Latest / 英国ドラマタイム / #65 映画『英国王のスピーチ』:王子を怒らせて治療した男
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- 0:10英国ドラマタイムへようこそ。この番組は、イギリスの歴史ドラマが大好きな私が、ドラマや映画のおすすめ、ロケ地の秘密、当時の暮らしまで深掘りしてご紹介しています。物語の背景を知ると、作品がもっと楽しくなります。
- 0:26今日は、2010年の映画、英国王のスピーチ、オリジナルタイトルは、The King's Speechを取り上げます。主人公は、亡きエリザベス女王のお父さんのジョージ六世です。彼が抱えていた大きなコンプレックスをどうやって克服したのか、というストーリーです。
- 0:47これまでの私のジョージ六世に対するイメージというのは、少し冷たいくらいのものすごくハンサムな男性であること、そしてお兄さんエドワード八世がシンプソン夫人と結婚するために王位を捨てたという話の方が有名すぎて、正直あまり詳しく知りませんでした。
- 1:09でも、この映画を見て、ジョージ六世が質問という感情を持っていたことを知りましたし、突然王位を継いで国王になって、さらに時は戦争時ということで積み重なる重圧があったんだなということを知りました。
- 1:29映画では、洋国王アルバート王子が家族やスピーチ長生の専門家の支えを受けて、ジョージ六世となって質問を少しずつ克服して国王として自信を持っていく姿が描かれています。
- 1:46そして、3人の主要人物を紹介したいと思います。国王を演じたのがコリンファースです。とても素晴らしい演技でしたよね。コンプレックスのために無知気で思うようにならないことにイライラ、悩んで苦しみ、葛藤を抱える姿がすごく伝わってきました。
- 2:10でも、2人の娘を見る目がとても優しくて素敵でしたね。コリンはこの役でアカデミー賞を受賞しています。彼を支える妻のエリザベスを演じたのはヘレナ・ボナムカーターです。明るくてサバサバした印象の女性。
- 2:27でも、突然国王一家になるという重圧を受けることになった家族を大きな愛で包み込むような存在を演じていました。ぴったりな配役だったなと思います。
- 2:39そして、エリザベスが見つけたスピーチ調整の専門家、ライオネル・ローグ役はジェフリー・ラッシュです。異端の専門家らしい、ちょっと変わり者の雰囲気。この人は本当にこういう役が上手いですよね。
- 2:56この3人が出ている映画というだけで見てみたいなぁと思わせてくれる豪華キャストです。
- 3:03では、ここからはあらすじと国王がどうやって克服していったのか、4つの見どころで映画のストーリーを見ていきたいと思います。
- 3:13そして最後には、この映画が作られた感動の舞台裏も少しご紹介したいと思いますので、ぜひ最後まで聞いてくださいね。
- 3:21ではあらすじです。
- 3:26舞台は1925年のロンドンです。
- 3:30大英帝国博覧会の閉会式で、ヨーク子・アルバート王子はお父さんのジョージ五世の代理として演説をすることになります。
- 3:40ですが、強いどもりで言葉がとりれとりれになり、スピーチは失敗します。アルバートは深く傷つきます。
- 3:50喫煙を治すために、幼い頃からあらゆる治療方法を試しているのですが、改善することなく、
- 3:59でも国民に向けて話すことが王族の使命であるので、いつも悩んで暗い表情をしているのです。
- 4:07そんな夫を支えた妻エディザベスが、オーストラリア出身の話し方の専門家、ライオネル・ローゴを見つけ出します。
- 4:16ライオネルはロンドンの下町で治療をする法室の人に対しても敬語を使わない常識破りの人でした。
- 4:26アルバート王子のことをバーティという愛称で呼んで、最初はそのことにとても反発していた王子だったのですが、
- 4:35ライオネルのユニークな方法で希望を感じて治療を続けることになります。
- 4:411936年に、お兄さんの大尉によって、ジョージ6世として即位して、
- 4:49しかしだいぶ滑らかになっていたものの、喫煙は完全には治っていないために、
- 4:57そこに大歓喜の準備という大きな試練が待ち受けます。
- 5:02さらに3年後には、ドイツとの改善によって国民を励ますラジオ演説をすることになります。
- 5:08放送室でライオネルに支えられて、ジョージ6世は見事に演説を成功させて、
- 5:16真のリーダーとして国民の前に立つのでした。
- 5:20ではどうやってアルバート王子は喫煙を克服したのでしょうか。
- 5:26私はこの映画を見ていて、これなんだなと思ったのです。
- 5:31それはアルバート王子とライオネルの信頼関係です。
- 5:35これがなければ絶対に治らなかったはずなんですね。
- 5:40考えてみてみると、アルバートは王子様ですよね。
- 5:45普通の先生ならば恐れ多いという感じで表面的な治療しかできないですよね。
- 5:52彼の心の奥まで踏み込むなんてとっても難しいです。
- 5:56でもライオネルは違いました。
- 5:59対等な関係じゃないと意味がないと最初から腹を決めてたんですね。
- 6:05なぜなら喫煙の本当の原因を探るには心の扉を開いてもらわなければならないからです。
- 6:12当時の他の専門家は発音の問題として扱っていたのかもしれませんが、
- 6:18でもローグは戦争で傷ついた兵士たちをたくさん見てきて気づいていたんですね。
- 6:24心が癒されて信頼できる人がそばにいれば人は変われる。
- 6:29つまりローグが目指したのは治療ではなくて、
- 6:34その人が自分に気づいて自分で変わっていくお手伝いだったんです。
- 6:38だから失礼承知で信頼関係を築くことから始めました。
- 6:44これからその過程を4つのシーンで見ていきたいと思います。
- 6:54王子夫妻が向かったのはロンドンの下町です。
- 6:58暗くて煙がもくもくしているような王室の人だったらば、
- 7:03普通なら絶対に行かないような場所です。
- 7:06しかも義命を使ってやってきます。
- 7:09そこで待っていたのはライオネル。
- 7:12この人は本当に肩破りなんですね。
- 7:15私が宮殿に行って治療することはありません。
- 7:18ここに通ってくださいときっぱり言います。
- 7:22それは対等な関係を築くためなんですね。
- 7:25そして王子に向かってバーティーという愛称で呼び、
- 7:29自分のことはライオネルと呼んでください。
- 7:32ドクターではなくと伝えます。
- 7:34最初は王子はそのことに反発していたんですが、
- 7:37でもここからが面白いんです。
- 7:40ライオネルがヘッドホンをつけさせて
- 7:43大音量の音楽を流しながら本を朗読させます。
- 7:47王子は自分の声が聞こえないのでスラスラと話せるんですね。
- 7:51後にこの録音を聞いた王子は初めて希望の光が見えたんですね。
- 7:59もしかして自分のキツ音は治るかもしれない。
- 8:02見どころに身体的な練習。
- 8:08ここからが本格的な治療の始まりです。
- 8:12ライオネルの指導でアルバト王子は王室の威厳を完全に脱ぎ捨てます。
- 8:18床を転がったりジャンプしたり、
- 8:20普段なら絶対口にしないような汚い言葉を大声で叫んだりします。
- 8:26でも私が一番好きなのは腹式呼吸の練習シーンです。
- 8:32王子が床に転んでお腹の上にエリザベスが座ります。
- 8:37息を深く吸うとヒデンカがせり上がり、
- 8:41ゆっくり吐くとヒデンカが降りてくる。
- 8:45このシーンが本当に微笑ましくて
- 8:47エリザベスもとても楽しそうでした。
- 8:50こうやって少しずつ少しずつ信頼が芽生えていきます。
- 8:54その過程がとても丁寧に描かれていて
- 8:57見ていてとてもほっこりします。
- 9:00見どころ3。お酒を飲みながらの会話。
- 9:05ライオネルの家でついに運命の夜がやってきます。
- 9:09お酒が入って少しリラックスしたアルバト王子。
- 9:13王子の口から今まで誰にも言えない
- 9:17誰にも話したことのない辛い記憶が
- 9:20咳を切ったように溢れてできます。
- 9:23左利きを無理やり右利きに強制されたこと。
- 9:27痛い記号をつけられてX客の強制。
- 9:31子供時代は仲が良かったお兄さんとの楽しい思い出の一方で
- 9:37父親からキス音を怒鳴られ続けたこと。
- 9:40そして一番辛かったのは
- 9:42ウバに嫌われて3年間まともに食事をもらえなかったこと。
- 9:47そして病気で13歳で亡くなった男への思い。
- 9:52次から次へと長年心の奥に押し込めてきたものが溢れ出すんですね。
- 9:58でもここはただ語っているわけじゃないんですね。
- 10:03ライオネルの鋭い観察力と絶妙な質問とタイミングで
- 10:08このような会話になったんです。
- 10:09見どころ4 体感式前日のやり取り
- 10:141936年 運命が大きく変わります。
- 10:18父が亡くなり兄エドバード発生が大いにつきますが
- 10:23新婦孫夫人との結婚問題でわずか1年足らずで退位してしまいます。
- 10:28突然アルバートが次の国王になることになり
- 10:32でも問題はキス音がまだ完全には治っていないことです。
- 10:36即意語のスピーチでも失敗が続き国民の前で恥をかいてしまいます。
- 10:41そして最大の試練体感式が迫ってきました。
- 10:46実はこのちょっと前にアルバートとライオネルは喧嘩別れしていたんですね。
- 10:52でもどうしても彼の助けが必要になり2人は和解します。
- 10:56そして体感式の前日ウエストミンスター寺院での準備中に
- 11:01アルバートは周囲の取り巻きから
- 11:04ライオネルは正式な医師の資格を持っていないと教えられます。
- 11:09アルバートは激怒します。
- 11:11でもここからがライオネルのすごいところですね。
- 11:16彼はわざと王子を怒らせるんです。
- 11:19そしてついにアルバートの口から出た言葉
- 11:22私は王だ。私は王になる声を持っている。
- 11:25そこであなたは忍耐強く勇敢だ。立派な王になる。
- 11:30とライオネルが優しく答えるんですね。
- 11:33この後体感式の練習が続いていくんですが
- 11:38そこでアルバートが初めて笑顔を見せるんですね。
- 11:43この瞬間に2人は本当の友達になったんだなって感じました。
- 11:48この4つの瞬間にアルバートが笑顔を見せるんです。
- 11:52この4つのシーンを見てみると
- 11:58ライオネルの一貫した姿勢がよくわかりますよね。
- 12:01最初から最後まで彼はバーティーという
- 12:051人の人間として向き合い続けたんです。
- 12:08どんなに周りから批判されても
- 12:11その姿勢を絶対に変えませんでした。
- 12:14そして私が感動したのは
- 12:17決してこう直してあげようっていう上から目線ではなくて
- 12:21ただそばにいて信じてもらって
- 12:23待っていたことです。
- 12:26アルバートが自分で気づいて
- 12:29自分で変わっていくのを見守っていました。
- 12:32子供時代の傷を認めるのも
- 12:35傷の本当の原因を理解するのも
- 12:38王としての責任を受け入れるのも
- 12:41最後の演説を成功させるのも
- 12:44全部アルバート自身がやったことなんですよね。
- 12:47人が直すのではなく自分で気づいて手放していくっていう
- 12:50この映画を見て私はそのことを深く感じました。
- 12:55そしてこれは今の私たちの人間関係とか
- 12:59心の問題にも通じるとても大切なことなんじゃないのかなと思うんです。
- 13:05さてここからはちょっと
- 13:08映画の感動の舞台裏もご紹介したいと思います。
- 13:12この映画の脚本家のデビッド・サイドラは
- 13:16自分も実は経験者だったそうなんですね。
- 13:20だからこの企画を長年温めていたそうなんですが
- 13:24なんせライオネルの記録が見つからない。
- 13:28さらに王室はライオネルの治療記録の公開を拒んでいたんですね。
- 13:33当時はまだご存命だったエリザベス交代号
- 13:37つまりジョージ6世の奥さんが許可しなかったんです公開するの。
- 13:42そして2002年に交代号がなくなって
- 13:46ようやく映画の制作が動き出しました。
- 13:50さらにライオネルの孫のマークさんが
- 13:54祖父の資料を整理していたら
- 13:57祖父と国王の大量の手紙が出てきたそうです。
- 14:00映画制作陣は撮影のわずか10週間前に
- 14:04マークさんからその貴重な資料を手に入れて
- 14:08急遽脚本を手直ししました。
- 14:11実際の手紙の内容が映画のセリフにも使われているんだそうです。
- 14:16本当の言葉だったんですね。
- 14:18さて今日は英国王のスピーチをご紹介しました。
- 14:23いかがでしたか。
- 14:25単なる質問克服の物語ではなくて
- 14:28人と人との信頼関係がいかに大切かを教えてくれる
- 14:32深い作品だったですね。
- 14:34映画をまだ見ていない方はぜひ
- 14:37王子とライオネルの関係性に注目してみてください。
- 14:41きっと新しい発見があると思います。
- 14:43そしてこのようなイギリスの歴史や文化にご興味がある方は
- 14:48私がストア化で開催している
- 14:50旅するイギリス文化講座をぜひチェックしてみてください。
- 14:54詳細は概要欄にリンクを貼っています。
- 14:57この放送を気に入っていただけましたら
- 15:00星5つの評価で応援していただけると
- 15:03とても励みになります。
- 15:05またコメントで感想や
- 15:07こんなドラマを取り上げてほしいというリクエストも
- 15:10大歓迎です。
- 15:11次回は英国王のスピーチのロケ地をご紹介します。
- 15:16映画の舞台となった場所を一緒に巡ります。
- 15:20どうぞお楽しみに。