Latest / 岡大徳のポッドキャスト / 中医協が新薬20品目を了承|令和8年3月18日収載の薬価と加算を解説
Transcript
- 0:00SPEAKER_01: あの国の厳格な医療ルールが
- 0:02SPEAKER_01: 薬のボトルの形状っていう単なる物理的な理由で
- 0:07SPEAKER_01: ねじ曲げられてしまうこれを聞いているあなたそんな
- 0:10SPEAKER_01: 信じられない現実があるとしたら驚きませんか
- 0:13SPEAKER_02: いや普通は
- 0:15SPEAKER_02: 驚くと思いますよ
- 0:16SPEAKER_01: ですよね今日は
- 0:18SPEAKER_01: 新たに承認された薬の裏側で繰り広げられている
- 0:22SPEAKER_01: 知られざる攻防を深掘りしていきます
- 0:24SPEAKER_03: はい今回取り上げるのは
- 0:26SPEAKER_03: 令和8年3月11日に開かれた中共の資料ですね正式には
- 0:31SPEAKER_03: 中央社会保険医療協議会といって日本の医療保険制度の
- 0:37SPEAKER_03: ルールや薬の価格を決める国の超重要会議です
- 0:41SPEAKER_01: そこから
- 0:41SPEAKER_01: わずか1週間後の3月18日に主催される新薬20品目の実態に
- 0:47SPEAKER_01: 迫るわけですけどこの分厚い公的資料から
- 0:50SPEAKER_01: リスナーのあなたに向けて医療経済のメカニズムと驚きの
- 0:55SPEAKER_01: 事実だけを抽出してお届けしますよそうですね
- 0:57SPEAKER_03: 今回のリストを見てまず非常に興味深いのは
- 1:00SPEAKER_03: 全く違う市場が同時に動いているという点です
- 1:04SPEAKER_01: ああそうなんですよここが本当に面白いところなんです
- 1:07SPEAKER_01: けど例えばエルゾンリスという気象眼向けの薬ですね
- 1:12SPEAKER_01: これなんと一瓶で約360万円もするんです
- 1:16SPEAKER_03: よね360万円ですかはい。
- 1:19SPEAKER_01: いわば最先端技術を詰め込んだ完全特注の
- 1:22SPEAKER_01: F1マシンみたいなものですよね。
- 1:25SPEAKER_03: まさにその通りです。
- 1:26SPEAKER_03: でもその一方で、
- 1:27SPEAKER_03: ピーク時に63万人もの人が
- 1:29SPEAKER_03: 使うと見込まれるドライアイ治療薬のアバレプトも同時に
- 1:33SPEAKER_03: 承認されています。
- 1:34SPEAKER_01: 63万人。はい。
- 1:36SPEAKER_03: こちらは
- 1:37SPEAKER_03: 日常の足となる大衆向けの乗用車と言えるでしょう。
- 1:40SPEAKER_01: 360万円のF1マシンと何十万人もが使う大衆者、
- 1:45SPEAKER_01: この両極端なコントラストが同じリストに並んでいるのが
- 1:48SPEAKER_01: すごい面白いですよね。
- 1:50SPEAKER_03: さらにここで脅威深いのは、
- 1:52SPEAKER_03: その間を埋める重要な薬もあるということです。
- 1:54SPEAKER_03: 例えば、
- 1:55SPEAKER_03: プリミーフォートという極低出生体重児向けの特別な
- 1:59SPEAKER_03: ミルクですね。あー、
- 2:00SPEAKER_01: 赤ちゃんの栄養管理に使うやつですね。はい。
- 2:03SPEAKER_03: 対象となる患者さんは少なくとも、
- 2:05SPEAKER_03: 医療現場には
- 2:06SPEAKER_03: 絶対に欠かせない日治領域をしっかりカバーしている。
- 2:09SPEAKER_03: この意義は非常に大きいです。
- 2:11SPEAKER_01: なるほど。
- 2:11SPEAKER_01: でもそこで疑問なのが、
- 2:13SPEAKER_01: そのF1マシンとか特別なミルクの狙いって一体どうやって
- 2:18SPEAKER_01: 決まるのかってことなんですよ。
- 2:19SPEAKER_01: そこですよね。ええ。これだけ用途も規模も違うものを国は
- 2:24SPEAKER_01: どうやって評価しているんですか?
- 2:26SPEAKER_03: 実はそこが非常にシビアな現実なんですね。今回、
- 2:30SPEAKER_03: 8つの成分に対して既存の薬より有用であるといった
- 2:34SPEAKER_03: 理由でボーナス加算がつきました。おお、
- 2:36SPEAKER_03: ボーナスが。はい。でも、
- 2:38SPEAKER_03: ブーレンリップなどの新薬も出した、
- 2:40SPEAKER_03: もっと価格を高くしてほしいという不服意見は、
- 2:43SPEAKER_03: 容赦なく却下されています。
- 2:45SPEAKER_01: わあ、
- 2:46SPEAKER_01: 厳しいですね。
- 2:47SPEAKER_01: でもよし、
- 2:48SPEAKER_01: これを紐解いていこうと思うんですけど、
- 2:50SPEAKER_01: 資料を見ていてもっと驚いたのが、
- 2:52SPEAKER_01: さっきの特別なミルクを含めたいくつかの品目です。
- 2:56SPEAKER_01: せっかく有用だってボーナス加算が認められたのに、
- 3:00SPEAKER_01: 最終的な価格が1円も上がってないんですよね。
- 3:03SPEAKER_03: そうなんです。これ
- 3:04SPEAKER_01: どういうことなんですか?
- 3:06SPEAKER_01: えっと、
- 3:06SPEAKER_01: テストです
- 3:07SPEAKER_01: ごく良い答えを書いてボーナス点をもらったのに、
- 3:10SPEAKER_01: 名前を書き忘れたから
- 3:11SPEAKER_01: 合計ゼロ点にされたみたいな状態じゃないですか?
- 3:14SPEAKER_03: あ、まさに敵を射たたとえですね。
- 3:18SPEAKER_03: 理由は明確で、
- 3:19SPEAKER_03: 製造現価の開示度が低いからなんです。
- 3:22SPEAKER_01: 開示度が低い?
- 3:23SPEAKER_03: はい。これをより大きな視点と結びつけると、
- 3:26SPEAKER_03: 日本の公的医療保険制度を維持するためのシビアな攻防が
- 3:30SPEAKER_03: 見えてきます。
- 3:31SPEAKER_00: なるほど。
- 3:31SPEAKER_00: なるほど。
- 3:31SPEAKER_03: 国は国民の貴重な保険料を使う以上、
- 3:34SPEAKER_03: なぜその価格になるのかという透明性を製薬企業に強く
- 3:38SPEAKER_03: 求めているわけです。ああ、
- 3:40SPEAKER_01: だから原価の根拠が不透明だと、
- 3:42SPEAKER_01: いくら患者さんにとって価値があっても、
- 3:44SPEAKER_01: 加算を価格に反映させないんですね。
- 3:46SPEAKER_03: その通りです。
- 3:47SPEAKER_03: ルールにのっとってシビアに価格を抑えるという国から
- 3:50SPEAKER_03: の明確なメッセージなんですよ。
- 3:52SPEAKER_01: 透明性を守るための絶対的なルール。
- 3:55SPEAKER_01: それはリスナーのあなたも納得できると思います。
- 3:57SPEAKER_01: あります。
- 3:58SPEAKER_01: でもですよ、
- 3:59SPEAKER_01: それほどまでに厳格な国のルールが
- 4:02SPEAKER_01: 思いがけない理由で崩れてしまったケースが
- 4:04SPEAKER_01: 今回あるんですよね。
- 4:06SPEAKER_01: 新薬って原則として14日分までしか処方できないっていう
- 4:09SPEAKER_01: 上限ルールがありますよね。A、
- 4:12SPEAKER_03: 想定外の副作用などに対応するため、
- 4:15SPEAKER_03: 初期段階で安全性を確認するための極めて重要な
- 4:18SPEAKER_03: ルールです。
- 4:19SPEAKER_01: つまりどういう意味なんだろうって話なんですけど、
- 4:22SPEAKER_01: 今回の資料を見ると、
- 4:24SPEAKER_01: ボラニゴー状という美満性神経効種の薬だけは、
- 4:28SPEAKER_01: いきなり30日分の処方が認められているんです。
- 4:31SPEAKER_01: そうですね。これ何か特別な臨床データが
- 4:34SPEAKER_01: あって免除されたとかそういうことなんですか?
- 4:36SPEAKER_03: いえ、実は全く物理的な理由なんです。
- 4:40SPEAKER_03: この薬は非常に湿気を吸いやすいため、
- 4:43SPEAKER_03: 30錠入りの専用ボトルに入った状態で患者さんに
- 4:46SPEAKER_03: 渡さなければまりません。
- 4:47SPEAKER_00: あーなるほど湿気に弱いんですねはい
- 4:51SPEAKER_03: つまり薬局でボトルを開けて14日分だけ小分けにする
- 4:55SPEAKER_03: ことが物理的に不可能なんです
- 4:57SPEAKER_00: ちょっと待ってくださいボトルの形状っていう単なる
- 5:01SPEAKER_00: 物理的な理由が
- 5:02SPEAKER_00: 国の医療ルールを変えてしまうなんてそんなこと
- 5:05SPEAKER_00: あるんです
- 5:05SPEAKER_03: かもちろん国際的な臨床試験で長期投与の安全性が
- 5:09SPEAKER_03: 確認されていることが大前提ですよ
- 5:11SPEAKER_00: まあそれはそうです
- 5:13SPEAKER_03: よねはい。でも、
- 5:15SPEAKER_03: 実務上の不足、
- 5:16SPEAKER_03: つまり現場のリアリズムが
- 5:17SPEAKER_03: 政策に例外を生み出したわけです。いや、
- 5:20SPEAKER_00: 面白いですね。
- 5:21SPEAKER_00: 薬の値段や処方ルールって、
- 5:23SPEAKER_00: もっと冷徹な科学とか経済学だけで
- 5:26SPEAKER_00: 決まるのかと思っていました。
- 5:27SPEAKER_03: そう思いがちですよね。ええ。
- 5:30SPEAKER_00: でも最後は
- 5:30SPEAKER_00: ボトルの形状みたいな生々しい現実の綱引きで
- 5:34SPEAKER_00: 決まっているんですね。
- 5:35SPEAKER_00: これを聞いているあなたも、
- 5:37SPEAKER_00: 次に薬をもらうとき、
- 5:38SPEAKER_00: そのパッケージの裏にある生々しい綱引きを
- 5:41SPEAKER_00: 想像してしまいそうですよね。
- 5:42SPEAKER_03: 本当にそうですね。
- 5:44SPEAKER_03: そしてこれは
- 5:45SPEAKER_03: リスナーのあなたにも一つ非常に重要な疑問を
- 5:48SPEAKER_03: 投げかけています。
- 5:48SPEAKER_00: 何でしょうか?
- 5:50SPEAKER_03: もし今回のようにボトルの形状という物理的要因が
- 5:53SPEAKER_03: 法律の例外を作るのだとしたら、
- 5:55SPEAKER_03: 今後体内に一度埋め込んで数ヶ月間も効果が
- 5:58SPEAKER_03: 持続するような次世代デバイス型の医薬品が
- 6:01SPEAKER_03: 登場したとき、
- 6:02SPEAKER_03: 私たちが当たり
- 6:03SPEAKER_03: 前だと思っている処方日数という概念やルールそのものは
- 6:06SPEAKER_03: 一体どのように書き換えられるべきなのでしょうか。