Latest / 英国ドラマタイム / #82『ブリジャートン家』シーズン4・パート1!主役ベネディクトの物語を、見どころと感想を語ります
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- 0:09英国ドラマタイムへようこそ。この番組は、イギリスの歴史ドラマが大好きな私が、ドラマや映画のおすすめ、ロケ地の秘密、当時の暮らしまで深振りしてご紹介しています。物語の背景を知ると、作品がもっと楽しくなります。
- 0:25さて、今日も特別回です。
- 0:29ついに、ついに来ましたね。1月29日、netflixブリジャートン家シーズン4の前半パートが配信されました。ご覧になりましたか?楽しみにされていた方も多かったのではないでしょうか。
- 0:45今回は、配信された放送の見どころとか、私の考察をたっぷりお届けしたいと思います。ネタバレは絶対踏みたくないという方は、ご注意してください。
- 0:57さて、今回シーズン4の主役は、私がブリジャートン一家の中で一番好きな次男、ベネディクトです。そして物語は、誰もが知るあの童話にとってもよく似ています。
- 1:13そう、シンデレラです。でも、ただのおとぎ話で終わってはいません。決定的に違うのは、王子様であるベネディクトをボロボロに傷ついた出口のない迷子だったという点です。
- 1:28昔、ロンドンにソフィーという若い女性がいました。父の死後、ママ母と二人の姉の屋敷でメイドとして暮らし、正当な使いを受けることもなく静かに耐える日々を送っていました。
- 1:45ある夜、上流階級の仮面武道会が開かれます。姉たちは着飾って出かけますが、ソフィーは当然ですが仕事です。
- 1:55しかし、使用人仲間の助けで馬車、ドレス、靴、手袋、そして仮面を用意してもらい、武道会へ行くことができました。
- 2:06身分を隠して会場に足を踏み入れたソフィーは、ブリチャードン家の次男ベネディクトと出会います。
- 2:14二人は言葉を交わし、ダンスを踊り、互いに強く惹かれ合います。しかし、真夜中のベルの音でソフィーは自分の立場を思い出します。
- 2:24彼女は名前を告げぬまま武道会を去り、再び使用人としての現実へ戻っていきました。
- 2:32ベネディクトの手には彼女の手袋が一つだけ残されました。
- 2:37彼はあの夜に出会った女性のことを忘れられず、銀のドレスの礼状を探し続けます。
- 2:45シンデレラにそっくりですね。
- 2:48このベネディクトの一途に見える探し物ですが、実は彼自身もここまでの3シーズンでずっと自分自身の居場所を探し続けていたんですね。
- 3:03このシーズン4から見て楽しめるの?と思った方、安心してください。ここからでも十分楽しめます。
- 3:11でもここまでの彼の過去を知るともっと深く楽しめると思います。
- 3:17そのために改めてシーズン1から3のベネディクトの歩みをちょっと振り返ってみたいと思います。
- 3:25まずはすべてが始まったシーズン1です。
- 3:30ベネディクトは名門貴族ブリジャートン家の次男です。
- 3:35結婚に縛られず、恋にも深入りせず、芸術と快楽を行き来する、そんな立場にいられたのは彼が貴族の次男として生まれたからです。
- 3:46この頃の彼はオヘニアン・ナガカのアトリエに入り浸り、階級にとらわれない自由な世界に浸水していました。
- 3:55自分も彼らと同じ自由な芸術家の同士だ、信じて疑わなかったんですね。
- 4:02でもそこで突きつけられたのは、結局君は安全な場所から見物しているだけの部外者だ、というちょっと残酷な拒絶でした。
- 4:13本気で生きている芸術家たちから見れば、彼はただの絵筆を持ったお坊ちゃんです。
- 4:20口先だけって言われちゃうんですが、口では自由を語りながら、結局ブリチャートンという名の音質に守られている矛盾をすばり指摘されてしまったんです。
- 4:33さらに家族の柱であるお兄さんアンソムが血統に向かうことになった時に、突然現実を突きつけられます。
- 4:44もし俺に万が一のことがあれば、あとはお前に家族を頼む。
- 4:49昨日まではそういった責任は全て兄が負うものと思っていたのに、急に一族の命運を肩に乗せられてしまいます。
- 5:00自分が謳歌していた自由は、実は兄の犠牲の上に成り立つひどく脆いものであって、自分もまた貴族の息子の宿命を背負っているんだなって気づいたんだと思います。
- 5:13シーズン2は、ベネディクトファンならとても楽しい一句もあり、最後はちょっと見ていてつらかったシーズンではなかったでしょうか。
- 5:25画家を目指していた彼は、ロンドンにある名門美術学校に合格します。
- 5:31この時の喜びは本当にすごかったですね。
- 5:37僕の作品に大きな可能性を見出してくれたに違いないって大喜びして、窓を開けて外に大声で叫びました。
- 5:47君たちはみんなこれから僕の才能の承認になるんだってね。
- 5:52家柄ではなくて自分自身の腕で価値を証明できた。
- 5:57そう信じた彼は、ようやく自分の居場所を見つけた喜びで夢中で創作に打ち込みます。
- 6:04でもある時に、その入学は実は兄が裏で支払った莫大な寄付のようなものだと聞かされるんですね。
- 6:12結局世間が評価したのは自分の才能ではなくて、またしてもブリチャートンという看板だった。
- 6:20そのことに深く傷ついて逃げるように筆を置いてしまうんですね。
- 6:26そして続くシーズン3。
- 6:29腕を置いた彼は、自分は何者にもなれないという絶望を抱えたまま、何にも縛られない漂うような日々を過ごしていました。
- 6:40そんな中、年上の魅力的な未亡人ティリーと出会います。
- 6:45束縛のない自由な関係を楽しんでいた二人でしたが、
- 6:49彼女の方が先にベネディクトへの本物の愛に気づいてしまいます。
- 6:54あなたと出会って一人の人を深く愛したいと思うようになった。
- 6:58でもベネディクトはそれに答えることができません。
- 7:02君は素晴らしいけれど、自分自身がそれを望んでいるのかはわからない。
- 7:08ベネディクトは自由を求めていたはずなのに、
- 7:11実は自分が本当に何を求めているのかというのを答えすら持たないまま、空っぽの自由の中に逃げ込んでいただけだったんですね。
- 7:22そしてシーズン3のラストに、
- 7:25次に学ぶことが自分を大きく変える気がするんだってつぶやく場面があったんです。
- 7:31この一言がシーズン4への大きな伏線だったんですね。
- 7:36彼が本当の自分としてソフィーに向き合うためには、
- 7:41これまでの長く苦しい遠回りが必要だったのではないかな、
- 7:46これはシーズン4を見てそう思いました。
- 7:50そう思えた象徴的なシーンが、
- 7:53今回二人が嵐を避けて過ごしたあのコテージでのひとときです。
- 7:58あそこにはロンドンの騒がしさとか世間の目も一切ありません。
- 8:04自然の中で語り合って笑い合って、
- 8:07ベネディクトがずっと探し求めていた何者でもない自分として、
- 8:11ソフィーと深くつながれた魔法のような本当に素敵な時間だったんですよね。
- 8:17見ているこちらも本当に幸せな気分になったんですが、
- 8:21だからこそ私はその後の展開を見て、
- 8:27ベネディクトにがっかりしてしまったんです。
- 8:31これまでずっと僕は自由だ、
- 8:352分なんて関係ないっていう顔をして、
- 8:38社交界のことを少し見下して、
- 8:41社交界の外に行けば本当の自分になれるとも言っていたんですが、
- 8:45でもいざソフィーという本気の相手が現れたらどうだったんでしょうか。
- 8:51彼は結局何も捨てられなかったんです。
- 8:55さてシーズン4の前半、あの仮面舞踏会のシーンをもう一度思い出してみましょう。
- 9:02そこで起きていたことは、実はすごく皮肉だなと思ったんです。
- 9:08仮面舞踏会という場所はソフィーにとっては救いの場所だったんですね。
- 9:13普段は使用人として虐げられていて、
- 9:17名前さえ奪われている彼女が仮面をつけたあの瞬間だけは、
- 9:22一人の誇り高い女性としてベネディクトと対等に踊ることができました。
- 9:27あの場所は彼女が本当の自分を取り戻せた自由な場所だったんですが、
- 9:33対するベネディクトはどうだったかというと、
- 9:36彼は堂々と自分の名前を言うことができます。
- 9:40彼は自分を自由な男だと思っていましたし、彼女に対してもとても誠実でした。
- 9:47でも皮肉なのはここからです。
- 9:50彼がどれだけ彼女に本気でも、
- 9:53ブリチャートン家の次男を名乗った瞬間に、
- 9:56そこには超えられない2分の壁が立ちふざがってしまいます。
- 10:02仮面をつけて対等に踊れたソフィーに対して、
- 10:05ベネディクトはブリチャートンという看板を背負ったまま、
- 10:09彼女を追いかけることしかできなかったんです。
- 10:12そしてその不自由さが最悪の形で出たのが、最後の告白です。
- 10:20彼は全てを与えたいとソフィーにも言ったのですが、
- 10:24結局提案できたのは愛人という立場です。
- 10:29ベネディクト自身が自分も誇りに思っているブリチャートンという安全な場所、
- 10:35特権階級のルールからまだ一歩も外に出られていなかったんですね。
- 10:41君を愛して、でも結婚して妻にすることは僕の住む世界では不可能なんだ。
- 10:47そう言っているのと同じだったんです。
- 10:50自分で傷つかない場所に留まったままの中途半端な愛。
- 10:55だからこそソフィーが何も言わずに去ってしまったのは、
- 11:00結局ベネディクトが示したのが、2分の上下をわきまえた愛だったからです。
- 11:082月26日の配信でベネディクトがその安全な場所をぶち壊して、
- 11:15特権を捨ててでも彼女と同じ場所に立てるのか、
- 11:19そこが彼が本当の自由をつかめるかどうかの分かれ道になるのかなと思いました。
- 11:28そして私がもう一つ楽しみにしているものがあるんですが、
- 11:32それはブリチャートン家の子供たちをいつも優しく見守っている母バイオレットの言葉です。
- 11:39これまで愛に迷う子供たちに、自分の痛みも喜びも全てさらけ出して伝えてきた言葉の数々です。
- 11:48まずはジョージョ・ダフネの伝えた、
- 11:51愛は感情に任せるものではない、日々自ら選び続けるものであるということ。
- 11:58長男アンソニーは、たとえ最後に失う痛みが待っていたとしても、
- 12:03共に過ごす時間はその絶望を遥かに上回る価値があるということ。
- 12:09三男コリンニェは、十分を守る鎧を脱ぎ捨てて傷つく準備ができて、
- 12:16せめて人は本当の意味で他者と繋がれるということ。
- 12:21そして三女フランチェスカには、愛の形や進み方は一つではなくて、
- 12:26他人と同じである必要はないということ。
- 12:29それをあなたから学んだわって言ってましたよね。
- 12:34そのバイオレットがベネディクトにシーズン4でどんな言葉を送って、
- 12:39彼がどんな選択をするのかなというのがとても楽しみです。
- 12:44ブリチャートンケは、とても華やかでキラキラした世界のドラマですよね。
- 12:50なので、軽い恋愛ものって見えてしまうかもしれないんですが、
- 12:56このドラマにはたくさん素晴らしいメッセージがあって、
- 13:01その一つがキレイごとではなくて、
- 13:04人が誰かを本気で愛するときの葛藤や覚悟が詰まっているなと思うんですね。
- 13:11さて、今日は少し熱く語りすぎてしまいましたが、
- 13:15最後に一つだけ、今回ベネディクトとソフィーが過ごしたあのコテージは本当に素敵だったですよね。
- 13:23あの場所で流れていた静かで濃密な時間、
- 13:27ベネディクトが追い求めていた自由の答えがあそこにあったのかなってちょっと思ったんですが、
- 13:34あんな素敵な場所は一体どこにあるのか、
- 13:37あのコテージの露天地についても語りたいことがありますので、
- 13:42またその詳しい話は別の機会にお届けしたいと思います。
- 13:47それでは次回木曜日の配信をどうぞお楽しみに。