Latest / 岡大徳のポッドキャスト / テロメライシン注の薬価は1瓶約310万円|食道癌の遺伝子治療が保険適用へ
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- 0:00SPEAKER_00: あの人類の敵であるウイルスそのdnaを
- 0:03SPEAKER_00: プログラミングし直して富士の病に立ち向かう930万円の
- 0:08SPEAKER_00: 武器に変えるとしたらこれリスナーのあなたも
- 0:11SPEAKER_00: 驚くと思うんですそうですね
- 0:13SPEAKER_01: かなりインパクトのある数字とコンセプトです
- 0:16SPEAKER_00: よね今回のディープダイブでは令和8年8月に薬科が
- 0:21SPEAKER_00: 決定した食道がんの新しい
- 0:23SPEAKER_00: 遺伝子治療用製品テロメライシン中に関する資料を
- 0:28SPEAKER_00: 徹底解剖していきます
- 0:29SPEAKER_01: はいよろしくお願いします
- 0:30SPEAKER_01: この1クール約930万円という価格の裏には
- 0:35SPEAKER_01: 最先端の科学と医療制度の緻密な計算があるんです
- 0:39SPEAKER_00: まずちょっと整理させてくださいこれって
- 0:41SPEAKER_00: ただの薬じゃなくて遺伝子を改変したウイルスなんです
- 0:45SPEAKER_01: よねおっしゃる通りですテロメライシンチューの正体は
- 0:49SPEAKER_01: 遺伝子を改変したヒトアデノウイルス5型というもの
- 0:52SPEAKER_00: なんですアデノウイルスはい。
- 0:55SPEAKER_00: それでどうやってがん細胞だけを狙い撃ちにするんです
- 0:58SPEAKER_00: か?なんかスマート爆弾みたいな感じですか?
- 1:01SPEAKER_01: まあスマート爆弾というよりは、
- 1:03SPEAKER_01: そうですね、
- 1:03SPEAKER_01: ポイントはHタートという遺伝子にあるんです。
- 1:07SPEAKER_00: Hタートですか?
- 1:08SPEAKER_01: はい。
- 1:09SPEAKER_01: これをがん細胞を塩原と増殖させる不死化のスイッチだと
- 1:13SPEAKER_01: 考えてみてください。
- 1:14SPEAKER_01: なんだか厄介なスイッチですね。このウイルスはそのHタートが
- 1:18SPEAKER_01: 大量に存在する細胞の中に入り込んだ時だけ、
- 1:21SPEAKER_01: 自らを増速させるスイッチが
- 1:23SPEAKER_01: 入るように設計されているんです。
- 1:24SPEAKER_00: なるほど。
- 1:25SPEAKER_00: つまり単に外部から攻撃する爆弾というより、
- 1:29SPEAKER_00: トロイの木馬のようなアプローチってことですよね。
- 1:32SPEAKER_01: まさにその通りです。
- 1:33SPEAKER_01: がん細胞の工場に潜り込んで、相手が
- 1:36SPEAKER_01: 持つ不死身のスイッチを利用してウイルスのコピーを
- 1:39SPEAKER_01: 大量に作らせる。
- 1:40SPEAKER_01: そして内側から破裂させるってことですよね。
- 1:44SPEAKER_01: なんかウイルスをハッキングしてガンを食べる
- 1:46SPEAKER_01: パックマンに変えたみたいですごいです
- 1:48SPEAKER_00: 非常にわかりやすい例えですね実際の治療では
- 1:51SPEAKER_00: 内視鏡を使って腫瘍に直接注射します直接打つんですね
- 1:57SPEAKER_00: さらに放射線療法と併用することでその破壊力を
- 2:00SPEAKER_00: 高めるんです
- 2:01SPEAKER_01: なるほど資料を見ると投与開始後18ヶ月での局所完全走
- 2:08SPEAKER_01: 行率いわゆるLCRが50%とあります。
- 2:12SPEAKER_01: これって文字通り半数の患者さんで局所の使用が
- 2:15SPEAKER_01: 完全に消えたってことですか?
- 2:17SPEAKER_00: はい。その解釈で間違いありません。
- 2:19SPEAKER_00: さらに意義深いのは、
- 2:21SPEAKER_00: これが既存の治療が
- 2:22SPEAKER_00: 受けられない患者さんへのデータだという点です。
- 2:25SPEAKER_01: 根治切除や化学放射線療法が
- 2:27SPEAKER_01: 適用外になった方への新たな希望というミッションが
- 2:31SPEAKER_01: ここで生きてくるんですね。ええ。
- 2:33SPEAKER_00: それに、
- 2:33SPEAKER_00: 患者さんにとって切実な縁起障害、
- 2:36SPEAKER_00: つまり食べ物を飲み込みにくくなる症状のスコアも
- 2:39SPEAKER_00: 改善されています。
- 2:40SPEAKER_01: それは大きいです。
- 2:41SPEAKER_01: 再び自分の口で飲み込めるようになるっていうのは、
- 2:44SPEAKER_01: 計り知れない価値がありますよね。
- 2:46SPEAKER_00: そうなんです。
- 2:47SPEAKER_00: 生活の質の向上がデータとしてしっかり示されています。
- 2:50SPEAKER_01: ただ、
- 2:50SPEAKER_01: それだけ複雑な遺伝子操作と内視鏡での高度な手技が
- 2:54SPEAKER_01: 必要となると、
- 2:55SPEAKER_01: 1クール930万円という価格もなんだか納得できる気が
- 2:59SPEAKER_01: してきました。
- 3:00SPEAKER_00: それがですね、
- 3:01SPEAKER_00: 実は単純な製造コストや主義の複雑さだけでこの価格が
- 3:05SPEAKER_00: 決まっているわけではないんですよ。
- 3:07SPEAKER_01: え?違うんですか?
- 3:08SPEAKER_00: ええ、ここからが日本の医療制度の面白いところでして。
- 3:12SPEAKER_01: 類似薬効、
- 3:13SPEAKER_01: つまり似たような薬と値段を合わせるってことですか?
- 3:17SPEAKER_00: そういうことです。まず、
- 3:19SPEAKER_00: 効き方が似ている既存の脳腫瘍の薬、
- 3:21SPEAKER_00: デリタクト中央基準にベースの価格を設定します。
- 3:24SPEAKER_01: なるほど、
- 3:25SPEAKER_01: 基準があるんですね。はい。
- 3:27SPEAKER_00: 重要なのはその後でして、
- 3:29SPEAKER_00: このテロメライシンには3つの特別な加算が
- 3:32SPEAKER_00: 載っているんです。
- 3:33SPEAKER_01: 加算っていうのはボーナスみたいなものですか?
- 3:35SPEAKER_00: ねえ。
- 3:36SPEAKER_00: 既存治療が効かない患者への効果を示した有用性加算、
- 3:40SPEAKER_00: 希少な病気を対象とする市場性加算、
- 3:43SPEAKER_00: そして世界に先駆けて承認する先駆加算です。
- 3:47SPEAKER_00: なるほど。
- 3:48SPEAKER_00: 3つもあるんですね。はい。
- 3:50SPEAKER_00: これらがそれぞれ10%、
- 3:52SPEAKER_00: 合計でなんと30%もベース価格に
- 3:54SPEAKER_00: 上乗せされているんです。
- 3:56SPEAKER_01: ちょっと待ってください。
- 3:57SPEAKER_01: 10%ずつ上乗せってかなり大きな額ですよね。
- 4:01SPEAKER_01: 一人の治療に約930万円。
- 4:03SPEAKER_01: 保険適用されるとなると、
- 4:05SPEAKER_01: 医療費の負担として本当に持続可能なんですか?
- 4:08SPEAKER_00: そこは非常に鋭い指摘ですね。
- 4:11SPEAKER_00: 制度の持続可能性は常に議論の的になります。ただ、
- 4:15SPEAKER_00: ここで全体像を見る必要があるんです。
- 4:17SPEAKER_01: 全体像ですか?
- 4:19SPEAKER_00: 資料の予測によるとピーク時である10年目の対象患者数は
- 4:23SPEAKER_00: 年間わずか241人なんです
- 4:25SPEAKER_01: 年間たったの241人想像以上に少ないですね
- 4:30SPEAKER_00: そうなんです
- 4:31SPEAKER_00: もしこれらの加算システムがなければ製薬企業は
- 4:34SPEAKER_00: 莫大な開発費を回収できません
- 4:36SPEAKER_01: あーなるほど誰も希少疾患の薬を
- 4:39SPEAKER_01: 作らなくなっちゃうんですね
- 4:41SPEAKER_00: その通りです。
- 4:42SPEAKER_00: つまり、
- 4:43SPEAKER_00: この価格設定は単なる利益の保障ではなくて、
- 4:46SPEAKER_00: 少数の患者さんを見捨てずにイノベーションを促進する
- 4:50SPEAKER_00: ための国からの評価と報酬のシステムなんです。
- 4:53SPEAKER_01: なるほど。
- 4:55SPEAKER_01: 市場原理だけでは救えない241人のために、
- 4:58SPEAKER_01: 社会全体で開発を後押しするシステムが
- 5:01SPEAKER_01: この30%の加算に込められているわけですね。え、
- 5:04SPEAKER_00: まさにそういうメッセージだと言えます。
- 5:08SPEAKER_01: ありがとうございます。今回の資料を通じて、
- 5:10SPEAKER_01: 本来は人間に感染して脅威となるウイルスが、
- 5:13SPEAKER_01: プログラミング次第で少数の命を救う強力な武器に変わる
- 5:17SPEAKER_01: ことを学びました。
- 5:19SPEAKER_00: 本当に科学の進歩には驚かされますね。ええ。
- 5:22SPEAKER_01: そこでリスナーのあなたに最後に問い
- 5:25SPEAKER_01: かけたいと思います。
- 5:26SPEAKER_01: 現在私たちが脅威や厄介者だとみなしているものの中で、
- 5:31SPEAKER_01: 視点やアプローチを少し変えるだけで人類最大の武器に
- 5:36SPEAKER_01: 生まれ変わるものは次に何だと思いますか?
- 5:39SPEAKER_01: ぜひ考えてみてください。