Latest / 岡大徳のポッドキャスト / 令和10年度改定へ始動|入院・外来分科会の8つの調査項目
Transcript
- 0:00SPEAKER_01: あのあなたが
- 0:01SPEAKER_01: 将来病気とか怪我で病院のベッドで目覚めた時を
- 0:04SPEAKER_01: ちょっと想像してみてください
- 0:05SPEAKER_00: あまり想像したくないかもしれませんがですよね
- 0:09SPEAKER_01: でもそこでどんな治療を受けられるか
- 0:11SPEAKER_01: あるいは看護師さんが
- 0:13SPEAKER_01: どれくらい頻繁に様子を見に来てくれるかっていうのが
- 0:16SPEAKER_01: 実は今国が
- 0:17SPEAKER_01: 密かに行っているある調査で決まるとしたらどう思います
- 0:21SPEAKER_00: かいやそれはびっくりする方が
- 0:23SPEAKER_00: 多いんじゃないでしょうか
- 0:24SPEAKER_01: はい今回はですね
- 0:25SPEAKER_01: 日本の医療ルールの元締めである
- 0:32SPEAKER_01: 一見すると
- 0:36SPEAKER_00: ただの退屈な官僚データに見えるんですよねそうなんです
- 0:39SPEAKER_01: よ
- 0:39SPEAKER_01: でもこれが
- 0:40SPEAKER_01: あなた自身の未来の病院体験をどう塗り替えるのか
- 0:44SPEAKER_01: その裏側を徹底的に解き明かすのが今回のミッションです
- 0:48SPEAKER_01: それでは
- 0:49SPEAKER_01: 紐解いていきましょうはい
- 0:50SPEAKER_00: 医療の未来予想図を描くには
- 0:52SPEAKER_00: 当然ですがまず現場のリアルな数字が
- 0:55SPEAKER_00: 必要不可欠なんですね
- 0:56SPEAKER_01: データがないと始まらないです
- 0:58SPEAKER_01: よね。
- 0:59SPEAKER_00: そうなんです。
- 0:59SPEAKER_00: なので、
- 1:00SPEAKER_00: 国は令和8年度と9年度の2年間で、
- 1:04SPEAKER_00: 救急みたいな救世機から満世機、
- 1:06SPEAKER_00: あとは最近増えているオンライン診療ですね。
- 1:10SPEAKER_00: 患者のそばに看護師がいて、
- 1:11SPEAKER_00: 画面越しに医師の診察を受けるパターンとか。
- 1:14SPEAKER_01: D2PwithNとか呼ばれるやつですね。
- 1:17SPEAKER_00: その通りです。
- 1:17SPEAKER_00: そういうものまで含めて、
- 1:19SPEAKER_00: 全部で8つの項目を幅広く調査する計画を
- 1:22SPEAKER_00: 立てているんです。
- 1:24SPEAKER_01: なるほど。
- 1:24SPEAKER_01: これって
- 1:24SPEAKER_01: つまり医療システム自体に対する国を挙げた超大規模な
- 1:28SPEAKER_01: 健康診断みたいなものですよね。
- 1:30SPEAKER_00: まさにその表現がぴったりだと思います。
- 1:33SPEAKER_01: でも資料を読んでてちょっと気になったのが
- 1:35SPEAKER_01: スケジュールの部分なんです。
- 1:37SPEAKER_01: 健康診断なら一気にまとめてやった方が
- 1:39SPEAKER_01: 絶対効率いいじゃないですか。
- 1:41SPEAKER_00: 普通はそう思いますよね。
- 1:42SPEAKER_01: なのになぜか8項目のうち賃上げの効果と医療資源の
- 1:47SPEAKER_01: 少ない地域の実態っていう2つだけあえて令和9年度に
- 1:51SPEAKER_01: 調査を遅らせてますよね。これなんでなんですか?
- 1:54SPEAKER_00: ここが非常に興味深いところなんです。
- 1:56SPEAKER_00: 実はこれ、
- 1:58SPEAKER_00: 制度変更が
- 1:59SPEAKER_00: もたらす効果のタイムラグを見極めるための意図的な
- 2:02SPEAKER_00: 戦略なんですよ。
- 2:03SPEAKER_01: 意図的なタイムラグですか?
- 2:05SPEAKER_00: はい。
- 2:07SPEAKER_00: ルールを変えても現場の給料が実際に上がったりとか、
- 2:10SPEAKER_00: 地方の意思不足が解消されたりするまでには、
- 2:13SPEAKER_00: どうしても時間がかかりますから。ああ、
- 2:15SPEAKER_01: 確かに。
- 2:16SPEAKER_01: 今日ルールが変わって明日給料が上がるわけじゃないです
- 2:18SPEAKER_01: もんね。
- 2:18SPEAKER_01: そうなんです。
- 2:20SPEAKER_00: 新しい仕組みが本当に現場に浸透しているのか、
- 2:23SPEAKER_00: 正確な数値を測るためにあえて1年待っているわけです。
- 2:27SPEAKER_01: なるほどですね。国も
- 2:28SPEAKER_01: ただ万全とデータを集めているわけじゃないんだな。
- 2:31SPEAKER_01: でもこの大規模な健康診断が順調に進む一方で、
- 2:34SPEAKER_01: 前回の議論から積み残されている厄介な3つの宿題が
- 2:38SPEAKER_01: あるって資料にはありましたよね。
- 2:40SPEAKER_00: 資料を深く読み解くとまさにそこが浮き彫りになります。
- 2:44SPEAKER_00: 解決の難しい中長期的な課題ですね。
- 2:47SPEAKER_00: まず一つ目が持参薬のルールです。
- 2:50SPEAKER_01: 持参薬っていうのは患者さんが家から
- 2:53SPEAKER_01: 持ってくる薬のことですよね。
- 2:54SPEAKER_00: そうです。
- 2:55SPEAKER_00: 患者さんが
- 2:56SPEAKER_00: 入院するときに普段飲んでいる薬を持ち込めば、
- 3:00SPEAKER_00: もちろん薬代の節約にはなります。
- 3:02SPEAKER_00: でもここからがジレンマなんです。
- 3:04SPEAKER_00: と言いますと、
- 3:06SPEAKER_00: 看護師がですね、
- 3:07SPEAKER_00: その持ち込まれた大量の薬の種類とか安全性を一つ一つ
- 3:12SPEAKER_00: 確認するためにものすごい時間を奪われているんですよ。
- 3:15SPEAKER_01: ああ、
- 3:16SPEAKER_01: なるほど。
- 3:17SPEAKER_01: 安全性を担保するための確認作業が
- 3:19SPEAKER_01: 逆に現場の首を絞めているというか
- 3:22SPEAKER_01: 圧迫しているわけですか。
- 3:23SPEAKER_00: その通りです。
- 3:25SPEAKER_00: コスト削減と現場の負担増の綱引き状態ですね。
- 3:29SPEAKER_00: そして2つ目の宿題が看護必要度の指標の再検証です。
- 3:33SPEAKER_00: ちょっと待ってください。
- 3:34SPEAKER_01: その指標って、
- 3:36SPEAKER_01: 要は患者さんが
- 3:37SPEAKER_01: どれくらい看護の手間を必要とするかを測るスケールの
- 3:40SPEAKER_01: ことですよね。
- 3:41SPEAKER_00: はい、まさに
- 3:42SPEAKER_00: それです。で、
- 3:43SPEAKER_00: 問題なのはその評価基準のベースが
- 3:46SPEAKER_00: なんと約20年前のものだということなんです。え、
- 3:49SPEAKER_01: 20年前ですか。
- 3:51SPEAKER_01: それはちょっと古すぎませんか。
- 3:53SPEAKER_00: そうなんですよ。
- 3:55SPEAKER_00: 医療技術も入院患者さんの高齢化の度合いも当時とは
- 3:59SPEAKER_00: 全く違うのに、
- 4:00SPEAKER_00: 古い定規で今の病棟の忙しさを測り続けているわけです。
- 4:04SPEAKER_01: いやー20年前の定規で今の医療を測るのはさすがに無理が
- 4:08SPEAKER_01: ありますね。はい。
- 4:10SPEAKER_00: これが
- 4:10SPEAKER_00: 本当に今の実態に合っているのかという強い危機感が
- 4:13SPEAKER_00: 背景にあります。
- 4:15SPEAKER_01: なるほど。
- 4:16SPEAKER_01: そしてもう一つの宿題が私が
- 4:18SPEAKER_01: 一番引っかかった部分なんですけど、
- 4:20SPEAKER_01: 包括期入院における患者別評価ってやつですよね。え、
- 4:23SPEAKER_00: 非常に重要なポイントですね。ええ。
- 4:26SPEAKER_01: これ簡単に言うと、
- 4:28SPEAKER_01: どんな治療をしても入院期間中の支払いが1日あたり
- 4:32SPEAKER_01: 基本的に定額になるっていう仕組みですよね。
- 4:35SPEAKER_00: そうです。
- 4:36SPEAKER_00: いわゆる丸めと呼ばれるような定額払いの仕組みですね。
- 4:39SPEAKER_01: ここが疑問なんですけど、
- 4:41SPEAKER_01: もし病院に入るお金が一律だとしたら、
- 4:45SPEAKER_01: 病院側としてはどうしても手間とかコストのかから
- 4:49SPEAKER_01: ない軽症の患者さんばっかりを選んで
- 4:51SPEAKER_01: 入院させたくなりませんか?
- 4:52SPEAKER_01: それって本当に公平な仕組みなんでしょうか?
- 4:56SPEAKER_00: これを全体像と結びつけるとですね、
- 4:58SPEAKER_00: まさにその患者の選別という最も恐ろしいリスクに
- 5:01SPEAKER_00: 行き着くんです。
- 5:02SPEAKER_01: 患者の選別ですか?
- 5:05SPEAKER_00: ええ。低学生の弊害で本当に手厚いケアが
- 5:08SPEAKER_00: 必要な重症の高齢者なんかが、
- 5:10SPEAKER_00: うちではちょっとと入院を断られてしまうかもしれない。
- 5:14SPEAKER_00: それは怖いです。それを防ぐために一律のどんぶり勘定では
- 5:18SPEAKER_00: なくて最新のデータを使ってこの患者さんには
- 5:21SPEAKER_00: これだけの手間が
- 5:22SPEAKER_00: かかると個別に細かく評価する仕組みへアップデートする
- 5:26SPEAKER_00: ことが不可欠なんですね。
- 5:27SPEAKER_01: なるほど。
- 5:28SPEAKER_01: つまりこれはどういう意味を持つのかということです
- 5:31SPEAKER_01: よね。
- 5:32SPEAKER_01: 私たちが
- 5:32SPEAKER_01: 普段ニュースでなんか難しそうだなぁと見過ごしがちな
- 5:35SPEAKER_01: 調査とか制度設計の話って決して他人事じゃないって
- 5:39SPEAKER_01: ことですね。
- 5:40SPEAKER_01: まさにその通りです。
- 5:41SPEAKER_01: あなたが将来適切なベッドで適切な治療を受けられるか、
- 5:46SPEAKER_01: そして現場の医療従事者の方々が
- 5:48SPEAKER_01: 燃え尽きずに働けるかどうかに
- 5:50SPEAKER_01: 直接つながっているわけですね。
- 5:53SPEAKER_00: そこで最後に非常に重要な疑問が
- 5:55SPEAKER_00: 浮かび上がってくるんです。
- 5:57SPEAKER_00: 何でしょうか。
- 5:59SPEAKER_00: この医療制度を決めるための大規模な調査ですが、
- 6:02SPEAKER_00: 国がどれだけ回収率を上げようと努力しても、
- 6:05SPEAKER_00: 直近のデータだと入院施設の回答率は58.
- 6:10SPEAKER_00: 8%にとどまっているんです。
- 6:12SPEAKER_01: え、58.8%?
- 6:15SPEAKER_01: 半分ちょっとですか?
- 6:17SPEAKER_01: じゃあ残りの40%近い病院の声は、
- 6:20SPEAKER_01: そもそもデータとして存在していないってことですか?
- 6:23SPEAKER_00: そういうことになります。
- 6:25SPEAKER_00: この約40%のいわば声なき病院の実態は、
- 6:29SPEAKER_00: 次のルール作りには全く反映されません。
- 6:33SPEAKER_01: それはちょっと見過ごせない事実ですね。もし、
- 6:36SPEAKER_00: あなたが将来命を預けることになる地元の病院が、
- 6:40SPEAKER_00: この未回答の40%に含まれていて、
- 6:43SPEAKER_00: 人員不足で悲鳴を上げていたとしたらどうでしょうか。
- 6:46SPEAKER_01: うーん、
- 6:47SPEAKER_01: 考えさせられますね。
- 6:48SPEAKER_00: 日本の医療の未来は
- 6:50SPEAKER_00: この声を出せた一部の病院のデータだけで
- 6:53SPEAKER_00: 決められてしまって良いのだろうかこれこそが私たちが
- 6:57SPEAKER_00: 直視すべき最大の問いなんですよね