Latest / 英国ドラマタイム / #101 街を歩くと歴史が見えてくる|ロンドンを歩いて見つけたもの
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- 0:09英国ドラマタイムへようこそ。この番組は、イギリスの歴史ドラマが大好きな私が、ドラマや映画のおすすめ、ロテ地の秘密、当時の暮らしまで深掘りしてご紹介しています。
- 0:21物語の背景を知ると、作品がもっと楽しくなります。
- 0:28お久しぶりの放送です。日本に帰ってきてから、もう2週間以上経ってしまいました。
- 0:34結局、イギリスからの放送は一度きり、なかなかゆっくりと時間が取れず難しかったです。
- 0:42そして今回は、帰国後の時差ボケが本当にひどくて、夜全然眠れないという日々が続きました。
- 0:50時差ボケがしんどいって本当につらいですよね。朝早く来ないかな。
- 0:56日が昇る5時半ごろが本当に待ち遠しくて、その時間になると窓を開けて、はやっと夜が明けたって嬉しくなっていました。
- 1:07このように時差ボケになってしまうのは、飛行機であっという間に遠い距離を移動できてしまうからですよね。
- 1:16時間をかけて移動する、船の移動はどうなんだろうって、ちょっと気になって調べていたら面白いことが分かりました。
- 1:24今から200年近く前の1838年ごろ、蒸気船で大西洋を渡り始めたわけなんですが、
- 1:33その頃はイギリスからアメリカのニューヨークまで船で15日ぐらいかかっていたんです。
- 1:40面白いのが、船内の時計を少しずつ時間を変えていたんだそうです。
- 1:48当時はまだ今のように標準時やタイムゾーンが整備されていたわけではないんですね。
- 1:55でも船は自分がどの程度にいるかに合わせて、船の中の時計を調整していたようです。
- 2:03イギリスからニューヨークへ向かう場合は、東から西へ進むのですが、時計を少しずつ戻していく。
- 2:10反対は時計を進めるわけなんですが、長い航海の間もその場所に合わせて船内の時間を調整していたんですね。
- 2:21その後、19世紀後半になると鉄道や電信が発達して、場所によって時間が違うというのがだんだん不便になってきて、
- 2:30標準時やタイムゾーンが整えられていきます。
- 2:35つまり、船で移動する人たちは昔から時間を少しずつ移動させながら旅をするということをしていたんだなというわけです。
- 2:45そして今でもその習慣は残っていて、イギリスからニューヨークへ向かう途中、
- 2:515時間の時差を約7日間の航海の中で少しずつニューヨークの時間に合わせているそうです。
- 2:59これならば少しずつ体が慣らされていくから楽なんだろうなと思うのですが、私は船酔いが激しくて船は無理なんですね。
- 3:12さて、ちょっと話が脱線してしまいましたが、
- 3:16今日は7月にロンドンでプライベートツアーをお願いして、ある1日の午後、素敵なロンドンウォーキングをしてきた話をしたいと思います。
- 3:26私の欲張りなお願いを素敵なツアーに作り替えていただいて案内してくださったのは、
- 3:33キジマ・タイバース・ユミコさんです。
- 3:35ユミコさんはイギリスでブルーバッジガイドという政府が認めている観光ガイド資格を持って長年活動されている方です。
- 3:45私は以前、友人からユミコさんを紹介していただき、
- 3:49ユミコさん主催のオンラインでのイギリスツアーに何回か参加しているんですね。
- 3:54そういったご縁で今回お願いしたというわけです。
- 3:59今回のツアーの目的は、ジェーン・オーシティの時代からビクトリア町、
- 4:06そしてダウントン・アビーの時代へと続いていくイギリスの上流階級の暮らしが、
- 4:11ロンドンの街の中にどう残っているのか、
- 4:14どんな場所に貴族たちが住んで、どんな通りを歩き、どんな店を利用していたのか、
- 4:21そうした昔の世界が今のロンドンではどういう形で残っているのかというのを、
- 4:26実際に歩きながら見てみたかったんです。
- 4:32実際に歩いた場所をざっくりと言うと、ロンドンの中心部の西側です。
- 4:38メイフェアからベルグレイビア、バッキンガム宮殿の周辺を通ってセント・ジェームスへ、
- 4:45そして最後はピカデリア、サヴィルローへ向かうというルートです。
- 4:50この辺りは18世紀以降、イギリスの上流階級にとってとても重要な場所でした。
- 4:58田舎のカントリーハウスで暮らしていた貴族たちが、車高シリーズになるとロンドンへやってくる。
- 5:04そしてこの辺りに滞在して車高したり、パーツに出かけたり、買い物をしたり、紳士たちはクラブに集まったりする。
- 5:13そんな上流階級のロンドンがこの一帯に広がっていたんですね。
- 5:20今回のウォーキングツアーでは主に3つのエリアをつないで歩きながら、歴史や建物の話、そこに暮らした人々や、そして面白いエピソードなど聞きながら歩きました。
- 5:34その3つのエリアというのが、まず一つ目はメイフェアです。
- 5:4018世紀以降に貴族や裕福な人々が邸宅を構えたロンドンの高級住宅街です。
- 5:47車高やショッピングの中心でもあり、今も高級ホテルや店が多く残っています。
- 5:54そこには18世紀から19世紀の車高界、貴族のタウンハウス、そして様々な人たちの物語がびっしりあります。
- 6:07そしてこのウォーキングツアーをスタートしたのは、ウォーレスコレクションという美術館です。
- 6:14こちらはかつてハートフォード公爵家、そしてサーリチャードウォレス夫妻が暮らしたロンドンの邸宅です。
- 6:22だから単なる美術館ではなくて、19世紀の大富豪の邸宅をそのまま美術館として見る場所、今回のツアーのスタートとしてぴったりの場所でした。
- 6:37そして次のエリアがベルグレイビアです。
- 6:42こちらは19世紀にウエストミンスター公爵家によって計画的に作られた高級住宅街です。
- 6:50そもそもこのウエストミンスター公爵家というのがロンドンではものすごい存在なんですね。
- 6:56今でもメイフェアとベルグレイビアを中心に、ロンドンの一等地に広大な土地を持っている王子主です。
- 7:06こういったメイフェアやベルグレイビアを歩いていると、この街を作った人たちの土地を歩いているということでもあるんですね。
- 7:16そして19世紀にこの一族が自分たちの土地に貴族や裕福な人たちが住むための新しい街を作っていきました。
- 7:25その特徴がスクエアとテラスハウスです。
- 7:29スクエアというのはロンドンの地図を見てもらうとすぐわかるんですが、四角い緑のエリアですね。
- 7:37その緑の広場をぐるっと囲むように美しい邸宅がずらーっと並んでいるんです。
- 7:44真ん中のその緑の広場の周りに貴族たちの邸宅が囲んでいるんですね。
- 7:50これがベルグレイビアの特徴です。
- 7:56そしてベルグレイビアを歩いていくと少しずつ景色が変わっていきます。
- 8:00ここから向かうのがバッキンガム宮殿。
- 8:04ここまで貴族のロンドンを歩いていったんですが、ここで今度は王室のロンドンへ入っていきます。
- 8:11バッキンガム宮殿からザ・マルというおなじみの大通りを歩いていきます。
- 8:17そしてその先にあるのがセント・ジェームス宮殿です。
- 8:21実はこのあたりには近くに二つの王宮があるんですね。
- 8:25私たちはロンドンの王宮というとすぐにバッキンガム宮殿をイメージするんですが、
- 8:31でもセント・ジェームス宮殿も今も現役の王宮です。
- 8:37かつてヘンリー8世が16世紀に建てた宮殿で、
- 8:41その後も長い間イギリスの国王・女王の宮殿の中心だった場所です。
- 8:48そして2022年、エリザベス2世が亡くなった後、
- 8:52チャールズ3世の生死に国王として宣言されたのもこのセント・ジェームス宮殿でした。
- 9:02ではなぜ今はバッキンガム宮殿の方が王室の中心というイメージになっているのか。
- 9:08そのきっかけは18世紀にあります。
- 9:121761年、ジョージ3世がセント・ジェームス宮殿のすぐ近くにあったバッキンガムハウスを購入します。
- 9:19この時は新しい王宮を作ろうとしたわけではなく、
- 9:23ジョージ3世の妻のシャールと王妃と子供たちのための家族の家として購入されました。
- 9:30その後、ジョージ4世の時代に大規模な改築が行われて、やがて宮殿へと姿を変えていきます。
- 9:391837年、ビクトリア女王が即位すると、
- 9:42バッキンガム宮殿が女王のロンドンの公式な住居として使われるようになります。
- 9:48つまり、王室の中心がセント・ジェームスからバッキンガムへ移っていったわけです。
- 9:55でも、ここでセント・ジェームス宮殿が役目を終えたわけではなく、
- 9:59王室の機能も全部バッキンガム宮殿に移したわけではありません。
- 10:03今も王室のオフィスや様々な機関を置かれていて、エセプションや公式ジョージなどにも使われています。
- 10:14でも実際にこのあたりを歩いてみると、ちょっと不思議な感じもします。
- 10:19今はバッキンガム宮殿が大きく構えていて、どうしてもこちらの存在感が圧倒的なんですね。
- 10:27一方、セント・ジェームス宮殿は少し奥まったところにひっそり立たずんでいる感じがあって、
- 10:33ついその存在を忘れてしまいそうになるんですが、
- 10:37実はこのセント・ジェームス宮殿も長い間王室の中心だった場所で、今でも重要な場所であるんです。
- 10:47そしてこの王宮の周辺に発展していったのが、セント・ジェームスという町です。
- 10:53王室や貴族たちが集まれば、当然社交の輪が必要となります。
- 10:58そこで生まれたのは、紳士たちのためのクラブです。
- 11:02今でいう、会員制の社交輪のようなもので、男性たちが集まって食事をしたり、
- 11:08お酒を飲んだり、新聞を読んだり、政治や社会の話をしたりする。
- 11:13当時の紳士たちにとっての情報交換する大切な場所だったんですね。
- 11:20その紳士クラブが集まっているのがパルモール、
- 11:24そしてそこから少し歩いたジャーミンストリートには、
- 11:28下手屋やシャツ、帽子、靴など、紳士たちの身の回りのものを扱う店が集まっています。
- 11:35今回のウォーキングツアーの中でも、そういった老舗をたくさん見ることができました。
- 11:41そしてここからもう少し先にあるのが、サビルロー。
- 11:46公通紳士服の下手屋が集まる、世界的に有名な通りです。
- 11:51日本語のセビロは、このサビルローが語源だという説があります。
- 11:58今回、このセント・ジェームスを歩いてみて、
- 12:02単に英国紳士の街というだけではなくて、
- 12:05王宮があり、貴族や紳士たちが集まり、
- 12:08そこに社交が生まれて、クラブができ、
- 12:12その人たちの暮らしを支える店や職人たちが集まっていった。
- 12:16そのようにして、紳士たちの文化が街の中に作られていったんだなということがよくわかりました。
- 12:25こうやってルートを巡りながら、途中面白い建物を見つけて、
- 12:31当時の暮らしを想像したり、建物の壁についているストリート名を読んで、
- 12:37この名前にはこんな由来があるんだと教えてもらったり、
- 12:41建物についているブループラークを見つけて、
- 12:45この人とゆかりのある場所なんだなと驚いたり。
- 12:49ロンドンの有名な観光名所を巡るのももちろん楽しいのですが、
- 12:54こうやって街を歩きながら、自分でもいろいろなものを見つけていく楽しさってまた格別なんですよね。
- 13:01今回は愛美子さんに素晴らしいルートを作っていただいて、
- 13:05案内していただいたんですが、本当にとても楽しいウォーキングツアーでした。
- 13:13歩いている途中に、つじつじと新しい発見もありましたね。
- 13:18実際今回、メイフェアを歩いているときに、フローレンス・ナイチンゲールが住んでいた場所に出会いました。
- 13:26実際の建物は残っていませんが、
- 13:28跡地の建物にブルーの円形の表示があるんですが、
- 13:34そこにナイチンゲールがここに亡くなるまで住んでいたと記載してあったんです。
- 13:40彼女の人生の後半、90歳で亡くなるまで、
- 13:44この場所で看護制度や衛生、病院について膨大な手紙を書いて、
- 13:49社会に影響を与え続けていた場所なんですね。
- 13:53いろいろな道を歩いて、建物を見て、通りの名前を見て、
- 13:58ちょろちょろしていたからこそ、見つけることができる。
- 14:04もちろん、ロンドンではすでに会うから、ちょろちょろして歩いちゃダメですよと言われそうなんですが、
- 14:10そこはしっかりと注意しながら、
- 14:13でもせっかくその町に行くなら、ちょっと顔を上げて、周りを見ながら歩きたいなと思います。
- 14:20その国を知るっていうのは、このように町を歩きながら楽しさを見つけていく。
- 14:25それが楽しいんですよね。
- 14:29さて、今日もたっぷりとロンドンのお話をしてしまいましたが、
- 14:33今日の放送を聞いて、もう少し聞いてみたいなどリクエストがあれば、
- 14:37ぜひお便りホームから送ってください。
- 14:42最後に9月のオンライン会のお知らせです。
- 14:46今回のテーマは、英国のお屋敷で見つけたちょっと気になるもの。
- 14:50これなんだろう?その役割を知ると面白い。
- 14:54お屋敷に残るものです。
- 14:56英国のお屋敷を巡っていると、時々というかかなりの頻度で、
- 15:02これ何のためにあるんだろう?と足を止めてしまうものに出会います。
- 15:07そういった、これ何に使うの?という謎のものを入口に、
- 15:12当時の暮らしや人々の物語を紐解いていきます。
- 15:17お屋敷は美術館とはちょっと違うので、
- 15:19説明書きもないものも多くて、その度にガイドさんに直接訪ねたり、
- 15:25日本に帰ってきてから撮った写真を見返して調べたり、
- 15:29そうやって少しずつ正体にたどり着いていくんですが、
- 15:35素通りしてしまいそうな小さな道具や室内、
- 15:38それでもその一つ一つには、当時の暮らしぶりや社会の仕組み、
- 15:44家族や使用人たちの物語が隠れています。
- 15:48開催日は9月19日の土曜日、夜8時から9時です。
- 15:53お申し込みの締め切り日は9月13日です。
- 15:58申し込み、オンライン会の詳細は概要欄のリンクからチェックしてみてください。
- 16:05次回は今回のイギリス旅で行ったカントリーハウスの2軒目、
- 16:11ヘアウッドハウスについてご紹介します。
- 16:14どうぞお楽しみに。