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【青空朗読】泥棒と若殿 著者:山本 周五郎 読み手:大栗 幸子 時間:1時間10分9秒

泥棒と若殿

著者:山本 周五郎 読み手:大栗 幸子 時間:1時間10分9秒

一

その物音は初め広縁のあたりから聞えた。縁側の板がぎしっとかなり高く鳴ったのである、成信は本能的に枕許の刀へ手をのばした、しかし指が鞘に触れると、いまさらなんだという気持になって手をひっこめた。

――もうたくさんだ、どうにでも好きなようにするがいい、飽き飽きした。

こう思いながら、仰向きに寝たまま腹の上で手を組み合せた。右がわの壁に切ってある高窓の戸の隙間から、月の光が青白い細布を曳いたように三条ながれこんでいる。ついさっきまで夜具の裾のほうにあったのが、今はずっと短かくなって、破れ畳の中ほどまでを染めているにすぎない、するともう三時ころなのだなと思った・・・

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青空朗読はインターネット上の図書館「青空文庫」の作品を朗読するプロのアナウンサーによる社会貢献活動としてスタートしました。近年は、朗読を学ぶ一般の方々からも作品を提供していただいています。2016年5月に一般社団法人となりました。

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