
【青空朗読】智恵子抄 あどけない話 著者:高村 光太郎 読み手:堀切 佳子 時間:1分22秒
智恵子抄 あどけない話
著者:高村 光太郎 読み手:堀切 佳子 時間:1分22秒
智恵子は東京に空が無いといふ、
ほんとの空が見たいといふ。
私は驚いて空を見る。
桜若葉の間に在るのは、
切つても切れない
むかしなじみのきれいな空だ。
どんよりけむる地平のぼかしは
うすもも色の朝のしめりだ。
智恵子は遠くを見ながら言ふ。
阿多多羅山(あたたらやま)の山の上に
毎日出てゐる青い空が
智恵子のほんとの空だといふ。
あどけない空の話である。
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