そういう存在であってほしいなというふうに思っていますので、
- 8:24学生にもですね、このAIと一緒にその台本を作るということを経験してもらいたいわけです。
- 8:33それができるようなですね、AIのプロンプトを、これもまたAIに考えてもらって、
- 8:41さらにそれを私とAIが修正していくという形を取りましたけれども、
- 8:48プロンプトができまして、そのプロンプトを使って私も2つほど朗読劇の台本を書いてみまして、
- 8:58なんとかできそうだなと。
- 9:02私はそういう台本なんていうのを書いた経験は一度もなくてですね、
- 9:06演劇を見るのは好きな方で、大学時代はよく演劇を見に行ったりもしましたけれども、
- 9:15最近はほとんどそういうのはなくなってしまいましたが、
- 9:20でもともかく演劇を作る側に回ったことはないんですね。
- 9:24ですけれども、この台本を書くということがAIの力を借りてできましたので、
- 9:32これは学生にもできるだろうという気がしたんですね。
- 9:39ただこれは、私が演劇のようなものが好きだということだからできたのかな、
- 9:48そういうものに全く関心がなく、演劇なんていうものを見たこともないというような学生が果たしてできるのかなというのもあるんですけれども、
- 9:58でもAIの力を借りれば何かはできますので、
- 10:04そのできたものの良し悪しというんでしょうかね、上手い下手というものはとりあえず置いておいてですね、
- 10:11そのAIと対話しながら劇の台本を作るということ自体に教育的な価値があると、
- 10:21ですから成績をつける評価の際にもそういうところを見ていくという形を取りたいなと思ってるんですね。
- 10:29私、ディスカッションをするということを学生にやってもらいましたが、
- 10:36それも何か良い意見を言ったから良い点数で、言った意見があまり良くないから悪い点数とか、
- 10:45そういう点数の付け方はしてないんですよね。
- 10:48ちゃんと自分の頭で考えて、それでそれを上手い下手はありますけれども、
- 10:55それなりに表現しようとしているかというところで見ていきましたので、
- 10:59これは同じ観点からこの劇の台本を評価することは可能であろうというふうに思いました。
- 11:08もちろんできた作品だけではなくて、その作品を作るプロセスについても何らかの形で報告をしてもらおうと思っているんですけれども、
- 11:18そんなことで、来年度といっても4月からですが、授業ができないかなと思って、
- 11:28ここ数日、AIと対話をしながら考えを進めているというところです。
- 11:39私、本当にこういう分野については素人で、国語の先生などですと、当然、戯曲の教材とかあるでしょうし、
- 11:55またそういうのを学生、生徒に書かせるという教育もされているんじゃないかと思うんですけれども、
- 12:04私は全くそういう経験もないし、自分がそういうのを書くという授業を受けたこともないので、
- 12:13自分がこれからやろうとしていることが良いことなのか悪いことなのかというのも全く分からないんですよね。
- 12:21このLISTENには国語の先生がたくさん参加されていますので、
- 12:29時々エピソードを聞かせてもらってはいますけれども、
- 12:36ちょっとこういう観点から、私がやろうとしているような観点から何か参考になるようなことが学ばさせていただければ嬉しいなと思って、
- 12:54過去のエピソードたくさんあると思いますので、そういうのをちょっと探してみてですね、参考になれば嬉しいなというふうに思っていますし、
- 13:09もしこの私が今語っていることについてたまたま聞いていただけるということがありましたらば、
- 13:20何か助言をいただけるととても助かりますので、よかったらお願いしたいなというふうに思っています。
- 13:32それではまた。