
家族といふもの 著者:亀井 勝一郎 読み手:二宮 正博 時間:9分6秒
家族といふもの
著者:亀井 勝一郎 読み手:二宮 正博 時間:9分6秒
青年時代に、自我にめざむるにつれて、人は次第に家族から孤立せざるをえないやうになる。自分の友情、恋愛、求道については、両親は必ずしも良き教師ではない。むしろ敵対者としてあらはれる場合が多いであらう。これは家族制度そのものの罪とのみは言へまい。どのやうに自由な家族であつても青年はひとたびは離反するであらう。孤立せんとする精神にとつては、与へられたものはすべて不満足なのだ。これは精神形成の性質から云つて、不可避のことと思はれる。何故なら、精神はその本質上単一性を帯びたもので、いかなる種類の徒党、複数性からも独立せんとする意志であるからだ。そして家族がその最初の抵抗物として意識される。
強い精神ほど孤立する・・・
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