
4時56分の残照とピーベリー:山並みの向こうに「丸い時間」を探して(いつもの展望台から2026年6月19日)
午前4時56分。瀬戸内の空が、夜の深い藍色から「雲の間から覗く鮮やかなブルー」へと移ろい始める頃、私たちは「いつもの展望台」に集います。肌をなでる朝気(あさけ)はひんやりと心地よく、立ち上るコーヒーの湯気が、まだ眠りの中にいる街を優しく見守っているようです。
今日は4人の仲間とともに、この特別な「ブルーアワー」を共有することになりました。日常の喧騒から切り離されたこの場所では、一杯のコーヒーや、遠くの山並みの美しさが、普段とは違う濃密な意味を持って語り出します。
今朝、私たちが手にしたのはマンデリンの「ピーベリー(丸豆)」です。コーヒー愛好家を惹きつけてやまないこの豆は、ある種の「幸福な偶然」から生まれます。
通常のコーヒーチェリーには2つの種子が向かい合って育ちますが、稀に片方の種子に栄養が集中し、一粒だけが丸く育つことがあります。これがピーベリーです。全収穫量のわずか5%から20%ほどしか現れないこの「丸い豆」には、本来2つに分散されるはずの風味が、ぎゅっと凝縮されています。
この希少な一杯を、展望台のホストは独特の語り口でこう表現しました。
「あ、濃いやつ。大吟醸…日本酒でも言うんだけどね。これは味が濃くなるんですよ」
偶然の変異によって生まれた「丸さ」が、結果として極上の深みをもたらす。その不完全ながらも力強い姿は、どこか人間の営みにも似た愛おしさを感じさせます。…
The skinny
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