
令和8年度診療報酬改定の基本方針を解説|4つの視点と重点課題
令和7年12月9日、社会保障審議会医療保険部会および医療部会において、令和8年度診療報酬改定の基本方針が決定されました。物価高騰や賃金上昇が続く中、医療機関の経営安定と人材確保が喫緊の課題となっています。本稿では、この基本方針の全体像と具体的方向性を解説します。
今回の改定は、物価や賃金、人手不足等への対応を重点課題として位置づけています。基本方針では4つの基本的視点が示されました。第一に、医療従事者の処遇改善と人材確保への取組が重点課題となります。第二に、2040年頃を見据えた医療機関の機能分化・連携が推進されます。第三に、医療DXの活用による安心・安全で質の高い医療が推進されます。第四に、効率化・適正化を通じた医療保険制度の持続可能性向上が図られます。
改定に当たっての基本認識
基本方針では、令和8年度診療報酬改定に当たって4つの基本認識が示されました。これらの認識は、今回の改定全体を貫く基盤となっています。
第一の認識は、日本経済が新たなステージに移行しつつある中での物価・賃金の上昇と人材確保の必要性です。日本経済は30年続いたコストカット型経済から脱却しつつあります。一方で医療分野は公定価格によるサービス提供が中心であるため、経済社会情勢の変化に機動的な対応が難しく、サービス提供や人材確保に大きな影響を受けています。…
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