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医療に市場原理が通用しない7つの理由|UCLA津川友介准教授が解説する医療経済学

日本では社会保障費の増加に伴い、医療制度への批判的な意見が増えています。「医療を規制緩和すれば効率化するのではないか」という主張がその代表例です。しかし、医療経済学の研究成果は、この考えに明確な反論を示しています。

UCLA准教授で医療政策学者の津川友介氏は、noteの記事「なぜ医療に市場原理は通用しないのか?」で、医療に市場原理が通用しない理由を体系的に解説しています。津川氏によれば、医療保険では「モラルハザード」と「逆選択」、医療サービスでは「情報の非対称性」「不完全競争」「緊急性と予測不能性」「医療保険による市場のゆがみ」「外部効果」の計7つの要因が市場原理の機能を阻害します。本稿では、この記事の内容を紹介しながら、医療における市場の失敗について解説します。

先進国はなぜ医療を規制するのか

津川氏は記事の冒頭で、先進国における医療規制の普遍性を指摘しています。規制が最も緩いとされるアメリカでさえ、医療は強い規制のもとで管理されています。医療が規制されていないのは、医療保険も医療機関も整備されていない発展途上国のみであり、先進国はすべて医療に規制を導入してきた歴史があります。

この背景には、医療では市場原理が機能しないという経済学的な事実があります。津川氏は「医療経済学は医療における市場の失敗(Market…

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