Latest / TanaRadio / 196 メモ | 答えようとするな,むしろ問え。
Transcript
- 0:00田中浩朗です。ただいまの時刻、2024年11月17日、日曜日、午前10時半頃です。
- 0:13ちょっと思いついて、メモとして残したいので、ちょっと語ります。
- 0:20私が好きな本で、孫泰蔵さんの『冒険の書』というのがありますが、その本の袖というんでしょうかね、カバーの折り返したところにですね、こういうフレーズがあります。
- 0:38「答えようとするな、むしろ問え」という言葉ですね。これは本文にもそういう内容のことが書かれているんですけれども、これが一番目立つところに書かれているということは、これが孫さんの一番伝えたいメッセージなのかなというふうに思うんですね。
- 1:05で、この意味が最近ちょっとわかってきたので、今語っているんです。
- 1:12学校などですと先生が問いを出し、問題を学生に提示して、その答えを書くというのが、答えを書いたり話したりするというのが学校でよく行われていることで、
- 1:38テストですね、授業関連でやったり、あるいは入試で行われるようなテストというのは、問いは必ず先生あるいは試験官側が出し、生徒学生はそれを答えるという、ちゃんと正しく答えられているかどうかで評価されるという、これが当たり前なんですけれども、
- 2:04これを否定する、覆す考え方がこの「答えようとするな、むしろ問え」という言葉なんですね。
- 2:14で、このことの意味が、大体はわかるような気がするんですが、ずっと今一つピンとこない感じがしていました。
- 2:28いわゆる記号接地ができていないというんでしょうかね、言葉としてはわかるけれども、きちんと踏み落ちていないという状態だったわけです。
- 2:40で、問いを出すということはとても大事なことだというふうには、頭ではわかっているんですけれども、答えようとするな、答えなくていいというですね、ここが今一つわかりませんでした。
- 2:55答えを出すことはやはり大事なんじゃないかなと思うので、答えようとするなというふうに言っているというのはかなり強いメッセージなんですけれども、
- 3:06これどういう意味なんだろうか、答えなくてもいいんだろうかと考えていました。
- 3:14最近ですね、そのことの意味が少しわかってきたような気がするんです。
- 3:19それは、生成AIを使っている中でそういう感覚を持つようになったんですね。
- 3:25孫さんは一般的な人に先駆けて、そういう新しい技術に詳しい方ですので、生成AIの力というものも十分理解した上でこの本を書かれたと思うんですが、
- 3:45要するにですね、今の時代、答えというものは、といえばですね、生成AIが答えてくれる、そういう時代になったわけですよね。
- 3:57ですから、問いさえ出せばですね、だいたい満足のいく答えは返ってくるわけです。
- 4:06ですから答えを出すということ自体は、あんまり重要ではなくなったわけですね。
- 4:11誰でもできる、問いさえ与えられればということですよね。
- 4:17AIで言えばプロンプトです。
- 4:20プロンプトをどう出すかということさえわかれば、答えはもう出てくるという時代になった。
- 4:27ですから、これまでのやり方でですね、先生が生徒学生に問いを投げかけても、問いはわかっているわけですから、
- 4:37あとは生徒学生がAIにそれをプロンプトの中に入れればですね、答え出てくるわけで、
- 4:45何も考えなくてもそれで済んでしまうわけですよね。
- 4:51じゃあ、人間は何を考えればいいのか。
- 4:55AIにはできない人間がやるべきことというのは何かというと、
- 5:01まさにそのプロンプトを考えるということですね。
- 5:04つまり問いを出すということなわけです。
- 5:10これが大事だということですね。
- 5:13これ私、授業をやっていて本当に感じるんです。
- 5:17今までの授業と同じようにですね、私の方で学生に問いかけて、学生に何か意見を書いてもらっているんですが、
- 5:25それがですね、もう本当に大体似通ったものばかりなんですね。
- 5:33パターン化されているということで、読んでいて全く面白くないんです。
- 5:42言ってみれば常識的なことがどんどん返ってくるわけですよね。
- 5:47これはまさにこの常識的なことを考えるのが得意なAIに考えさせているんじゃないかというふうに思わざるを得ないんですよね。
- 5:57ですから、こんなことをいくらやってもですね、何の意味もないんじゃないかなというふうに最近思い始めました。
- 6:06ですので、学生には何をやらせるかというと、むしろ問いを作らせるということですね。
- 6:14これが大事だと。
- 6:17問いを作ったらば、それをAIに入れてみると答えが返ってくる。
- 6:22その答えを見てまた問いを作るというですね、このサイクルですね。
- 6:27これが新しい学びの仕方になっていくのかなと。
- 6:33孫さんがこの本の中で言っていることもですね、そういう形になっている、そういう図が出ていましたけどね。
- 6:43そういうことなのかと。
- 6:46やはりこれはAIというものが出てきて、ものすごく現実味を帯びた考え方になってきているんだなというふうに思いました。
- 6:58孫さんはですね、問いを立てたらば、次にやることは行動だというんですね。
- 7:06この行動の中にはもちろんAIに聞くという行動もあると思います。
- 7:11そうするとそれなりの答えが返ってくる。
- 7:14そこからまた問いを出すということもありますし、またこの行動というのは文字通りの行動ですね。
- 7:21何か自分でやってみる。
- 7:24AIが答えを出してきたら、それが本当なのかどうか、その通りにやればうまくいくのかどうか、そういうことを自分で行動してみる。
- 7:35おそらく失敗することもあるでしょう。
- 7:38失敗したらばそこからまた考えて、問いを出して、また自分で考えてもいいし、AIに考えてもらってもいいし、また何かヒントを得て行動してみるという、
- 7:50こういうサイクルですね。
- 7:52これが大事になってくるんじゃないかなというふうに思い至りまして、
- 7:58AIが出てきたということは本当に教育のあり方を変えるんだなということをしみじみと感じているところです。
- 8:10とは言っても私まだAIについては使い始めただけでばかりで、ちゃんと使えているわけではないんですけれども、
- 8:19これは本当に学校の先生、大学の先生はちゃんと使えるようになって、
- 8:28その使い方を生徒学生に教えていく必要があるんだろうなというふうに思っているところですが、
- 8:40そういうことをちゃんと学べる場が今本当に少ないですよね。
- 8:48ですので、私は前から言っていますけれども、
- 8:52平野友康さんがやろうとしているテレポート学校というのにとても期待しているんですね。
- 8:59これおそらくもうすぐ開校されるんじゃないかと思うんですけれども、
- 9:05そうしましたら真っ先に入学しまして、いろいろ学んでそれをまた学生たちに伝えていきたいなというふうに思っています。
- 9:17それではまた。