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山田方谷述「中庸」ー池田弘満著ー著者より恵与受く

幕末の巨儒が遺した「生の哲学」:山田方谷『中庸』講義が令和に蘇るまで1. 導入:失われた講義録を巡る旅

現代という、あまりにも情報の速度が速く、価値観が揺れ動く時代に生きる私たちは、しばしば「人生の指針」を見失いそうになります。古典にその解を求めようとしても、難解な漢文や縁遠い時代背景が壁となり、その真髄に触れる前に挫折してしまうことも少なくありません。

しかし、もし一五〇年前の日本に、激動の時代を生き抜くための「生の哲学」を情熱的に説いた人物がいたとしたら。そして、その生きた言葉が、長い沈黙を破って私たちの手元に届けられたとしたら、それは単なる再発見以上の意味を持つはずです。

二〇二五年十月、一冊の書籍が静かに、しかし確かな重みを持って刊行されました。幕末から明治にかけて活躍した備中の至宝・山田方谷が、岡山県の閑谷学校で行った『中庸』の講義を現代に蘇らせたものです。刊行から一年が経ち、混迷を深める二〇二六年の今、改めて本書を紐解くことは、歴史の深淵から現代を照射する知的な冒険となるでしょう。

今回、日本の思想史に関心を持つ人々のみならず、現代の知性を求める読者の間で静かな感動を呼んでいるのが、池田弘満氏(著)による『山田方谷述『中庸』』(明徳出版社、ISBN: 978-4-89619-334-3)です。…

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