Latest / TanaRadio / 132 本棚 | 孫泰蔵『冒険の書』から
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- 0:01◆ボイスメモ第1回◆ 本棚「孫泰蔵『冒険の書』から」を開設したのが8月1日ですが、今日は8月の4日です。
- 0:16本棚に、本といいますか、実際の本とそれからエピソード、さらにオンライン上の様々なコンテンツ、こういうのを並べまして、私の学びを進める一つのツールとして使っているんですけれども、
- 0:45途中経過をですね、声で残したいなと思いまして、今ちょっと話します。
- 0:54今日は、この本、探究の旅をするというその経過を記した『冒険の書』なんですけれども、この探究の始まりの問いがですね、「なぜ学校の勉強はつまらないのだろう」というものなんですね。
- 1:21これは、この問いですね、学校の勉強はつまらないのが当たり前だというですね、そういう考え方の人もいるかもしれませんが、これあえて問うている、そういう問いからこの本は出発しているんですね。
- 1:45で、その問いに対して、孫さんはすぐにその答えを示すような本は出してないんですね。
- 1:56コメニウスだったかな、近代教育学の父と呼ばれている人でしょうか、私そんなによく知らないんですが、その人の書いたですね、一種の教科書の元祖みたいな本を紹介し、
- 2:19この物語、旅の物語をですね、始めているんですけれども、ちょっとこれ分かりにくいと思うんですね。
- 2:28なぜ学校の勉強がつまらないのかということの答えとして、この教科書の元祖みたいなものを作った人の考えを知るというのはちょっと距離があるような気がしまして、
- 2:45もっと直接的に答えているところまでちょっと本をですね、飛ばしまして、第2章のところまでいきまして、それで、そこに答えがですね、書いてあったように思いますので、
- 3:07それに関係する本をですね、ちょっと読んでみました。
- 3:13まず答えですけれども、それは学びと遊びというのはもともと分けられていなかったものが、学校においては学びから遊びが抜き取られて、つまらない勉強になってしまったと。
- 3:36遊び的要素がなくなったので、学校の勉強は面白くないのだと。こういう話なんですね。
- 3:44で、そのことを述べている人として、佐伯胖さんというですね、有名な学者の方なんですけれども、その方の『「わかり方」の探究』という2004年に出版された本を紹介していましたので、
- 4:06それを早速ですね、すぐ読みたいので、Kindleで買いまして、該当部分を読んでみました。
- 4:16で、私、この本知らなかったんですけれども、もう今から20年も前に出版された本なんですけれども、その部分とても面白く読みましたし、ここから孫さんは様々なインスピレーションを受けているなということがよくわかる。
- 4:35言ってみれば、孫さんのこの『冒険の書』のネタ本というんでしょうかね。そういうものになっているなということがよくわかる。そういうものでしたね。
- 4:48この本はですね、佐伯さんの本は、いろんなところに書いたものをまとめた本ですので、関係するところ遊ぶということの意味というですね、そういうセクションなんですけれども、そこだけ読んでもですね、話がよくわかるので、
- 5:18今回そこだけ読みましたけれども、全体的にもですね、興味深いテーマがいろいろありましたので、ゆっくり読みたい本だなというふうに思いました。
- 5:29ですが、探究の旅はですね、ちょっと続けなければいけないので、次はですね、また新しい問いを立てて考えていくんですけれども、
- 5:48学校の勉強がつまらなくなったのは、遊びがですね、学びと離れてしまったということなんですよね。
- 5:57それは、なぜかということですね。なぜ別れたのかというと、これは学校というところが、勉強をさせる場所になったわけですね。
- 6:18勉強という言葉自体が何かこう、かなり無理を強いるという感じがありますよね。
- 6:28遊びというのとやっぱり語感が全然違う。
- 6:33商売でもですね、勉強しますというと、頑張って値引きするというのはそういう意味になるんじゃないかと思うんですけどね、なんか頑張るという感じがありますよね。
- 6:44ですので、何でそういうふうに今、勉強を強制するようになったんだろうかということを新しい問いにしまして、
- 6:57この本の中ですね、孫さんの本の中では、「なぜ大人は勉強しなさいというのか」という問いから始まる章があります。
- 7:05この第2章の続きの第3章なんですが、それがありますので、その学校で勉強が強制されるようになった理由をですね、また孫さんと一緒に探究していきたいなというふうに思うんですけれども、
- 7:25この冒険の章を見てもですね、なんかこの本を読めばすぐわかるというような感じでは書いてないんですね。
- 7:33中のところにいくつも文献が挙がっているんですが、ですので、その辺のですね、文献とかあるいはオンライン上の情報、YouTubeとかnoteとかの記事とかですね、そういうのもありますので、
- 7:48その辺も参照しながら、この問いに答えていくというか、答えは孫さんの本に書いてあるんですけれども、それを元の本とか情報源にさかのぼってですね、深く理解していきたいなというふうに思っています。
- 8:13ということで、途中経過の記録、これで終わりにしたいと思います。
- 8:21◆ボイスメモ第2回◆孫泰蔵さんの『冒険の書』を手がかりに始めました探究の旅、途中経過ボイスメモの2回目となります。
- 8:40前回8月4日から、今日8月6日まで2日間の経過報告となります。
- 8:51その間、なぜ大人は勉強しなさいというのか、という問いに答えるためということで、まず1つは小坂井敏晶さんのオンライン講演会、「教育という虚構」というタイトルのものですが、
- 9:15これを視聴しまして、そこで学校での教育が一種の虚構であると、そういう話を聞きました。
- 9:30学校では、すべての子どもたちの能力を高める、それによって社会で誰もが活躍できるようにする。
- 9:43子どもたちは皆平等であり、皆可能性を持っている、そういうある種の虚構の上に成り立っているということですね。
- 9:56実際はどうかというと、それぞれの子どもが将来どうなるか、もちろん格差があるわけですが、それは子どもたちの努力とは関係ないところでほぼ決まっている。
- 10:13努力すれば良くなるというのは本当ではないということですね。
- 10:19そもそも努力できるかどうかということすら、それは本人の責任ではないという話になるかと思います。
- 10:32しかし今、学校という制度は、それをすべて個人の努力の結果だというふうに思い込ませて、もしそれがうまくいかなければ、それはその本人の努力が足りないからだということで、本人の責任にして終わりにすると。
- 10:58そういう現在の社会の様々な格差を、本人の責任、いわゆる自己責任ということで説明し、みんなもそれが本当だというふうに信じて、社会はそれなりに安定しているという話ですね。
- 11:21つまり現在のこの社会はそういった虚構の上に成り立っているという話になります。
- 11:30みんながそれを信じてますから、子どもは学校に行くのが当然だ、やりたくもない勉強しなければいけないのも当然だという話になっていくわけで、
- 11:44なぜ大人は勉強しなさいというふうに言うのかというと、みんながそういう虚構を信じているからだという話になるわけですね。
- 11:54それから、そういう虚構のようなものは色々あるんですが、例えば早期教育ですね。何かに熟達するためには早めに始めたほうがいいと。
- 12:11例えば英語をちゃんと話せるようになるためには早期の英語教育が大事だということで、かつては中学生から始まっていた英語の授業も現在は小学生から始めるようになっていますよね。
- 12:29それから、よく言われるのが基礎が大事だということで、何をやるにもまずは基礎を固めなければいけないということで、学校の勉強というのは基礎的なことから順々に積み上げていくという形にカリキュラムが組まれているわけですけど。
- 12:49これも誰もが当然のことというふうに考えているわけですよね。
- 12:55だけども、早い時期に何かを学ばせられて、それを面白いと思う子どももいるかもしれませんけど、面白くないと思う興味を持たない子どももいるわけです。
- 13:11また、基礎を固めることが大事だということを言われてもですね、その基礎というのはあまり面白くないことが多いわけでして、その面白くないことをやっていくうちにそのことをやること自体が嫌になってしまうということもよくあることですよね。
- 13:31こういうものもやはり一種の思い込みから来ている共生だと思うんですけれども、その背後には全てを合理的に進める、もとも無駄のないように進める、そういう考え方があるだろうと思います。
- 13:54そしてその無駄の一つが失敗ですね。何か失敗するというのはそれは一種の無駄であると。失敗せずにどんどんどんどん成功を続けて進んでいくのがいいという、そういう考え方があるではないかと思うんですけれども。
- 14:12しかし学びというのは失敗から学ぶということがとても大事なわけですね。そこから新しいものが生まれてくるということがあります。なぜ失敗したのか、それを探るためにいろいろ試行錯誤をする。
- 14:29こうすればうまくいくんじゃないかと思っていろいろ考えてやってみる。また失敗する、また考える、また失敗する、それの繰り返しによって考える力というものが育まれていくわけですが、最初からうまくいく方法を教えられると、もうその方法をやるしかない。
- 14:47そして何かをするにはまず教えてもらわないとできないというふうになって何も考えなくなってしまう。そういう子どもがあるいは大人が育てられていくわけですよね。
- 15:01それではこれから何か新しいものを生み出さなければいけないと言われている社会において、全然新しいものが生まれてこないという悲劇が待っているわけですよね。
- 15:17ですので効率が良いようであって全然良くないという話になります。むしろ良いのは何でもいいから好きなことを自由にやってみて、もちろん失敗する、でもその失敗を楽しんでまたさらに楽しいことを続けていく。
- 15:42つまり楽しいことをやっていれば失敗というのはそんなに苦にならないわけですね。嫌々やっていることを失敗するとますます嫌になりますけれども、楽しいことですと失敗も楽しみの一つになってくるわけです。
- 15:54じゃあ次はどうしたらいいだろうか。こうしたらうまくいくんじゃないかと言って次にやることを楽しむわけですよね。それとワクワクします。うまくいかなくてもそんなに落ち込むことはない。またやってみればいいわけですから。
- 16:11そうやってそれぞれの人が自分の好きなことをやりながら新しいものを生み出していく。そういうことが可能となる社会がいいんじゃないかというのが孫さんの考えていることだろうと思うんですけれども、その辺全く私も同感だなというふうに思いながら、
- 16:38この『冒険の書』とそれからそこに紹介されている資料ですね。一つは先ほどの小坂井敏晶さんのオンライン講演ですが、あともう一つはですね、その失敗から学ぶことが大事だという話はちょっと紹介するのを忘れてましたが、
- 17:03お寺のですね、副住職の方で松山大耕さんという京都のお寺の方がいるんですけれども、その方が禅の修行では必ずみんな失敗するようにさせていると、わざとそうさせていると、そうすることによってどうすればうまくいくか試行錯誤させ、そして必ず最後は成功で、
- 17:33そういう経験をさせているんだという話をしていました。失敗から学ぶということがいかに大事かということが禅の修行ではもうプログラムの中に組み込まれているということですね。
- 17:50これは現在の学校教育の中にも組み込んでもいいかもしれませんね。
- 17:59常にですね、成功できるようにということで、いろんな準備をですね、させる。それが今の学校ですけれども、あえてそういうものをしないで失敗から学ぶ機会を提供する。
- 18:20それも学校と言いましょうか、学びの場の一つの大事な機能だろうというふうに思うんですが、今の学校ではなかなか難しいかもしれませんね。かなりその学校の在り方を変えていかなければいけないだろうというふうに思うんですけれども、
- 18:41いろいろと考えさせられる内容を今回も学ばせてもらいました。ということで、2回目の途中経過、ボイスメモ終わりにします。
- 18:56◆ボイスメモ第3回◆孫泰蔵さんの『冒険の書』を手に出ました探究の旅、途中経過の3回目となります。
- 19:15今日は8月10日です。前回から4日目となります。
- 19:21その間、私はこの冒険の書の能力主義への批判の部分と、それから評価に対する批判の部分を読みまして、大事だなと思うところを抜きがきしましたけれども、
- 19:45この2つのテーマに関しては気にはなりますけれども、大体実感としてもわかっているところです。
- 19:57私は大学で長年学生を教えてきましたけれども、そしてその教育活動は学生の能力を高めるという目的で行い、その能力は様々な評価によって行ってきました。
- 20:20その評価を成績という形で示すこともずっとやってきまして、それがあまり意味のないものだなというふうに実感として非常によくわかっています。
- 20:38それがどうしてなのかということをもっときちんと理解し説明できるようになることも大切だとは思うんですけれども、私は教師としてもそれが実感としてわかっているので、それ以上そこを突き詰めて考える気持ちはあまりありません。
- 21:01ですので、関連する文献などもとりあえず読まずに先に進もうと思いました。
- 21:09私が一番関心を持っているのは、やはりこれまでの教育とは違う新たな学びの場というものがどういうものなのかということ、そしてそれを孫さんがどのようにイメージしているのかということでして、
- 21:26それを知るためにこの本をまたざっと読み返し、私がところどころ線を引いたりしているところなども手がかりにしながら、孫さんが新しい学びの場をどのように表現しているかということを付箋をつける形でチェックしていきました。
- 21:51その結果、かなりたくさんの付箋がついたんですけれども、もう覚えることができないぐらいの分量ですので、これはもうとりあえずは文字化するしかないと思いまして、
- 22:07その付箋がついた私が線を引いたところを、LISTENのこのエピソードの概要欄に抜粋しようと思いまして、これ手で打つのは大変ですので音声入力でやろうということで、Macの音声入力機能を使いまして、読み上げながら入力を行いました。
- 22:38ところどころ修正する必要はありましたけれども、全部を手で入力するよりはずっと早く、また労力も少なく入力することができました。
- 22:54◆ボイスメモ第4回◆ 孫泰蔵さんの『冒険の書』を手に始めました私なりの探究の旅、途中経過メモの第4回となります。前回から3日目となりますね。
- 23:20前回は、孫さんの新しい学びの場に関するイメージを明らかにするために、『冒険の書』からそれに関係するような箇所を抜き書きしまして、このエピソードの概要欄に掲載しておきました。
- 23:44その後、それをもう一度読みまして、そこから私なりに、私の教育活動に活かせるような内容を引き出すということをしまして、いくつかの点を同じく概要欄にメモしておきました。
- 24:08次のようなものです。
- 24:11まず、授業に関連することとしては、5つありまして、
- 24:171つ目、強制はできるだけ少なくする。
- 24:212つ目、試行錯誤できる場を作る。
- 24:253つ目、教材は小出しにせず、最初からすべてアクセスできるようにする。
- 24:304つ目、自信を失わせるような評価はしない。
- 24:335つ目、教師も学生とともに学んでアンラーニングを楽しむ。
- 24:40以上です。
- 24:42それから、授業外に関すること、広く社会に対してという感じになりますが、教材を細かい単位で公開するということも大事かなというふうに思いました。
- 24:57授業に関することでは、もうすでにいくつかやっていることもありますけれども、
- 25:06もうすぐ始まる後期の授業からは、教材を最初からすべてアクセスできるようにするというのをやってみたいと思います。
- 25:20これまでは、授業の約1週間前くらいからしか使えないようにしていました。
- 25:28すなわち、少しずつ学生に教材を提供してきたんですけれども、
- 25:34それだと、どんどん先に進みたいという学生が待ってなければいけないということになりますね。
- 25:43ですので、先に進みたい学生はどんどん先に進んだり、あるいは土地を飛ばして先のところだけ先に学んでみたいというですね、
- 25:57自分の関心に従って、今やっているところはあまり関心ないんだけれども、先に行くと関心があるということはよくあると思いますので、
- 26:05そういうことも関心があるときにですね、学んでもらえるような、そういう教材の提供の仕方をしたいなというふうに思っています。
- 26:19それからもう一つ、また別の話になりますが、この『冒険の書』という本の最初のところに、「父からの手紙」という文章が載っています。
- 26:37タイトルの通り、父から子に対して手紙の形をとって、この本の紹介をしているような、そういう文章ですね。
- 26:51そこのところにですね、参考文献が挙げられていまして、清沢洌という人が書いた『非常日本への直言』という1933年、昭和8年に出版された本が挙げられていまして、
- 27:11どうしてこれがこの父からの手紙の参考文献になるんだろうかというふうに疑問に思いまして、
- 27:18それでちょっと調べてみました。
- 27:22この本は比較的入手しにくい本だと思うんですけれども、幸い国会図書館のデジタルコレクションで公開されていまして、
- 27:36今は非常に簡単に見ることができるようになっています。
- 27:42戦時中はこの本、発禁処分にあいまして、普通の人は読めなかったと思うんですね。
- 27:50この本を見てみましたらば、最初のところに、「序に代へて 我が児に与ふ」という文章がありまして、
- 28:01まさに自分の子どもに対する手紙のような形式の文章が載っているんですね。
- 28:09書いてあることは違うにしても、その形式は非常によく似ていて、
- 28:18これを真似したというか、参考にして書いたのだなと、それをこの参考文献にあげたのだなということがわかりまして、
- 28:31そのこともこのエピソードの概要欄のところに少しメモしておきました。
- 28:41ということで、一応大体私、この本から学びたいなと思ったことを大体学べたかなと思いますので、
- 28:52とりあえずこの冒険の章、手がかりに進めてきました探究の旅はこの辺でひとまず終わりにしまして、
- 29:04また何か機会があればもう一度探究の旅に出たいなというふうに思っています。
- 29:11またこの途中経過のボイスメモですね、これ4回ほどにわたって記録をしてきましたけれども、
- 29:26最終的に全部まとめてエピソードの音声の部分に載せておこうかなというふうに思っています。
- 29:38それではこれで終わります。