Latest / 岡大徳のポッドキャスト / 令和9年度の加減算の判断材料となる臨時調査、3つのポイントで解説
Transcript
- 0:00SPEAKER_00: あの来年いつもの地元のクリニックに行ったら
- 0:04SPEAKER_00: 一番頼りになるベテランの看護師さんが
- 0:06SPEAKER_00: 辞めていたとか診療時間も短縮されていてまあ実は
- 0:13SPEAKER_00: 今そんなシナリオが
- 0:14SPEAKER_00: 現実になるかもしれないっていう大きな議論に
- 0:17SPEAKER_00: 立たされているんですよね今回の深掘りテーマは
- 0:21SPEAKER_00: 注意教で報告された令和8年度医療機関等の経営状況に
- 0:27SPEAKER_00: 係る臨時調査です。はい、
- 0:30SPEAKER_01: お堅い役所の文書に見えますけど、
- 0:32SPEAKER_01: 実は皆さんの身近な医療システムの存続を揺るがす、
- 0:36SPEAKER_01: かなりシビアな事実確認プロセスなんですよね。
- 0:38SPEAKER_00: そうなんです。
- 0:40SPEAKER_00: 単なる数字の集計作業だと思ったら大間違いというか。
- 0:43SPEAKER_01: ええ、
- 0:43SPEAKER_01: これは今後の日本の医療費の配分を決める、
- 0:46SPEAKER_01: いわば容赦のないストレステストと
- 0:49SPEAKER_01: 言っていいと思います。
- 0:50SPEAKER_00: なるほど。
- 0:51SPEAKER_00: まず前提を整理したいんですけど、
- 0:54SPEAKER_00: 令和6年度、
- 0:55SPEAKER_00: 7年度の診療報酬って平均でプラス3.
- 0:58SPEAKER_00: 09%引き上げられましたよね。はい、
- 1:01SPEAKER_00: そうですね。これって私からすると、
- 1:03SPEAKER_00: インフレとかスタッフの賃上げに備えて、
- 1:06SPEAKER_00: 国がとりあえず予算を多めに渡しておくね、
- 1:09SPEAKER_00: みたいに仮の予算アップをしてくれたような
- 1:12SPEAKER_00: ものだと思うんです。
- 1:13SPEAKER_00: まさにそんなイメージです。
- 1:14SPEAKER_00: でも今回の臨時調査ってなんかで実際に渡したお金は
- 1:20SPEAKER_00: どう使ったのレシートを見せてよみたいな来年の予算は
- 1:23SPEAKER_00: それを見て再調整するからねっていう仕組みです
- 1:26SPEAKER_01: よねおっしゃる通りです
- 1:28SPEAKER_01: そして最も重要なのがその再調整の性質なんですよ
- 1:32SPEAKER_01: あの国はスタッフの賃上げ分として見込んだプラス1.
- 1:37SPEAKER_01: 70%とか物価対応分のプラス0.76%が
- 1:41SPEAKER_01: 本当に意図した通りに使われているかを確認しようと
- 1:45SPEAKER_01: していますなるほど
- 1:47SPEAKER_01: しかも恐ろしいのは
- 1:49SPEAKER_01: この調査結果次第で行われる令和9年度の調整には
- 1:52SPEAKER_01: 予算の上乗せだけじゃなくて引き下げ
- 1:55SPEAKER_01: つまりペナルティの可能性も明確に含まれているという
- 1:59SPEAKER_01: 点なんです
- 1:59SPEAKER_00: ちょっと待ってください引き下げですか現場の
- 2:04SPEAKER_00: クリニックからすれば、今は
- 2:05SPEAKER_00: 水道耕熱費とか医療材料費も高騰してるじゃないですか。
- 2:09SPEAKER_00: えー、
- 2:09SPEAKER_00: どこも苦しいですよね。
- 2:11SPEAKER_00: だから、
- 2:12SPEAKER_00: そもそも物価対応分の0.76%
- 2:15SPEAKER_00: じゃ赤字をカバーしきれないから、
- 2:17SPEAKER_00: 賃上げ分の1.
- 2:18SPEAKER_00: 70%まで運転資金に回さざるを得ないみたいな苦しい
- 2:22SPEAKER_00: 事情があるはずなんですよ。はい、
- 2:24SPEAKER_00: おっしゃる通りです。それなのに賃上げしていないから
- 2:27SPEAKER_00: っていう理由でさらに予算を減らされたら、
- 2:30SPEAKER_00: それこそ経営破綻のデススパイラルに陥りませんか?
- 2:33SPEAKER_01: いやそれこそが現在医療機関が
- 2:35SPEAKER_01: 抱えている最大のジレンマなんですよね。
- 2:38SPEAKER_01: ただ国の視点に立てば穴の開いたバケツに水を注ぎ続ける
- 2:42SPEAKER_01: わけにはいかないわけです。
- 2:44SPEAKER_00: まあ原資は税金や保険料
- 2:46SPEAKER_00: ですからね。
- 2:47SPEAKER_00: そうなんです。
- 2:48SPEAKER_01: なぜお金がスタッフに行き渡っていないのか、
- 2:51SPEAKER_01: そのボトルネックを正確に把握する必要があるんですよ。
- 2:55SPEAKER_01: だからこそ、
- 2:56SPEAKER_01: 中医協はこの調査を言い逃れが
- 2:58SPEAKER_01: できないほど緻密な設計にしたんです。
- 3:00SPEAKER_00: なるほど。
- 3:02SPEAKER_00: ただ単に今苦しいですかってアンケートを
- 3:05SPEAKER_00: 取るわけじゃないんですね。あの、
- 3:07SPEAKER_00: 資料を読んでいて私が腑に落ちたのは、
- 3:10SPEAKER_00: ベースアップ評価料の扱いです。
- 3:12SPEAKER_00: そこに注目されましたか。はい。
- 3:14SPEAKER_00: これって要するに医療機関がこのお金は
- 3:17SPEAKER_00: 絶対にスタッフの基本給アップに使います
- 3:20SPEAKER_00: って約束した場合にだけ請求できる特別な加算ルールです
- 3:23SPEAKER_00: よね。
- 3:23SPEAKER_01: ご迷策です。
- 3:25SPEAKER_01: 非常にターゲットを絞った資金の仕組みなんですよね。
- 3:28SPEAKER_01: もしこの評価料を受け取っているのに実際のデータで
- 3:31SPEAKER_01: 基本給が上がっていなければ国から
- 3:34SPEAKER_01: すれば明らかなレッドフラッグになります。
- 3:36SPEAKER_00: いやー厳しいですね。
- 3:38SPEAKER_00: でもどうやってその実態を正確に測るんですか。
- 3:42SPEAKER_00: 季節による患者数の変動なんかでデータっていくら
- 3:45SPEAKER_00: でもぶれるじゃないですかそ
- 3:46SPEAKER_01: こなんですよ国は
- 3:48SPEAKER_01: 完全に条件を揃えた比較を行います
- 3:50SPEAKER_01: 改定前後となる令和7年と8年の6月から
- 3:55SPEAKER_01: 9月という全く同じ期間のデータをピンポイントで
- 3:58SPEAKER_01: 比較するんですな
- 3:59SPEAKER_00: るほど全く同じ時期なんですねええ。
- 4:02SPEAKER_01: 対象は無作為抽出された病院、
- 4:05SPEAKER_01: 一般診療所、
- 4:06SPEAKER_01: 歯科診療所、
- 4:08SPEAKER_01: そして月に300件以上の処方箋を扱う大型の
- 4:11SPEAKER_01: 保健薬局です。ああ、
- 4:13SPEAKER_00: なんかダイエットの成果を測るために、
- 4:15SPEAKER_00: 毎日全く同じ時間の全く同じ服装で体重計に乗るような
- 4:19SPEAKER_00: ものですね。
- 4:20SPEAKER_00: まさにそんな感じです。
- 4:22SPEAKER_00: つまり、
- 4:23SPEAKER_00: 冬はインフルエンザで忙しかったから、
- 4:25SPEAKER_00: みたいな季節要因の言い訳が一切通用しないわけです
- 4:29SPEAKER_00: よね。
- 4:30SPEAKER_01: 全く通用しません。
- 4:31SPEAKER_01: しかも電子調査票で集めるのは
- 4:33SPEAKER_01: 水道高熱費や委託費の増減だけじゃないんですよ。
- 4:37SPEAKER_01: 例えば、
- 4:38SPEAKER_01: 下記ボーナスの動向も重視します。
- 4:40SPEAKER_00: え、ボーナスもですか?
- 4:42SPEAKER_01: はい。基本給って一度上げると下げにくいですけど、
- 4:46SPEAKER_01: ボーナスなら増えた収益を本当にスタッフに還元したかが
- 4:50SPEAKER_01: 即座に数字に現れるからです。
- 4:53SPEAKER_00: そこまで徹底的にお金の流れを丸裸にするわけですね。
- 4:57SPEAKER_00: だからこそ、
- 4:58SPEAKER_00: リスナーの皆さんが通っている地元のクリニックが
- 5:01SPEAKER_00: 優秀なスタッフを確保して、
- 5:03SPEAKER_00: 今の安心できる医療サービスを維持できるかどうかが、
- 5:07SPEAKER_00: まさにこの11月10日締め切りのデータ提出に
- 5:10SPEAKER_00: かかっているわけですね。ええ、
- 5:12SPEAKER_01: 結局のところ国は
- 5:13SPEAKER_01: 実力主義というか結果主義へと舵を切っているんです。
- 5:17SPEAKER_01: 政策目標を達成したという確たる証拠、
- 5:20SPEAKER_01: つまりレシートを出せたところにだけ今後の資金を
- 5:24SPEAKER_01: 回すという明確なメッセージなんですよ。
- 5:26SPEAKER_00: いやーシビアですね。
- 5:28SPEAKER_00: ここで一つ疑問が残るんです。もし、
- 5:32SPEAKER_00: 全国の医療機関から集まったデータが、
- 5:34SPEAKER_00: 国からの報酬増はすべて高熱費や物価高に飲み込まれて、
- 5:39SPEAKER_00: スタッフの賃上げに回す余裕なんて全くなかったという
- 5:43SPEAKER_00: 残酷な現実を突きつけたら、
- 5:45SPEAKER_00: 国はどうするんでしょうか。
- 5:47SPEAKER_01: それは本当に重い問いですね。
- 5:50SPEAKER_00: 当初の予算見積もりが甘かったと認めるのか、
- 5:53SPEAKER_00: それとも冷酷に予算を引き下げるのか。
- 5:56SPEAKER_00: この調査が今後の医療経営をどう変容させていくのか、
- 6:00SPEAKER_00: 次にあなたが病院の待合室に座ったとき、
- 6:03SPEAKER_00: 少しだけ想像してみてください。