Latest / N2~N1日本語!Haru no Nihongo / 【Audio Book/朗読】『注文の多い料理店(ちゅうもんのおおいりょうりてん) 』Japanese Classical Stories
Transcript
- 0:02注文 の 多い 料理 店。 宮沢賢治。
- 0:24二人 の 若い 紳士 が イギリス 兵隊 の ような 格好 を して 、ピカピ カ の 新し い鉄 砲 を持って。
- 0:33白熊 の ような 犬 を 二匹 連れて。 かなり 山奥 の 木の葉 が たくさん ある 所 を こんな
- 0:41こと を 言い ながら 歩いて おりました。 この 山 は おか しい ね。
- 0:47鳥 も 動物 も 一匹 もいない。 なんでも いい から 、早 く 鳥 や動 物 を打っ てみた
- 0:54いもん だなあ。 鹿 の 腹 に 二発 三発 撃 ったら とても 気持ち がいい
- 1:01だろう ね。 石川 くるくる 回って それから 倒れる だろう ね。
- 1:08それ は だいぶ 山奥 でした。 案内人 も 見失って 、どこ か へ行っ てしまっ たぐら い
- 1:15の山 奥でした。 それに その 白熊 の ような 犬 が 二匹 一緒 に めまい
- 1:23を 起こ して 、そ れか ら 泡 を吹い て倒れ てしまいました。
- 1:29僕 は 2400円 の 損害 だ。 と その 犬 を 見 ながら 、一 人 の紳 士 が言いました。
- 1:37僕 は 2800円 の 損害 だ。 と 、も う一 人 が 悔 しそう に言いました。
- 1:44ひとり の 紳士 は 少し 顔色 を 悪く して じっと 、も うひと り の紳 士 の 顔 を 見なが ら言いました。
- 1:53僕 は もう 戻 ろう と おもう。 うん 、 僕 もちょう ど寒くなっ た し 、 腹が空 いて き
- 2:01た し、 戻 ろうとおもう。 それじゃ 、こ れ で終わ り にしよう。
- 2:06帰り道 に 昨日 の 宿屋 で 山鳥 を 十 円 買って 帰れば いい。
- 2:12うさぎ 持っていた ね。 そう すれば 結局 パリ と 同じ こと だ。
- 2:17で わ 帰 ろう。 ところが 困った こと に どっち へ 行 けば 戻 れる のか
- 2:23わか ら なく なって しまいました。 風 が どう っと 吹いて きて 、ふさ わざわざわ。
- 2:30木の葉 は カサカサ。 金 は 5t 5t と 音 が しました。
- 2:37ああ 、すご く 腹 が空いた。 僕 も そうだ 。も
- 2:41うあんま り歩 きたくな いな。 歩き たくない よ。
- 2:46ああ 、困っ たな あ。 何か食べ たいな。
- 2:50食べたい なあ。 二人 の 紳士 が 風 が dotto ざわざわ 音 が する
- 2:57中 で 、こん なこ と を言いました。 その 時 、ふ と後 ろ を見 る と立 派 な一 軒 の西
- 3:07洋造 り の 家 がありました。 そして 玄関 庭。
- 3:11西洋 料理 店。 山猫 件。
- 3:17君 ちょうど いい ここ で 食事 を しよう じゃない か。 親。
- 3:23こんな ところ に おか しい ね。 しかし 、とにか く何 か食 事 ができ る んだろう。
- 3:30もちろん 、でき る さ看 板 にそ う書い てあ るじゃな いか。
- 3:35入 ろう じゃない か? 僕 は もう 何か 食べ たくて 倒れ そう なん だ?
- 3:41二人 は 玄関 に 立 ちました。 白い レンガ の 玄関 で 立派 な もの です。
- 3:49そして ガラス の 扉 が あって 、そ こ にこ う書い てありました。
- 3:55どなた でも お入り ください。 決して 遠慮 は い り ませ ん。
- 4:02二人 は そこで とても 喜んで 言いました。 これ は すごい 。やっぱ
- 4:09り世の 中 はうま く出来 てい るねえ。 今日 一日 大変 だった けれど 、こん ない いこ と
- 4:16もある。 ここ は 料理 店 だ けれど も 、た だ で食 事 ができ
- 4:21るみたいな。 どうも そう らしい。
- 4:25決して 遠慮 は い り ませ ん という の は そういう 意味 だ。
- 4:30二人 は 扉 を して 中 へ 入りました。 そこ は すぐ 廊下 に なっていました。
- 4:38その ガラス の 扉 の 裏側 には こう 書いて ありました。 その 上 、太っ た 方 や若 い 方 は 大歓 迎 致します。
- 4:50二人 は 大 歓迎 という ので 、も う大喜 びです。 僕 ら は 大 歓迎 に 当たって いる の だ。
- 4:59僕 ら は 太って いる し 、若 いか らね。 どんどん 廊下 を 進んで いく と 、今 度 は水 色 の 扉
- 5:08がありました。 どうも 変 な 店 だ。
- 5:13どうして こんな に たくさん 扉 が ある の だろう? これ は ロシア 式 だ。
- 5:20寒い とこ や 山 の 中 は みんな こう だ。 そして 二人 は その 扉 を 開け よう と します と 上
- 5:28に 黄色い 字 で こう 書いて ありました。 当店 は 注文 の 多い 料理 店 です から 、どう かそ こ
- 5:37は ご承 知ください。 なかなか 人気 なん だ こんな 山 の 中 で。
- 5:45それ は そうだ 。東 京 のおーき な料 理 店だっ て o道 理 に は少な
- 5:50いだろう。 二人 は 言い ながら 、そ の 扉 を開けました。
- 5:58すると その 裏側 に 注文 は とても 多い です が 、ど う か 気 を悪 くしな い でください。
- 6:07これ は どう いう 意味 なん だろう? うん。
- 6:11これ は きっと 注文 が あまり 多くて 、準 備 が面 倒 でごめんなさ いとい うこ とだ。
- 6:17そう だろう。 早く どこか 部屋 の 中 に 入 りたい もんだ な。
- 6:24そして テーブル に 座 りたい もんだ な。 ところが また 扉 が 一つ ありました。
- 6:33そして その 横 に 鏡 が あって 、その 下 に歯ブラ シ が置い てあっ た のです。
- 6:40扉 には 赤い 字 で お客 様 ここ で 髪 を 綺麗 に して 、それか ら履 物 の汚 れ を落 とし てください。
- 6:49と 書いて ありました。 マナー の 厳 しい 家 だ。
- 6:56きっと かなり 偉い 人たち が よく 来る ん だ。 そこで 二人 は ブラシ で 髪 を 綺麗 に して 仏 の
- 7:04汚れ を 落と しました。 そしたら なんと ブラシ を テーブル の 上 に 置く と。
- 7:11すぐ に それ が いきなり 消えて なくなって。 風 が どっと 部屋 の 中 に 入って きました。
- 7:20二人 は びっくり して お 互い に 近づいて 扉 を 開けて 次 の 部屋 に 入って 行きました。
- 7:28早く 何か 温かい 物 でも 食べて 、元 気 をつけな いと。 何か 大変 な こと に なる と 、二 人と も思っ た
- 7:36のでした。 扉 の 内側 に また 変 な こと が 書いて ありました。
- 7:44鉄砲 を ここ へ 置いて ください。 見る と すぐ 横 に 黒い 台 が ありました。
- 7:52なるほど 。鉄 砲 を持っ て食 事 をす るこ とはない。
- 7:57いや 、かな り偉 い 人 がいつ も来 てい る んだ。 二人 は 鉄砲 おき 、そ れ を 台 の 上 に置きました。
- 8:06また 黒い 扉 が ありました。 どうか 帽子 と 上着 と 靴 を お 取り ください。
- 8:15どう だ ポルカ? 仕方ない と ろう。
- 8:20確か に よっぽど 偉い 人 なん だ 奥 に 来て いる の は?
- 8:26二人 は 帽子 と コート を 駆け 、 靴 を 脱い で 扉 の 中 に入りました。
- 8:34扉 の 裏側 には。 ネクタイピン。
- 8:37メガネ。 財布。
- 8:40その他 金属。 危ない もの は みんな ここ に 置いて ください と 書いて
- 8:47ありました。 扉 の すぐ 横 には 黒 の 立派 な 金庫 も 置いて
- 8:53ありました。 鍵 まで 置いて あった の です。
- 8:59三 何か の 料理 に 電気 を 使う ん だろう? 金属 の もの は 危ない。
- 9:07そう だろう。 そう 考える と 会計 は 帰り に ここ で 払う の だろう
- 9:12か? どうも そう らしい。
- 9:15そうだ 、きっと。 二人 は メガネ を 外 したり 、ボタ ン を取った り、み
- 9:22んな 金 庫 の 中に入 れてぱち ん と 鍵をかけました。 少し 行く と また 扉 が あって 、そ の 前 にガラ ス
- 9:33のツ ボ が一 つありました。 扉 には こう 書いて ありました。
- 9:39壺 の 中 の クリーム を 顔 や 手足 に しっかり 塗って ください。
- 9:45みる と 確か に 壷 の 中 の もの は 牛乳 の クリーム でした。
- 9:52クリーム を 塗る と は どう いう こと なん だ? これ は ね 。
- 9:58外 が非 常 に寒 いだろう。 部屋 の 中 が あんまり 暖かい と 肌 が 切れる から
- 10:04、そ の予 防な んだ? どうも お 国 は よっぽど 偉い 人 が 来て いる。
- 10:11こんな とこ で 、もし かした ら 僕 らは? 貴族 と 知り合える かもしれない よ。
- 10:19二人 は 壷 の クリーム を 顔 に 塗って 手 に 塗って 、それか ら靴 下 を 脱い で 足 に塗りました。
- 10:28それでも まだ 残っていました から 。そ れ は二 人と もこっそ り 顔 え、 塗る ふ り をしな
- 10:34がら食べました。 それから 大急ぎ で 扉 を 開けます と 、そ の裏 側には。
- 10:42クリーム を よく 塗りました か? 耳 にも よく 塗りました か?
- 10:47と 書いて あって。 小さな クリーム の つば が ここ にも 置いて ありました。
- 10:54そうそう 、 僕 は 耳 に は ぬ らなかっ た危な く 耳 が切れ るとこ ろだった。
- 11:01ここ の オーナー は 用意周到 だ ね。 うん 。細か
- 11:07いとこ ろま でよ く 気 がつ くよ。 ところで 、 僕 は早 く何 か食べた い ん だけ ど、こ ん
- 11:13なに 老 化が 長 いと 時 間がか かるなあ。 すると すぐ 前 に 次 の 扉 が ありました。
- 11:23料理 は もう すぐ 出来ます。 当 5分 も お待たせ はいた し ませ ん。
- 11:28すぐ 食べられます。 早く あなた の 頭 に 香水 を よく 振 り かけて
- 11:34ください。 そして 扉 の 前 に は 金 の 香水 が 置いて
- 11:39ありました。 ふたり は 、そ の香 水 を 頭 にペチャペチ
- 11:44ャ振りかけました。 ところが その 香水 は どうも ス の ような におい が
- 11:50する の でした。 この 香水 は 数 くさい。
- 11:57どう した ん だろう? 間違えた ん だ。
- 12:01召使 が 風邪 でも ひいて 間違えて 入れた ん だ。 二人 は 扉 を 開けて 中 に 入りました。
- 12:12扉 の 裏側 には おーきな 字 で こう 書いて ありました。 いろいろ 注文 が 多くて うるさかった でしょう。
- 12:21お 気の毒 でした。 もう これ だけ です。
- 12:25どうか 体中 に 壷 の 中 の 塩 を たくさん 良く も み こんで ください。
- 12:32立派 な 青い 塩 壺 は 置いて ありました が。 今度 という 今度 は 二人 とも びっくり して。
- 12:39お 互い に クリーム を たくさん 塗った 顔 を 見合わせました。
- 12:45どうも おか しい なあ。 僕 も おか しい と 思う。
- 12:50たくさん の 注文 という の は 、向こ う がこっ ち へ注 文して る ん だよ。
- 12:57だから さ。 西洋 料理 店 という の は 僕 の 考える ところ で わ。
- 13:03西洋 料理 を 着た 人 に 食べ させる のでは なくて。 来た 人 を 西洋 料理 に して 食べて やる 家 と
- 13:11こういう こと なん だ? これ は その その つまり 後 僕 ら が。
- 13:20がたがた がたがた 震え 出して 、も う何 も言 えま せ んでした。
- 13:27逃げ よう。 がたがた し ながら ひとり の 紳士 は 後ろ の 扉 を 押
- 13:33そう と しました が。 扉 は 全く 動き ませ ん でした。
- 13:39奥 の 方 には まだ 一つ 扉 が あって 、おーき な鍵 穴 が二 つ付き。
- 13:45いや 、わざわ ざ ご苦 労で す。 よくできました。
- 13:49さあ さあ 、お 腹 にお入 りください。 と 書いて ありました。
- 13:55そして 鍵穴 から は キョロキョロ 二つ の 青い 目玉 が こっち を のぞいて います。
- 14:04う わ あ。 二人 は 泣き出 しました。
- 14:09すると 扉 の 中 で わ こんな こと を いっています。 だめ だ よ もう 気 が ついた よ。
- 14:18塩もみ コマ 内容 だ よ。 当たり前 さあ 、親 分 の書 き 方 が良くな い んだ。
- 14:26いろいろ 注文 が 多くて うるさかった でしょう 。 お気の 毒でし たなん て 変 なこ と を書い たもんだ。
- 14:33どっち でも いい よ 。どう せ 僕 らに は 骨 も分け てクリ アしな い んだ?
- 14:39それ は そうだ。 けれども 、も しこ こ へあい つ ら が入っ て 来なかった
- 14:44ら、 そ れ は 僕 らの 責 任だぜ。 予防課 予防。
- 14:51おい 、お 客さ ん 方早 くいらっしゃい。 お皿 も 洗って あります し 、葉っ ぱ も準 備
- 14:58ができています。 後 は あなた たち と 発泡 うまく 真っ白 な お皿 に
- 15:04乗せる だけ です。 早く いらっしゃい。
- 15:08いらっしゃい いらっしゃい。 それとも サラダ が お 嫌い です か?
- 15:14そん なら これから フライ に して あげ ましょう か? とにかく 早く いらっしゃい。
- 15:21ふたり は あんまり 心 を 痛めた ため に。 顔 が まるで ぐちゃぐちゃ の 紙 の ように なり。
- 15:27お 互い に その 顔 を 見合わせ 、ブルブ ル震 え 声 もな く泣きました。
- 15:34中出 は ふ ふ っと 笑ってい ます。 いらっしゃい いらっしゃい 。そん
- 15:42な担い 手 はクリー ム が流れ るじ ゃあ りま せ んか? さあ 、早 くいらっしゃい。
- 15:49早く いらっしゃい。 親方 がもう ナフキン を かけて ナイフ を 持って お客 様
- 15:55を 待ってい ら れます。 二人 は 泣いて 泣いて 泣いて 、泣い て泣きました。
- 16:03その 時 、後 ろか らいきな りわんわ んとい う 声 がし て、 あ の白 ク マのよ う な 犬が 二匹 部 屋 の
- 16:12中に飛び込 んできました。 鍵穴 の 目玉 は すぐ に 無くな り 、 犬 もしばら く部
- 16:18屋 の 中 をまわっていまし た 。が 、 ま た はん と高く 吠えて、 い き な り 次の扉
- 16:26に飛びつきました。 扉 が 開いて 犬 は 飛んで いきました。
- 16:33その 扉 の 向こう の 暗闇 の 中 で。 ニャン と 言う 声 が して 、それか らガサガ サ 音
- 16:41がしました。 部屋 は 煙 の ように 消え 、二 人 は寒 さ にブルブ
- 16:47ル震え て 草 の 中 にたっていました。 見る と 上着 や 靴 や 財布 や ネクタイ、ピ ン は 木
- 16:58の 枝 にかかっ ていた り 、 下に落 ちてい たりします。 風 が どう っと 吹いて きて 、 草わざわ ざ は木の 葉
- 17:07はカサカサ。 キハ 5t 5t と 音 が しました。
- 17:12犬 が 戻って きました。 そして 後ろ から は お 二人 とも。
- 17:18と 叫 ぶ 人 がいます。 二人 は すこし げんき に なって おーい おーい 、こ こ
- 17:26だ ぞ。 早く 来 い 。と叫びました。
- 17:30亡くなった 案内人 が やってきました。 そこで 二人 は やっぱ 安心 しました。
- 17:40そして 案内人 の 持って きた 団子 を 食べ 、途 中 で 十 円だ け山 鳥 を買っ て東 京 に帰りました。
- 17:50しかし 、さっ き1 ° 神 の様 になっ た二 人 の 顔だ け は、 東 京に帰 っ て も お 湯に入 っ ても 、 も
- 17:57う 元の 顔 に は戻 り ませんでした。