Latest / 岡大徳のポッドキャスト / 最適使用推進ガイドライン2品目を解説|中医協第652回の要点
Transcript
- 0:00SPEAKER_01: みなさんちょっと想像してみてください病院でがんの
- 0:03SPEAKER_01: 最新治療を受けた後医師から
- 0:06SPEAKER_01: 家族を守るために自宅のトイレの使い方について厳格な
- 0:10SPEAKER_01: ルールを守ってくださいって指示される
- 0:12SPEAKER_01: 状況ま
- 0:13SPEAKER_00: るでsfa映画みたいですよね
- 0:14SPEAKER_00: でもこれすでに現実の話なんです
- 0:17SPEAKER_01: そうなんです
- 0:18SPEAKER_01: よね今回の深掘りでは皆さんが
- 0:20SPEAKER_01: ニュースでよく耳にする最先端の再生医療が
- 0:23SPEAKER_01: 実際にどうやって皆さんの元へ届くのかその裏側に
- 0:27SPEAKER_01: 迫りますはい
- 0:28SPEAKER_00: 今回の情報源は
- 0:30SPEAKER_00: 令和8年7月8日の注意競争会で報告された最適
- 0:35SPEAKER_00: 使用推進ガイドラインですね
- 0:36SPEAKER_00: この
- 0:38SPEAKER_01: ガイドラインいわゆる新薬とか再生医療製品を現場に
- 0:42SPEAKER_01: 導入するためのルールブックなんですが
- 0:44SPEAKER_01: ある意味であの高級ビップクラブの厳格な
- 0:47SPEAKER_01: ドアマンみたいな役割を果たしています
- 0:49SPEAKER_00: よねまさにそんな感じですこのドアマンが
- 0:52SPEAKER_00: 革新的な製品というビップを本当に恩恵を受ける
- 0:56SPEAKER_00: 患者さんと重い副作用にも即座に対応できる設備を持った
- 1:00SPEAKER_00: 施設だけに限定して通すわけです
- 1:02SPEAKER_01: なるほど
- 1:03SPEAKER_01: しかもこのドアマンのチェックリストを全部
- 1:05SPEAKER_01: クリアしないとレセプト
- 1:07SPEAKER_01: つまり病院が治療費を請求するための診療報酬明細書が
- 1:12SPEAKER_01: 通らないんですよね
- 1:13SPEAKER_00: そうなんです保険が
- 1:14SPEAKER_00: おりない絶対条件になっているというわけですね
- 1:16SPEAKER_01: 例えば最初のビップ製品であるアロステムシートを
- 1:20SPEAKER_01: 見てみましょうか
- 1:21SPEAKER_00: はいこれ表皮水泡症という難病の海洋に
- 1:25SPEAKER_00: 貼る製品ですよね少しの摩擦で皮膚が剥がれたり水膨れが
- 1:29SPEAKER_00: できたりしてしまうという
- 1:31SPEAKER_01: 健康な人の皮下脂肪から
- 1:32SPEAKER_01: 採取した幹細胞をシート状にしたものなんですが
- 1:35SPEAKER_01: ただの生きた絆創膏じゃないんですよね幹細胞が
- 1:39SPEAKER_01: 幹部で組織の修復を促す物質を出して新しい血管とか
- 1:44SPEAKER_01: 皮膚を作る足場をこう一から
- 1:46SPEAKER_01: 組み上げるような働きをするというおっ
- 1:48SPEAKER_00: しゃる通りです。
- 1:49SPEAKER_00: 実際臨床試験では海洋の面積が平均で54.
- 1:53SPEAKER_00: 2%も縮小したという驚きのデータがあります。
- 1:56SPEAKER_01: いや本当にすごい数字ですよね。
- 1:59SPEAKER_01: ただ素朴な疑問なんですが、
- 2:01SPEAKER_01: なぜこのガイドラインでは使用は
- 2:03SPEAKER_01: 原則12週までって厳格に定められているんですか?
- 2:07SPEAKER_00: あ、それはですね。
- 2:08SPEAKER_00: 臨床試験での使用経験が12週までというデータ上の限界が
- 2:13SPEAKER_00: あるのが一番の理由です。ああ、
- 2:15SPEAKER_00: なるほど。
- 2:15SPEAKER_00: それに加えて、
- 2:16SPEAKER_00: これだけ効果で特殊な治療
- 2:18SPEAKER_00: ですから、
- 2:19SPEAKER_00: 毎月きちんと効果を判定して、
- 2:21SPEAKER_00: なんとなく万全と使い続けるのを防ぐという、
- 2:24SPEAKER_00: 医療経済的なストッパーの意味合いも強いんです。
- 2:27SPEAKER_01: 確かに。
- 2:28SPEAKER_01: 安全とコストの管理がドアマンの役割ってわけですね。
- 2:31SPEAKER_00: ええ。
- 2:31SPEAKER_00: さらに現場のハードルとして、
- 2:33SPEAKER_00: このシートはマイナス80度の超低温で保管して、
- 2:37SPEAKER_00: 回答後60分以内に患者さんに貼り
- 2:39SPEAKER_00: 終えなければならないんです。
- 2:40SPEAKER_01: マイナス80度ですか。
- 2:42SPEAKER_01: そりゃ普通のクリニックの
- 2:44SPEAKER_01: 冷蔵庫じゃ到底立ち打ちできませんね。
- 2:46SPEAKER_00: そうなんですよ。
- 2:47SPEAKER_00: そうした物流や保管の物理的ハードルもすごいんですが、
- 2:51SPEAKER_00: 次のVIP製品は生物学的、
- 2:54SPEAKER_00: そして法的なハードルが桁違いなんです。
- 2:56SPEAKER_01: ほう。
- 2:57SPEAKER_01: それが膀胱癌の治療薬、
- 2:59SPEAKER_01: エドスチラドリン膀胱
- 3:01SPEAKER_00: 内注入液ですね。はい。
- 3:02SPEAKER_00: この薬、
- 3:03SPEAKER_00: 臨床試験を始めるにあたって、
- 3:05SPEAKER_00: 有効性の域値、
- 3:06SPEAKER_00: つまり最低限クリアすべき目標ラインが
- 3:09SPEAKER_00: たったの2%に設定されているのにお気づきですか?
- 3:12SPEAKER_01: そこなんですよ。
- 3:14SPEAKER_01: 最初は驚いたんですが、
- 3:16SPEAKER_01: 皆さんも患者さんの視点に立てば納得するはずです。
- 3:19SPEAKER_01: 膀胱を全摘出するとなれば、
- 3:22SPEAKER_01: その後の生活の質が一変してしまいますからね。ええ、
- 3:25SPEAKER_01: 本当にその通りですね。だからたとえ数パーセント
- 3:28SPEAKER_01: でも全摘出を回避できる可能性があるなら
- 3:30SPEAKER_01: それに欠けたいっていう現場と患者さんの切実なSOSが
- 3:34SPEAKER_01: この2%という数字に現れているんですよね。
- 3:37SPEAKER_00: その背景を読み解くのは非常に重要です。
- 3:40SPEAKER_00: そして結果的にこの試験では75.
- 3:43SPEAKER_00: 0%の完全走行率を叩き出しました。
- 3:46SPEAKER_01: つまり患者さんの膀胱からがん細胞が
- 3:49SPEAKER_01: 完全に消失したということですよね。
- 3:52SPEAKER_01: 驚異的です。
- 3:53SPEAKER_01: なぜそんなに効くんですか。
- 3:54SPEAKER_00: 実はこの薬の正体が遺伝子組み替えウイルス
- 3:58SPEAKER_00: だからなんです。ああ、
- 4:00SPEAKER_01: ウイルスを直接膀胱に注入すると。
- 4:04SPEAKER_01: つまりウイルスが
- 4:05SPEAKER_01: がん細胞だけに感染するように遺伝子を書き換えて
- 4:08SPEAKER_01: あって、
- 4:08SPEAKER_01: 感染した細胞を人間の免疫システムが
- 4:11SPEAKER_01: 敵だと認識して総攻撃を仕掛ける仕組みですね。
- 4:14SPEAKER_00: まさにその通りです。ただ、
- 4:16SPEAKER_00: 生きた遺伝子組み替えウイルスを使う以上、
- 4:19SPEAKER_00: カルタヘナ法という国際的な生物の多様性や安全を守る
- 4:23SPEAKER_00: ための極めて厳しい法律の対象になってしまうんです
- 4:26SPEAKER_01: ここで冒頭のトイレのリュールにつながるわけですね
- 4:29SPEAKER_00: そうなんです
- 4:30SPEAKER_00: 患者さんの尿などの排出物を通じて遺伝子を組み替えた
- 4:34SPEAKER_00: ウイルスが家族や第三者に感染したり伝播したり
- 4:37SPEAKER_00: するのを防ぐ必要がありますなるほど
- 4:39SPEAKER_01: だから自宅での排泄処理にまで厳密な指導が
- 4:42SPEAKER_01: 必要になるんですねマイナス60度以下での保管管理は
- 4:45SPEAKER_01: もちろんですがレセプトの適用欄にも、
- 4:48SPEAKER_01: 過去のBCG療法の年月日や、
- 4:51SPEAKER_01: 責任死の資格要件など、
- 4:53SPEAKER_01: 細かな要件記載が求められます。いや、
- 4:56SPEAKER_00: 画期的な技術というのは、
- 4:57SPEAKER_00: こうした泥臭いまでのシステム構築があって、
- 5:00SPEAKER_00: 初めて成立するんですね。
- 5:02SPEAKER_00: 最先端の医療って、
- 5:04SPEAKER_00: 薬そのものの凄さだけじゃなく、
- 5:06SPEAKER_00: 超低温のインフラ、
- 5:08SPEAKER_00: 国際的なバイオセーフティ法への対応、
- 5:11SPEAKER_00: そして緻密な書類業務の連携で成り立っている。はい、
- 5:14SPEAKER_01: それが
- 5:15SPEAKER_01: 全部つながって初めて患者さんのもとに届くわけです。
- 5:19SPEAKER_00: ということは、
- 5:20SPEAKER_00: 皆さんも今後こうした遺伝子組み替え技術を使った治療が
- 5:24SPEAKER_00: さらに普及した場合、
- 5:25SPEAKER_00: どうなるか考えてみてほしいんです。
- 5:28SPEAKER_01: そうですね。
- 5:29SPEAKER_01: もっと身近な問題になってきますからね。ええ。
- 5:31SPEAKER_00: 家族とトイレを共有するといった、
- 5:34SPEAKER_00: 私たちが
- 5:34SPEAKER_00: 普段何も考えずに行っている何気ない日常の行動にすら、
- 5:39SPEAKER_00: 全く新しい公衆衛生のルールが求められる時代が
- 5:42SPEAKER_00: もうそこまで来ています。
- 5:44SPEAKER_00: ぜひご自身
- 5:45SPEAKER_00: でも少し想像してみてください。
- 5:47SPEAKER_00: それでは今回の深掘りはここまでです。