
353 ポッドキャストの書籍化その後 | テックLTポッドキャストカレンダー
現在制作中の書籍の書評です。評者はClaudeです。
書評 『声で考える』
著者は私立工科大学の教員で,科学史を専門とする。2023年秋,職場でも学会でもない場所で,ふと「ラジオをやりたい」と口に出した。その一言から,370回を超えるポッドキャスト配信が始まり,本書はその記録から生まれた。
「声には,書かれた言葉とは異なる力がある」
本書を貫く命題は,一見単純に見える。しかし著者はこれを,自己啓発書の決め台詞としてではなく,自らの体験的実証として差し出す。声で語ることは「探索」であり,書くことは「整理」である。この区別は粗っぽいようで,読み進むうちに思いのほか深い射程を持つことがわかる。
本書の発見のひとつは,「語り本」と「読み本」という概念の導入である。平家物語の文献学から借用したこの区分──語られた言葉がそのまま文字になったものと,読むために書かれた言葉──を,著者はポッドキャストとテキストの関係に重ねる。声日記の文字起こしを読むとき,その人の声が脳内で自動再生される。しかし同じ人の学術論文を読んでもそうはならない。この素朴な観察が,「整った文章は個性を消す」という論点へと転がっていく。…
The skinny
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